女性の闇に鬼太郎がメス? アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の社会風刺が鋭い
水木しげるの漫画を原作としたアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』。現在放送中の第6期に、視聴者からは「社会風刺がすごい」と反響が寄せられています。一体どのような風刺が作品に込められているのでしょうか。
SNSで破滅していく姿は現代の象徴?
例えば第15話「ずんべら霊形手術」には、自身の容姿を恨めしく思っている少女・きららがキーパーソンに。彼女は妖怪ずんべらの“霊形手術”で美貌を手に入れましたが、意中の男の子がきららの外見ではなく内面を見つめていたことが判明します。しかしきららは元の顔に戻る道を選ばず、女優として成功の道を進むというどんでん返しが用意されていました。
“ハラスメント”を扱って話題を呼んだエピソードは、第55話「狒々のハラスメント地獄」。テニスの魅力に憑りつかれた妖怪・狒々は優美という少女に出会い、2人は意気投合。以来狒々によるテニスの特訓が始まったものの、厳しいトレーニングに音を上げた優美が狒々を“パワハラ”で告発する展開に。その後もスキンシップのつもりだった狒々の何気ない行動が、“セクハラ”や“スメハラ”といったハラスメント判定を受けます。
第67話の「SNS中毒VS縄文人」では、フォロワー100万人超えの人気者・湊クリスティーンが登場。都会に現れた“縄文人”に地位を脅かされるクリスティーンですが、鬼太郎は相手が妖怪ではないため相談に乗ることができません。焦りを募らせていくクリスティーンは色々な手を使って縄文人に勝とうとしますが、行き過ぎた彼女の行動が社会問題にまで発展していくという内容でした。
現代人の暗部を浮かび上がらせたとも言える、『ゲゲゲの鬼太郎』第6期。ネット上には「今回の鬼太郎は女性が抱える闇にズバズバ切り込んでくなぁ」「偽りの顔で生き続けるという選択は恐ろしい人間の業だけど、心情は理解できる」「“いいね”が人生の全てになって破滅していく様子は現代風刺に優れたエピソードだと思う」といった声が寄せられています。
他にどのような社会風刺が込められているか、移動時など空き時間にチェックしてみては?