“映え”スポットがいっぱい! 冬だけの絶景「湯西川温泉 かまくら祭」2020年最新レポート
雪降る夜のかまくらに灯る、温かい炎。こんな美しい光景を見たことはありますか? 栃木県日光市の秘湯・湯西川温泉で毎年開催される「湯西川温泉 かまくら祭」は、冬ならではの絶景が見られると人気のお祭り。2020年は暖冬の影響が心配されましたが、規模を縮小しながらも1月31日(金)~3月1日(日)まで開催。実際に「かまくら祭」に訪れてみた潜入レポートをお届けします!
Summary
雪と光に包まれる1ヶ月。冬の風物詩「湯西川温泉 かまくら祭」
壇ノ浦の戦いで源氏に敗れた平家一門が身を隠して逃れたという「平家落人」の秘話や伝説が残る湯西川温泉。平家が逃れたほどの山深い風情ある温泉地です。そんな静かな温泉街が一年で一番賑わうイベントが「湯西川温泉 かまくら祭」。毎年2〜3月の1ヶ月間開催される栃木県最大級のお祭りで、今年で27年目を迎えます。この期間は、湯西川温泉全体がかまくらやイルミネーションで彩られてとっても幻想的。
この季節限定の美しさを「かまくら祭」の4つの会場で、いち早く満喫してきました!
かまくらでバーベキュー! あったかグルメを満喫
「かまくら祭」は日没後のライトアップが有名ですが、実は日中しか味わえないグルメや体験があります。早めに訪れて昼と夜の両方の魅力を満喫したい! ということで、お昼に会場に到着しました。
昼間の目玉はなんといっても“かまくらバーベキュー”。沢口会場(かまくらバーベキュー会場)では、最大4人が入れる大きなかまくらが設置されていて、11~15時にかまくら内で新鮮な牛肉や野菜のバーベキューを楽しめちゃいます(当日受付)。
外は雪景色ですが、かまくらの中はバーベキューの熱でポカポカ。取材当日に実際に楽しんでいた方々も、ついコートを脱いでしまうほどです。このお祭りならではのスペシャルな体験に、テンションが一気に上がってしまいました。
ほかにもかまくらが並ぶ沢口会場には売店ブースがあり、地産品で作った汁物など、体が温まるものを味わうことができます。かまくらを見ながらひと息つくのもいいですね。実際にきのこ汁(400円)や甘酒(200円) をいただきましたが、優しい味わいで身も心もほっこりしました。(※毎週水・木曜日はお休みです)
■沢口会場(かまくらバーベキュー会場)
・営業時間:11~15時(14時LO)
・定休日:毎週水・木曜
・料 金:バーベキュー1人前1,700円(2人前より受付)+かまくら使用料1棟1,600円(50分間)
■沢口会場 売店ブース
・営業時間:10~21時
・定休日:毎週水・木曜
茅葺き屋根とミニかまくらが情緒たっぷりな「平家の里」
次に訪れたのは「平家の里」という文化施設。湯西川に逃れた平家の落人たちの暮らしを復元展示しているスポットなのですが、かまくら祭ではメイン会場になっています。
茅葺き屋根の建物が並ぶ敷地内に、ミニかまくらが点々と作られていて、雪深い山里らしい雰囲気で情緒たっぷり。展示を見つつ風情を楽しんだら、敷地内のお食事処「餉(かれい)の館」(10~17時、L.O.16時)でひと休みしてみました。
茅葺き屋根の家の中で、手作りのとちもち(400円)や味噌田楽(300円)、そばがき(400円)など山里ならではのメニューが味わえるのがうれしい! 特にとちもち(写真左奥)は、ほのかな苦味と香ばしさがあり、ちょっと忘れられない味わいでした。こちらのおしるこ(400円) には、そのとちもちが入っているそうで、そちらもおすすめです。
日没を待って再度訪れてみると、ミニかまくらのロウソクに火が灯り、周囲がライトアップされて昼間とは別世界のよう。“映え”な光景に思わずうっとり。
撮影の際のベストポジションは、敷地中ほどの赤い橋周辺と一番奥の赤間神宮周辺。ミニかまくらが多く集まっているので雰囲気のある写真が自然と撮れちゃいます。
■平家の里メイン会場
・営業時間:9~21時
・入場料:1日利用券 大人510円、子供250円/ナイトチケット(17~21時)大人300円、子供200円
■ミニかまくら点灯(平家の里メイン会場)
