【はじめての築地本願寺】建築やカフェ好きも立ち寄る!お楽しみ満載の“開かれたお寺”をガイド
都内屈指の観光スポットである寺院「築地本願寺(つきじほんがんじ)」。親鸞(しんらん)を宗祖とする浄土真宗本願寺派の寺院でありながら、カフェやオリジナルショップを併設し、盆踊りやパイプオルガンコンサートなど大人気各種イベントまでも実施。国内外から連日多くの参拝者・観光客が訪れる“開かれたお寺”を徹底ガイドします!
築地本願寺ってこんなところ
「築地本願寺」は、京都の西本願寺の別院として元和3年(1617年)、浅草に創建された「浅草御堂」にはじまりますが、1657年「明暦の大火」で消失。江戸幕府から再建場所として寄進されたのが、現在の場所でした。
しかし、当時のこの場所は海上で、埋め立ててから御堂を再建する必要がありました。そこで、新たな“地”を“築”き、延宝7年(1679)に「築地御坊」として寺院を再建。このできごとが、「築地(つきじ)」という地名の由来であると言われています。
その後、今日に至るまでには火災や天災による被害を受け幾度か再建されましたが、大正12年(1923)に関東大震災による火災で本堂を消失。昭和9年(1934)に再建され、現在の姿となりました。現在の本堂は、東京帝国大学(現・東京大学)名誉教授で建築史家の伊東忠太博士の設計によるもので、アジア各国を旅しながら建築を学んだ伊東博士だから設計できたオリエンタルな建築美が魅力です。
また、平成26年(2014)には、本堂・三門門柱・石塀の3点が国の重要文化財に指定されました。インドやアジアなどの古代仏教建築を模した本堂外観とあわせて、日本の建築技術の素晴らしさを堪能できるスポットでもあります。
築地本願寺へのアクセス
東京メトロ日比谷線 築地駅 出口1直結なので、電車で向かうのがおすすめ。このほか、東京メトロ有楽町線 新富町駅 出口4より徒歩約5分、都営地下鉄浅草線 東銀座駅 出口5より徒歩約5分、都営地下鉄大江戸線 築地市場駅 出口A1より徒歩約5分です。
車の場合は、参拝者専用の駐車場があるのでそちらに駐車しましょう。ただし、駐車台数に限りがあるため、公共交通機関で向かうのがおすすめです。
参拝からカフェ休憩まで!おすすめの巡り方・みどころ紹介
【1】本堂でお参り
おすすめの巡り方やみどころをご紹介!まず本堂でお参りをしましょう。本堂に入るとすぐに焼香台があり、焼香作法の案内があるので案内に沿ってお参りを。日中は入り口そばに、ボランティアガイドさんが立っているのと、本堂の後方にはお寺の職員に様々なことが聞ける「本堂相談」ブースがあるので不明なことがあれば聞いてみましょう。
焼香台のあたりから、本堂入り口を振り返ると巨大なパイプオルガンの管が見えます。「築地本願寺」の人気イベントで使用されるドイツ製のパイプオルガンで、大小約2000本の管が並びます。
参拝者が座るスペースの後ろに演奏席があり、ここで奏でられる音色はYouTubeを利用したオンライン配信で誰でも視聴可能。YouTubeで「築地本願寺チャンネル」を検索してみてくださいね。
浄土真宗では、写経や御朱印がありません。本堂入って左側に参拝記念カード(無料)をいただけたり、記念スタンプを押したりできるのでチェックしてみましょう。
参拝記念カードには、大切な仏教の教えや有難いお言葉が書いてあり、毎月入れ替わります。毎月お参りに訪れて、1枚ずつ集めるのも楽しいですね。
【2】本堂の建築美を堪能
お参りが終わったら、本堂の建築美をチェック!本堂を出たら、振り返って入り口扉の上を見上げてください。花々が描かれた美しいステンドグラスは必見です。
本堂入り口扉を出て右手にある階段にも注目。妖怪や幻獣好きとしても知られる伊東博士があしらったかわいい動物や霊獣たちが、随所に配置されています。
お釈迦様の姓の由来とされるインドの神聖な生き物である牛のほか、お釈迦様が出家した際に乗っていた馬、お釈迦様の前世の話に登場する猿などすべてお釈迦様に縁のある動物や霊獣の像ばかり。
本堂を出たら、本堂正面にある向拝階段の両脇に立つ獅子像もチェック。本堂をバックに思わず撮影したくなる凛々しさです。この翼の生えた獅子をはじめ、伊東博士が仕掛けた動物や霊獣たちは、全部で13種。どこにあるのかわからないときは、本堂入り口にいるボランディアガイドさんに尋ねてみて。
【3】インフォメーションセンター2階のテラスから本堂を眺める
続いて、本堂を出て右手にある建物、インフォメーションセンターへ向かいましょう。この建物には、カフェやブックセンター、オフィシャルショップが入っています。
まずは、2階のテラスから本堂全体を眺めてみましょう。素敵なテラスなのですが、2022年10月時点では「築地本願寺倶楽部」の会員のみが入れるエリアになっています。入会金・年会費無料で、お得な会員特典もあるので気になる人は公式サイトをチェック。
【4】オフィシャルショップでおみやげ探し
続いて、インフォメーションセンター1階にあるオフィシャルショップへ。仏具をはじめ、国内の伝統工芸品などが豊富に揃います。スタッフさんに教えてもらった「築地本願寺」参拝記念みやげをご紹介します!
