おうちで旅気分!IMALUおすすめの海外旅行気分に浸れる「映画&本」【前編】
映画好きとしても知られ、ステイホーム中はほぼ毎日、映画と海外ドラマを観るのが日課だというIMALUさん。「まるで海外を旅しているような気持ちになれる映画&本」を、実体験を交えながら教えてもらいました。さあ一緒に、作品の世界へTRIPしよう!
Summary
【映画】とにかく笑える!『ハングオーバー!』シリーズ
★STORY
シリーズ1作目の『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年)は、ラスベガスが舞台。バチェラー・パーティーで泥酔し、記憶をなくした男性4人組が朝ホテルで目覚めると、部屋は荒れ放題。翌日に結婚を控えた花婿はこつ然と姿を消していた。一体自分たちに何が起こったのか⁉ おっかなびっくりで記憶を辿り始める……。2作目『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』(2011年)の舞台はタイ、3作目『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(2013年)は再びラスベガスに戻り、性懲りもなくお馴染みの4人組が波乱を巻き起こす。
★IMALUの「ここがオススメ!」
何回も観直すくらい大好きなアメリカのコメディ映画です。彼らの酔っ払い方が尋常じゃなくて、二日酔いで目覚めると、1作目はなぜか宿泊していたスイートルームに虎や赤ちゃんがいるし、2作目は顔にタトゥーが彫ってあるんです。もうハチャメチャ!
映画『ジョーカー』を観たことある方は、同じくトッド・フィリップス監督の作品なので、「こんな作品も撮るんだ!」と振り幅に驚くかもしれませんね。
私も20代の頃は海外旅行で友達とお酒をたくさん飲んだし、「パーティーしようぜ!」みたいなノリだったので(笑)、この映画を観るとその楽しい記憶を思い出してしまいます。オーストラリアでいろんなクラブを巡りまくっていたら、友達が一人いなくなり、焦ってみんなで探したら、幸せそうな顔してホットドッグ屋さんにいた、なんてこともありました!
ーーラスベガスには行ったことはありますか?
母と兄と一緒に行ったことがあるけど、まだ小さかったからあまり記憶がなくて。でも、『ハングオーバー!』に登場する“ラスベガスあるある”、例えば、すぐに結婚ができてしまったり、砂漠の中に突如現れる街だったり、高級カジノホテルのスイートルームだったりは、どうしようもなく旅心をくすぐられます。いつかもう一度行ってみたい!
【映画】ローカルフードに釘付け!『シェフ 三ツ星レストラン フードトラックはじめました』(2014年)
★STORY
ロサンゼルスの一流レストランの料理人カール・キャスパーはあることからオーナーと衝突し、店を辞めてしまう。マイアミで絶品のキューバサンドイッチと出会い、かわいい息子と仲間とともに、フードトラックでサンドイッチの移動販売を始めることに!
★IMALUの「ここがオススメ!」
何かを始めようとしている方、人生を組み立て直そうと思っている方にすごくオススメの映画です。コロナ禍で働き方やライフスタイルが変わり、私も「これからどうしよう」「自分は何ができるんだろう?」と一抹の不安を抱えていた時期にこの作品を見直し、勇気をもらいました。
マイアミからニューオリンズ、ロサンゼルスと旅を続ける途中で、ローカルフードや、シズル感たっぷりの調理シーンがこれでもかと出てくるので、とにかくお腹が空きます(笑)。
主役の料理人を演じるのは、才能豊かな映画『アイアンマン』の監督ジョン・ファヴロー氏。彼はこの作品がきっかけで料理を勉強したらすごくハマっちゃって、Netflixで料理番組をやるまでの腕前になったんだって!
ーーIMALUさんも、旅の最中はローカルフードを食べる?
絶対に、その土地でしか食べられないソウルグルメを食べたい派! 限られた時間を無駄にしたくないから、絶対的にハズさない名店を、クチコミを参考にそれはそれは真剣に選びますよ。
ーー今までで最も印象的なローカルフードは?