・開催期間:1月31日(金)~3月1日(日)
・開催時間:17時30分~21時点灯
光の川が出現!フォトジェニックな夜の湯西川
夜のもうひとつのハイライト、川沿いのミニかまくらライトアップを見に「沢口河川敷ミニかまくら会場」へ。湯西川に沿って約150個のミニかまくらが並び、まるで光の川のよう。
灯されたロウソクの明かりが揺らぎ、ゆらゆらと辺りを照らす様子はなんとも癒やされる光景です。雪越しに光が透けて見える美しさは感動的。写真には写しきれないこの景色の醍醐味を、ぜひ体感してみてください。
すぐ近くの沢口会場(かまくらバーベキュー会場)の大きなかまくらもライトアップされ、闇夜に浮かぶ様子もフォトジェニック。合わせて立ち寄ってみてくださいね。
■沢口河川敷ミニかまくら会場
・点灯時間:17時30分~21時 ※天候により遅延・中止の場合あり
・定休日:毎週水・木曜
平家の菩提寺「慈光寺」は、縁結びのパワースポット
次に4つ目の会場「慈光寺」へ。このお寺は平家一門の菩提寺で、集落を見渡す高台にあり、子宝祈願に落人たちが参拝に来たとの逸話も残っています。創建は不明ですが、近隣にあった2つの寺院が慶長12年(1607年)にこの地に移されたという記録が残っているとのこと。雪景色の中、薄明かりにお堂が浮かび上がる様子は神秘的です。
このお寺で忘れずに祈願したいのが、入り口付近にある「夫婦石」と呼ばれる2つの石。平家一族が子孫繁栄を祈願した石で、なでると夫婦円満の御利益があるとか。夫婦やカップルだけでなく、良縁を願って参拝する方も多いそう。
慈光寺のすぐそばには、知る人ぞ知るそばの名店「平家そば 志おや」があるので、散策途中の腹ごしらえにぴったり。南会津産のそばを石臼挽きし、手打ちする香り高いそばは絶品なんです。ここでかまくら祭期間中だけ味わえる、鴨鍋とうじそば(あったかセット、1人前1800円)もぜひチェックして。国産合鴨と野菜がたっぷり入ったアツアツの鴨鍋に、自慢のそばを投じて味わえば、体中に旨みが染み入るようです。
■慈光寺ライトアップ(平家慈光寺会場)
・開催期間:1月31日(金)~3月1日(日)
・開催時間:17時30分~21時
■平家そば志おや あったかセット(平家慈光寺会場)
・営業日:2月1日(土)~2月29日(土)の土曜日のみ
・営業時間:16時30分~19時
温泉街を彩るぼんぼりのイルミネーション
お腹もいっぱいになり、景色を楽しみながら歩いていると、湯西川温泉の中心である「湯平温泉街」に到着。温泉街をぼんぼりの明かりが照らし、温かく迎えてくれました。
川沿いに立ち並ぶ温泉宿の湯けむりも、夜は一層幻想的。湯西川温泉は、お肌がスベスベになる美肌の湯としても知られていて、2016年には旅行サイトの「美肌の温泉地」でグランプリを獲得しています。
かまくら祭はもちろん日帰りでも楽しめますが、宿泊して温泉も合わせて満喫すれば、さらに素敵な休日になるはず。
お祭りの間、温泉街にある旅館は満室続きですが、月・火曜日なら比較的宿が取りやすいとのことなので、その日が狙い目です。水・木曜日は、川沿いのミニかまくらの点灯がお休みなので注意してくださいね。
また、かまくら祭の会場のひとつである、冬季限定の雪のアミューズメントパーク「湯西川水の郷スノーパーク」は、暖冬の影響で延期になっていますが、今後積雪が増えればオープンされるとのことなので、訪れる前にはぜひ最新情報をチェックしてみてください。
積雪が少ないながらも、地元の方たちの尽力で見事に開催された「湯西川温泉 かまくら祭」。初めて訪れた私も、この地に広がる山里の冬の美しさに、つい酔いしれてしまいました。かまくらでバーベキューをして、光に彩られた温泉街を散策して、雪景色を眺めながら美肌の湯に浸かるなんて贅沢は、この時期の湯西川温泉だからこそ。この機会をお見逃しなく!
text:五島 薫、やはのあきこ
photo:古根可南子
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
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