小牧野遺跡

世界文化遺産に登録された縄文遺跡を訪ねてみよう

青森県 世界遺産 るるぶ&more.編集部
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2021年に北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されたことで縄文遺跡が注目を集めています。数ある縄文遺跡のなかでもミステリアスさが魅力の小牧野遺跡、遮光器土偶で知られる亀ヶ岡遺跡をご紹介しましょう。

Summary

ストーンサークルがミステリアスな小牧野遺跡を見学

小牧野遺跡
小牧野遺跡
約4000年前の縄文時代後期に大規模な土木工事で造り上げられた国内最大級、直径55mのストーンサークルが当時のまま現存。縄文人が祭祀や儀礼を行った特別な場所といわれます。
使用された石の総数はなんと約2900個!この石は眼下にみえる荒川から運ばれたのだとか。細長い石をタテに置き、その両側に平らな石をヨコに積み重ねる独特な石の積み方は全国的にも珍しく「小牧野式」配列と呼ばれています。
ストーンサークルの内側にはたくさんの人が集まれる空間もあり、祈りの場といわれています。このほか100基を超えるお墓や竪穴住居跡などの遺構も多数見られます。
陸奥湾や青森平野を一望できる小高い丘にあり景色もgood♪

馬頭観世音 石碑
馬頭観世音 石碑
嘉永7年(1854)の年号が刻まれた馬の供養碑もあります。この場所一帯は江戸時代から馬の放牧場として使用され、この馬頭観世音碑は、元からその場所にあった環状列石の石を転用されたものと思われます。

土坑墓
土坑墓
ストーンサークルに隣接する東側斜面には、地面を円形や楕円形などに掘ったお墓「土坑墓」が100基以上!

小牧野の森・どんぐりの家

小牧野遺跡の見学中におすすめの休憩スポットが遺跡のすぐ近くにある「小牧野の森・どんぐりの家」です。木をふんだんに使用した温かみが感じられる施設で、のんびり座れる休憩スペースやトイレも完備。小牧野遺跡についての解説も展示しているので見学前に訪れてみては?小牧野遺跡を知り尽くした専門スタッフが常駐していて、開館中は遺跡ガイドをしてくれるので何でも聞いてみましょう(事前予約不要・無料)。

天窓から自然光が差し込み明るく開放的。木の温もりにあふれ、席の間隔も広いのでゆったり過ごせます。

小牧野遺跡保護センター

縄文学び舎・小牧野館
縄文学び舎・小牧野館
小牧野遺跡をより深く楽しみたいなら遺跡見学前に「縄文の学び舎・小牧野館」へGO!遺跡から1.5kmほどのところにあり、未舗装道路を歩いて約25分。小牧野遺跡の出土品を保管展示している施設で、実物大の模型や写真付き展示パネルなどで小牧野遺跡や縄文時代の文化・技術を楽しく学べます。閉校した小学校を利用しているので、なんだか懐かしい気持ちに♪館内のミュージアムショップでは小牧野遺跡や縄文をモチーフにした、ここでしか買えない完全オリジナルのアイテムも要チェックです。

環状配石炉
環状配石炉
周りを囲む石がタテヨコ交互に配列されているのはストーンサークルの石組みを模倣したと考えられているそう。

祭りの道具
祭りの道具
石器、ミニ土器、土偶、岩版など、日常的に使用される道具のほか、お祭りやお祈りに使われたと考えられる祭祀的色彩の強い遺物も出土しています。
特に三角形岩版は、小牧野遺跡の代表的な遺物で、これまでに400点を超える数が確認されています。

小牧野遺跡マグ&キャップ
小牧野遺跡マグ&キャップ3000円
ストーンサークルをあしらったふたと地層や出土品をデザインしたカップで小牧野遺跡の縄文ロマンを感じて♪


■小牧野の森・どんぐりの家
住所:青森市野沢字小牧野41
交通:JR青森駅から車で35分
TEL:017-757-8665
営業時間:9〜17時(10月以降は9〜16時)
定休日:11月16日〜4月30日(冬季閉鎖)
入館料:見学無料、ガイド無料
駐車場:約10台※大型バス2台まで

■小牧野遺跡保護センター(縄文の学び舎・小牧野館)
住所:青森市野沢字沢部108-3
交通:JR青森駅から車で30分
TEL:017-757-8665
営業時間:9〜17時
定休日:年末年始(12/29〜1/3)
入館料:入館無料
駐車場:20台



