“滋賀の旧校舎”で昭和レトロを感じてみませんか【Masaの関西カメラさんぽ24】
古い校舎をリノベーションしたカフェなどは、全国各地にありますが、旧校舎や廃校がそのまま大規模に保存されていて、自由に入ることのできる場所は少ないのではないでしょうか。滋賀には“白亜の教育殿堂” “東洋一の小学校”とよばれた、「豊郷小学校旧校舎」があります。ここは、アニメや映画、ドラマの舞台としても使われていて、登録有形文化財にも認定されています。また、「旧鎌掛小学校(しゃくなげ學校)」は、昭和を知る人には懐かしくもあり、知らない人には、新しくおしゃれな建物に映ると思います。写真を撮るにもとても素敵な場所なので、ぜひ行ってみて下さい。
Summary
こちらは、「豊郷小学校旧校舎」。この場所は、アニメファンの方にとっては聖地となっていて、コスプレをした方もたくさんいらっしゃいますよ。
歴史が刻み込まれた、木の温かみを感じる長い廊下
大きな窓からは、優しい光が入ってきます。晴れて光の強い日は、窓ガラスの影が廊下いっぱいに広がりとても綺麗です。
長い廊下は、シンプルな撮り方でも奥行きが感じられていいですよね。ドアの開口部分がわかるように、黄色のペンキで印がされているのもかわいく感じます。
教室の窓も、あまり見かけない開き方です。あちこちに凝った造りが見られます。
音楽室や教室で、物語の主人公気分
アニメドラマの舞台とも言われる教室には、ティーポットやケーキなどがセットされています。ギターや簡易的な衣装も置かれていて、一緒に写真を撮ることもできます。
黒板やホワイトボードは、自由にメッセージを書くことができて、交流の場としても使われています。
取り壊しの危機もあった、立派な講堂
行動の床は、全体的に斜めに作られていて、ステージの見やすさもバッチリ。ここは今でもライブや講演会などに使われています。
なんと2階席まであるんです。1937年(昭和12)の建築ですが、本当に素晴らしい造りですよね。
椅子は1階も2階も長椅子になっています。必然的に寝ころびたくなりますね。
こちらは、本館と講堂を繋ぐ渡り廊下。ピンクがかわいらしいアクセントになっていますね。
旧校舎の右側が講堂、左側は図書館を改装し、現在は観光案内所と日曜のみ営業する「うさかめカフェ」になっています。グッズの販売やさまざまな展示もされていて、アニメ好きには特別な空間です。
「旧鎌掛小学校(しゃくなげ學校)」の校舎の壁が、いい味を出しています
「旧鎌掛小学校(しゃくなげ學校)」は、1930年(昭和5)の建築。白くペイントされた壁が剥げてきているのも歴史を感じますよね。
実はこちらの学校も、アニメ『中二病でも恋がしたい!』をはじめ、映画やドラマのロケ地としてよく使われる場所です。
廊下の壁も天井もすべてが木造。木の温かさが感じられます
「旧豊郷小学校」よりは、小ぢんまりとした廊下です。職員室には、管理人さんがいらっしゃいます。
給食室には、サンプルの給食が置いてありました。瓶の牛乳や、アルマイトの食器がとても懐かしく感じます。
もちろん2階にも上がれます。踊り場や2階も木造の良さが出ていますね。2階には畳の部屋なんかもありますよ。
体育館まで保存されている、貴重な廃校
体育館には跳び箱も置かれています。ちなみに時計が15時30分を指していますが、よく見ると絵の時計なんですよ。
このグリーンのタイルは、体育館には不釣り合いな気もしますが、レトロでかわいいです。
ここは体育館入口のスペース。光が綺麗に入っています。2001年(平成13)に廃校になった「旧鎌掛小学校」ですが、そのままの姿で残されていて、時間が止まっているようですね。
今回紹介した2つの小学校は、どちらも昭和初期に建てられた学校で、特に「豊郷小学校旧校舎」は商社「丸紅」の専務であった、豊郷町出身の古川鉄治郎氏が私財を使って建てたそうです。暖房設備など、当時最先端の技術を惜しみなく使用し、総工費は、郷町予算の10倍に相当したのだとか。東洋一と言われた学校だけあって、一見する価値ありですよ。
アニメの聖地にもなっていますが、私のようにアニメを知らなくても十分楽しめる学校です。室内なので、これからの梅雨どきにも楽しめるので、ぜひ行ってみて下さい。
photo:西山雅彦(@masa_nikonist)
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