京都でみつけた新感覚“スパイスうどん”!モーニングやちょい飲みに
京都の由緒ある古美術商や美術商が立ち並ぶ、新門前通。古都の静かな空気が流れる通り沿いに、2018年、おうどんの店「UDON MAIN(ウドン メーン)」がオープンしました。だしは、和食本来のやさしい味。あわせる具に和洋中のスパイスやハーブを使った、未体験のおうどんに出会えます。
ステキな店内で、京町家の特徴を探そう
古美術商や美術商が集中する新門前通は、京都市により歴史的景観保全修景地区に指定され、昔ながらの景観を守られている場所。
何軒かある飲食店は、ひっそりと営まれていて、注意深く歩かないと見逃してしまいます。
「UDON MAIN」の入口も、狭い間口の「うなぎの寝床」。入ると、壁に沿うように並べられた棚はかなりの年代物。(うなぎの寝床は、1000年以上前に都が作られた京都の町家の特徴のひとつです)
もともと造作家具などの木工を手がける建具屋さんの住まいだったそうで、今となっては、かなり貴重な代物がいっぱい。
京町家の特徴である箱階段、走り庭(はしりにわ)など、当時を思わせる姿が各所に見受けられます。
席は現代風にアレンジされていて、ゆったり足を伸ばせる掘りごたつ式。
2階席もあります。
鮮烈!スパイスうどん
「UDON MAIN」という店名にもなっているとおり、一番の看板メニューはうどん。主役の麺とだしには、選び抜いた素材が使われています。
まず、麺は氷見の手延べ。こねたものを包丁で切る「手打ち」と違い、手延べは、うどんの細さになるまで、何段階にもわけて生地を伸ばします。そのため、細くつるっとした麺は喉越しよく、しっかりコシのある歯ごたえ。
そして、ベースを昆布と混合節でとった上品な和風だしにしているからこそ、スパイスをふんだんに使った具材が引き立ちます。まずひと口、透明なスープを。そして、スパイスを混ぜたときの味の変化を楽しんで。
スパイスうどんは、一番人気の「トンポーローうどん」を含め、現在10種類。今回選んだのは、鯖を使った「ペッパー燻製鯖うどん」。
脂がのった鯖は、燻製されることでくどさがなくなり、世界一美味しいともいわれるカンボジアの生胡椒がピリリと鮮烈な存在感を放ちます。ラーメンよりあっさり、それでいて一度食べると記憶に残る、インパクトと深みのある味です。
朝は、おにぎりといり番茶が付いたセットが1000円。いり番茶は「一保堂茶舗」、米は京都産こしひかり、ふりかけや佃煮は自家製と、名脇役が揃う、満足度の高い内容です。
夜はスパイス料理とクラフトビール&シメうどん
「うどんにのっているスパイス料理でお酒を飲みたい」という、多くのお客さんからの声で、オープン当初に比べて、夜のメニューも充実してきています。
一番人気は、かつて店長の祖父が営んでいた「三喜飯店」で人気だった「トンポーロー」。直伝のレシピで作る皮付き豚バラ肉の角煮は甘辛く、ほろっとほどける柔らかさ。
「木内酒造」のゆずラガークラフト生ビールなどを飲みながら過ごす、静かな祇園の夜。シメには、もちろんスパイスの効いたうどんを。これから夏にかけて、ざるうどんもメニューに並び、ますます使い勝手の良いお店になりそうです。
Photo:瀬田川勝弘
text:小西尋子
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