しゃこちゃんでおなじみの史跡 亀ヶ岡石器時代遺跡

大きな目が特徴的な「遮光器土偶」はテレビや雑誌、教科書などで一度は見たことがあるはず。眼部が北方民族が使用する雪眼鏡(遮光器)に似ているために名付けられました。このユニークな土偶が発見されたのが「亀ヶ岡石器時代遺跡」です。この遺跡からはほかにもデザインセンス抜群な土器や漆器が出土しています。

縄文遺跡案内所

縄文遺跡案内所
縄文遺跡案内所
見学前に、まずは「縄文遺跡案内所」へ。ここは亀ヶ岡石器時代遺跡を写真などでわかりやすく紹介している場所で、遺跡周辺の案内図もあります。土・日・祝日にはボランティアガイド「つがる縄文遺跡案内人」が常駐していて遺跡の案内をしてくれます(事前予約不要・無料)。敷地内には駐車場も整備されているので、遺跡見学にとっても便利です。

亀ヶ岡石器時代遺跡

亀ヶ岡石器時代遺跡
亀ヶ岡石器時代遺跡
約3000年から2300年前の大規模な共同墓地を主体とした遺跡で、漆塗りの土器や漆器、芸術的な土偶など高い技術力を感じさせる出土品がたくさん発見されました。特に有名なのが重要文化財にも指定された「遮光器土偶」です。この頃に北海道渡島半島から東北一円にかけて栄えた文化は、この遺跡にちなんで「亀ヶ岡文化」と呼ばれているそう。発掘場所は埋め戻されていますが、写真付きの説明板で遺構を見ることができますよ。

しゃこちゃん広場

しゃこちゃん広場
しゃこちゃん広場
「しゃこちゃん」は亀ヶ岡石器時代遺跡で発見された遮光器土偶の愛称で、遺跡近くの広場にも、こんなに大きなしゃこちゃんのモニュメントがあります。道路沿いに面した場所にあって駐車場も完備。亀ヶ岡石器時代遺跡全体を説明する案内図や説明版のほか東屋やトイレもあるので、しゃこちゃんと写真を撮ったり、遺跡見学途中のひと休みにもぴったりです♪この像の後ろの湿地帯からも縄文時代の遺物がたくさん出土しているのだそう!

木造亀ヶ岡考古資料室(縄文館内)

木造亀ヶ岡考古資料室
木造亀ヶ岡考古資料室
縄文人の高い技術力や芸術性のある作品を見たいならココ!遺跡から車で5分ほどの「木造亀ヶ岡考古資料室」には亀ヶ岡石器時代遺跡から発見された土器や石器、土偶など1000点を超える出土品が保存・展示されています。複雑かつ繊細な模様が施された土偶や植物を編んだカゴに漆を塗った「籃胎漆器(らんたいしっき)」、薄手ながら丈夫な土器は精巧な技術がなくてはできないもので、縄文時代晩期の古代人の職人技を感じさせます。

亀ヶ岡遺跡から出土した土器や土偶など、技術力もデザインセンスも抜群な縄文時代晩期の美を感じてみよう♪

赤漆塗り壺型土器
赤漆塗り壺型土器
全面に塗られた赤漆がとっても鮮やか!漆の技術がとても発達した亀ヶ岡文化を代表する出土品です。

台付き土器
台付き土器
土器が薄く、精巧なつくりが亀ヶ岡式土器の特徴です。その特徴がよく表れているのがこの「台付き土器」です。

頭のない遮光器土偶
頭のない遮光器土偶
縄文時代晩期の美意識は装飾性の強さにあり!土偶にも細かな模様が体いっぱいに施されています。


■縄文遺跡案内所

住所:つがる市木造館岡稲元176-84
交通:JR五能線木造駅から車で20分
TEL:なし
営業時間:9〜17時 ※ガイドは土・日曜、祝日のみ10〜15時
定休日:12〜3月(冬季閉鎖)
入館料:無料
駐車場:大型バス3台、乗用車7台

■木造亀ヶ岡考古資料室
住所:つがる市木造舘岡屏風山195
交通:JR五能線木造駅から車で20分
TEL:0173-45-3450
営業時間:9〜16時
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始(12月29日〜1月3日)
入館料:一般200円
駐車場:小型30台、大型1台


関連記事では、特別史跡三内丸山遺跡もご紹介しています!ぜひこちらもチェックしてくださいね。

●特別史跡 三内丸山遺跡を訪れ、縄文文化のロマンに浸ろう●


Text:三國希
Photo:木村慎一

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