トラウマというか、カルチャーショック的な衝撃度で言うと、番組のロケで訪れたネパールで食べた、あるフードは一生忘れられません。
首都・カトマンズから車で4時間の村に到着すると、取材先のご家族とご近所さんが出迎えてくれて、そこにかわいい山羊さんもいたんですよ。私、すっごく動物好きなので触れ合っていたら、いつの間にかおっちゃんが斧を抱えて山羊さんに接近してきて……。
私はもう「ごめんなさい!見られません!」って言って、裏庭に逃げて隠れていたら、山羊の頭だけが飛んできて、「いやーー!」と絶叫。裏庭がキッチンだったんですよね。
晩ごはんは、山羊のカレーでした……。複雑な気持ちだったけど、でもそれが一番のおもてなしだということを知って……。食べてみたところ、臭みがまったくなくて、本当に美味しかった。かみしめていただきました。こうしたディープな体験は、やっぱり海外ならではですよね。
【映画】メキシコの“死者の日”も登場!『リメンバー・ミー』(2017年)
★STORY
ミュージシャンに憧れるギターの天才少年ミゲル。だが、彼の一族は音楽を禁じられていた。ある日、ミゲルは先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまう。彼に手を差し伸べたのは、陽気だけど孤独なガイコツ・ヘクター。二人はやがて、ミゲルの一族の驚くべき“秘密”にたどり着く。すべての謎を解く鍵は、伝説の歌手が遺した名曲“リメンバー・ミー”に隠されていた。※ディズニー公式動画配信サービスDisney+(ディズニープラス)で視聴可能。
★IMALUの「ここがオススメ!」
メキシコ好きの私に刺さりまくる、ピクサーで最も好きな作品です。「死者の日」というメキシコならではのお祭りや、ガイコツのメイク、メキシコらしい鮮やかな色彩感覚や、歌、キャラクターなどすべてが楽しめる、すごくかわいい映画!
ーー家族愛がテーマとか?
そうなんです。自分がおばあちゃん子なので、主人公ミゲルのひいおばあちゃんの某シーンは、毎回泣いちゃう。メキシコの「死者の日」はまだ実際に体験したことはないけど、いつか訪れたいリストの上位です。
【映画】涙腺崩壊!『LION/ライオン ~25年目のただいま~』(2016年)
★STORY
5歳の時にインドで迷子になり、養子としてオーストラリアで育った青年サルー。成長し、Google Earthと出会ったことで、20年以上前のおぼろげな記憶だけを頼りに、生まれ故郷の小さな村の場所を探し始める。壮大な“探し物”の果てに、彼が見つけたものとは? 実話に基づいた作品。
★IMALUの「ここがオススメ!」
私にとっての「涙腺崩壊映画」。もうね、永遠に涙が出てきます。実際にあったお話で、Google Earth、Google Mapという私たちにも身近なツールを使い、しかも同世代のお話。感情移入せざるをえません。初見より2回目の方が泣いてしまう!
「世界ってすごく広くて狭いな」と感じる作品です。まだインドを訪れたことがないので実際は分からないんだけど、でも主人公の小さな男の子の目線を通すことで、インドの貧しい街並みも、カルカッタの駅のすさまじい混雑ぶりも、すごくリアルに感じることができるんです。
【本】地球の大きさを実感!『写真家だけが知っている動物たちの物語』(ロザムンド・キッドマン・コックス著)
★こんな一冊
アザラシが人にペンギンをプレゼント。シマウマの子をかわいがるライオン。オタマジャクシを育てる雄ウシガエル……心に残る60話。世界一の動物写真賞ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー受賞作品集。
★IMALUの「ここがオススメ」
いろんな国のいろんな写真家さんが撮った野生動物や昆虫の写真集です。動物が好きなので本屋さんでふと目に留まって。虫はちょっと苦手なのでそこは飛ばしちゃうんですけど……どれも強烈な写真ばかりです。
例えば、「物思うヒヒ」という、ジンバブエのマナブルーズ国立公園で撮影された作品。ヒヒが鳥を食べる前に手に乗せて、深く考えるようにこの死骸を見つめる姿を映し出しています。この表情が、まるで人間のようで……。もしかしたらまだ温かい亡骸を前にした、人間と同じような気持ちでいるのかも?
ーーヒヒの表情がなんとも言えませんね。他に気になる作品はありますか?
