なまはげ太鼓の演奏

【なまはげ柴灯まつり】炎が揺れ、なまはげが乱舞!いざ幽玄の世界へ

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年に一度の魂の祭り「なまはげ柴灯(せど)まつり」。秋田県男鹿半島の真山神社で毎年2月に行われ、全国から見物客が集まる大祭です。神事の様子や、なまはげ行事の再現、なまはげ踊り、なまはげ太鼓など約1時間半のプログラムは圧巻!子どもも大人も大興奮の様子をレポートします。

Summary

「泣ぐ子はいねぇが〜!?」の台詞と鬼のような形相でおなじみの「男鹿のナマハゲ」。ユネスコ無形文化遺産にも指定されている、秋田県男鹿半島の民俗行事のひとつです。

なまはげは怠け心を戒め、無病息災・悪疫退散などを祈る山の神の使い。大晦日の夜に、それぞれの集落の若者たちがなまはげに扮して家々をまわります。

なまはげのふるさと・男鹿半島には「なまはげ館」や「男鹿真山伝承館」など1年を通してなまはげにふれられる施設もありますが、なんといっても注目は毎年2月に行われる「なまはげ柴灯(せど)まつり」。

真山(しんざん)神社で行われる神事「柴灯祭(さいとうさい)」と伝統行事「男鹿のナマハゲ」を組み合わせた観光行事で、全国から見物客が訪れる年に一度の大祭です。

炎が灯り、地を打つような太鼓が響きわたる。そして激しく乱舞するなまはげの姿は、心を揺さぶる魂の祭り!その圧巻の様子をレポートします。

舞台は男鹿半島・真山神社

真山神社の仁王門
真山神社の仁王門

古くから山岳信仰の霊場として栄えてきた男鹿北部の神域・真山。

杉木立に囲まれた荘厳な雰囲気を醸す真山神社は、国家安泰・武運長久・五穀豊穣・海上安全の守護神として崇拝されています。

この真山神社を舞台に「なまはげ柴灯まつり」は開催されます。

提灯の道が続く

雪深い2月の真冬、辺り一面が暗闇に転じると、かがり火がポッと灯りはじめました。提灯の灯りに導かれるように仁王門をくぐり、石段を一段一段のぼっていくと本殿がお目見え。

スタートの18時を前に、会場は多くの見物客で大賑わい。特設ブースではパンフレットやオリジナルグッズなども販売され、列ができていました。

会場ではグッズ販売も

境内の中央には高らかに燃え上がる柴灯火が焚かれ、「パチッ…」という薪の爆ぜる音、そして煙で燻された匂いが立ち込めます。

境内の中央に焚かれた柴灯火
境内の中央に焚かれた柴灯火

そして開始の時が近づくにつれ、見えない緊張感が辺りを支配しはじめました。

なまはげ入魂!若者たちがなまはげと化す

なまはげ入魂の儀式
なまはげ入魂の儀式/写真提供:男鹿なび

18時。なまはげ入魂の儀式から幕が開きます。

若者たちが神(しん)の入った面を授かり、その面を身に着けるとなまはげへ化し、なまはげは神社から続く参道を上り、山へと戻っていきます。

なまはげが再び下山するまでの間、境内では大晦日のなまはげ行事の再現や、なまはげ太鼓の演奏、なまはげ踊りが披露されました。

なまはげ行事の再現
なまはげ行事の再現

神楽殿で行われた大晦日のなまはげ行事の再現は、なまはげが家々を訪れ、訓示を残して帰っていく様子を見ることができます。

なまはげ踊り
なまはげ踊り/写真提供:男鹿市

続いて柴灯火の前では、現代舞踏家・故石井漠氏が振り付け、息子の作曲家・石井歓氏が曲を付けたなまはげ踊りのお披露目。炎を中心に見物客が円になってなまはげを囲む様子は、すべてが一体となり神々しさに満ちていました。

なまはげ太鼓の演奏
なまはげ太鼓の演奏

そして圧巻なのが、なまはげと和太鼓を組み合わせた新しい郷土芸能・なまはげ太鼓。髪を振り乱し、太鼓を飛び越え、舞台からせり出すと、情熱がほとばしる魂の演奏で、会場のボルテージは最高潮に…!

クライマックス。なまはげが山から下りてくる

なまはげが松明をもって現れる
なまはげが松明をもって現れる

なまはげ太鼓の余韻がまだ胸を打つなか、いよいよ祭りはクライマックス。松明をかざしたなまはげが闇の中から現れ、雪山から下りてきます。

遠くの暗闇に灯るその明かりは幽玄な雰囲気に包まれ、まさにドラマチック。だんだんとその炎が近づいてきて、なまはげは見物客のもとに降り立ち、境内を練り歩きます。

ふもとへ下山し、境内を練り歩く
ふもとへ下山し、境内を練り歩く/写真提供:男鹿なび

なまはげを目の前にした子どもたちは大泣き!大人でさえもあまりの迫力にたじろぐほど。

練り歩くなまはげの跡には、纏っている衣装「ケデ」から落ちた稲藁が。それは神聖なもので魔除けとして縁起が良く、お守りとして持ち帰ることができるので、みんな一生懸命になって拾っていました。

そしてお祭りの最後は献餅(けんぺい)の儀式。神に献ずる護摩餅を神の使者・なまはげに授け、なまはげは山深くの神のもとへと帰っていきました。

こうして1時間半にわたるお祭りは終了。興奮はしばらく冷めやらず、凛とした空気が会場を包み込んでいました。

なまはげ柴灯まつりの詳細はこちら

会場では大型モニターで観覧することもできる
会場の神社の境内では大型モニターで観覧することもできる

年に一度のなまはげ柴灯まつり。第59回の2022年は新型コロナウイルスの影響もあり、規模が大幅に縮小され、内容も一部変更となりました。

第60回となる2023年の詳細は現時点では未定ですが、ここでは2022年の詳細を記します。

会場 真山神社(秋田県男鹿市北浦真山字水喰沢97)
交通 秋田自動車道昭和男鹿半島ICから約33km
TEL 0185-24-9220(なまはげ柴灯まつり実行委員会)
開催日 2月第2土曜を含む金・土・日
時間 18時〜19時30分

臨時有料バスについて

まつり終了後は臨時有料バスが運行されます

区間 ①会場→道の駅おが/②会場→男鹿温泉郷(五風)→JR男鹿駅
料金 1000円(当日限りで乗り放題)
時間 19時30分~20時30分(所要約40分、満員になり次第随時発車)

来年はぜひ現地に足を運んでこの熱い魂のお祭りを見届けてくださいね。以上、2022年に行われた「なまはげ柴灯まつり」の全力レポートでした!


\ こちらの記事で詳しくご紹介♪ /


Text & Photo:ジェンティーレ 恵


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