「求愛の切り札」という、オーストラリアで撮られたすごくかわいい一枚。オオニワシドリの雄は雌にアピールするために、自分の巣をすごく華やかに飾るんですけど、この写真の子は、大学のキャンパスから拾ってきた自慢のピンク色のクリップをくちばしにくわえて、ひょっこりカメラ目線(笑)。キュートすぎます!
写真の横の解説文にも書いているように、オオニワシドリはカップル成立して交尾が終わると雄はすぐいなくなり、雌はいきなりシングルマザーとして子育てをするんです。で、雄は引き続きこの飾りもののメンテナンスを続ける。そんな動物の面白い習性も勉強できます。
ほかには、日本ではロマンチックなイメージがあるコウノトリがスペイン南部のゴミ集積所でゴミ漁りをしている写真や、サンショウオの仲間・ヘルベンダーによる縄張り争いの死闘、温暖化の北極を生きるホッキョクグマの姿などなど。知らない世界をたくさん見せてくれて、地球の大きさを感じられる1冊です。いつか本物を見てみたいな!
【本】異なる視点が見つかる!『翻訳できない 世界のことば 』(エラ・フランシス・サンダース 著)
★こんな一冊
例えば日本語の「侘び寂び」や「木漏れ日」のような、外国語だとドンピシャな表現が見つからない、訳してはみてもニュアンスまで伝わらない言葉たち。いろんな国の、そんな翻訳できない言葉を、かわいいイラストとともに紹介している。
★IMALUの「ここがオススメ!」
「こういう言葉の表現が欲しかった!」から「なんでそんな言葉が生まれたんだ?」みたいなものまで、違う世界の言葉でモノゴトを見ると、違ったアングルや考え方が浮かび上がってきます。煮詰まったときにこの本を読むと、頭が柔らかくなって、答えが見えてくることも。
ーー特にお気に入りの言葉はありますか?
「日々の疲れを癒すためにみんなで集まりコーヒーなどを飲んだりして過ごす時間のこと=FIKA」(スウェーデン語)。日本にはない言葉だし、そんなひとときを積極的に持とうという意識も少ないから、素敵です。
そして、とにかく謎なのが、「バナナを食べる時の所要時間=PISAN ZARPA」(マレー語)(笑)。なんでこんな言葉が生まれたんだろう? 「不運としか言いようのない人=SHLIMAZEL」(イディッシュ語)も味わい深いですね。
ちなみに、アラビア語で「日が暮れたあとに夜更かしをして友達と過ごすこと」を「SAMAR」(サマル)って言うんだけど、私の名前と似てますよね。「太るとか」、そんな意味じゃなくてよかった(笑)!
【本】独特の感性が好き!『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(若林 正恭 著)
★こんな一冊
お笑いコンビ・オードリーの若林正恭さんによる、新作オール書き下ろし。航空券予約サイトで見つけた、たった1席の空席に運命を感じ、何者かに背中を押されたかのように2016年夏、ひとりキューバへと旅立つ。ただの旅エッセイでは終わらない、若林節炸裂の一冊。
★IMALUの「ここがオススメ」
若林さんならではの感性と表現にグイグイ引き込まれます。面白くてスラスラと読めてしまうので、普段あまり本を読まない方にもオススメです。
葉巻をくわえたり、リアルに現役で走っているクラシックカーに驚いたり、キューバの革命家・カストロの演説に想いを馳せたり。コーディネーターさんに案内してもらった場所や、いろんな人との出会いが丁寧に書かれていて、自分もひとり旅をしている感覚になります。
ひとり旅の途中は、私もよく「この人、誰かと似ているな」なんて、心でつぶやいてるから、若林さんの文章に、ついついニヤリとしてしまうんです。
【coming soon!】後編「写真で振り返ります!IMALUの忘れられない海外旅行の思い出」に続きます!
- 【プロフィール】
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IMALU(いまる)
1989年9月19日生まれ、東京都出身。高校時代には語学を学ぶためカナダへ留学。帰国後、ファッション誌でモデルデビューしたのち、タレントとしてTVや雑誌で活躍中。「LULU X」として音楽活動も行い、Youtube で発表する洋楽カバーの総再生回数は 300万回を超える。
text:城リユア(mogShore)
Photo:中田 浩資
Hair&make:mayu
Styling:水嶋和恵(La Plage)