おいしい名産品が多い築地らしいおみやげ品がこちら。大正3年(1914)創業の老舗「築地江戸一」の佃煮を築地本願寺オリジナルパッケージで購入可能。築地本願寺参拝記念と築地観光記念とを兼ねたおみやげ品です。
今夏には一度完売したほど人気だという、ロゴ入りのオリジナルてぬぐい(写真左)。誰でも使えるてぬぐいは、もらってうれしいおみやげ品としておすすめです。
寺院参拝記念のおみやげといえば、線香は外せません。築地本願寺をイメージした香りが特徴で、やわらかく軽やか、さらに華やかな香りである「彩透」と、優雅で深みのある洗練された香りである「清明」の2つから選べます。
京都みやげでおなじみの「薫玉堂」とのコラボ商品を発見!本堂でたかれているお焼香の販売品はありません。その代わりとなるのが、こちらの香袋。バッグや洋服タンスの引き出しなどに忍ばせれば、心安らかな気持ちになれそうです。
■築地本願寺オフィシャルショップ
住所:インフォメーションセンター1階
営業時間:9〜17時
定休日:無休
【5】最後はカフェでティータイム
最後は、参拝はもちろん、こちらを目当てで訪れる人も多い和カフェでひと息つきましょう。人気の朝食メニュー「18品の朝ごはん」から、ランチ、スイーツメニューまで揃う和カフェです。
朝食で人気の「18品の朝ごはん」や和スイーツ、Tsumugiの名物「ブッダボウル」などSNSでも話題のメニューは必食です。詳しくはこちらの記事をチェック!
※2022年10月25日(火)〜31日(月)は工事のため休店。11月1日(火)にリニューアルオープン予定。
何度も行きたくなる!季節のイベントをチェック
●はなまつり<4月上旬>
「築地本願寺」では、季節や仏教にちなんだ行事を行っています。いつ行こうか迷ったときは、こんなイベントを狙ってみてはいかがでしょう?
春に訪れたいのが、お釈迦様の誕生日を祝う「はなまつり」。お釈迦様の像に甘茶をかける習わしを体験できます。本堂前の広場では、ヒーローショーが行われ、子どもにも大人気!
●盆踊り<8月上旬>
1年で最も盛り上がるイベントが、本堂前で行われる「盆踊り」。築地場外市場の銘店が参加する築地銘店会の出店が並ぶため、“日本一おいしい盆踊り”と言われるほど。
●除夜会(じょやえ)<12月31日>
過ぎゆく1年を振り返り、仏様の恩徳を仰ぐ法要「除夜会」。新年を迎えるカウントダウンなどさまざまな催しものが予定されます。夜のライトアップも美しく、1年の節目として訪れたいですね。
●パイプオルガン ランチタイムコンサート
<毎月最終金曜12時10分〜 仏さまのお話からスタート>
開かれたお寺「築地本願寺」では、お寺でパイプオルガンコンサートが楽しめます。本堂で毎月最終金曜12時10分〜 仏さまのお話からスタートし、12時20分から演奏が始まります。YouTube「築地本願寺チャンネル」にて、オンライン配信の視聴も可能。行けない人は、ぜひオンラインでクラシックや仏教讃歌の演奏をお楽しみください。
お参りはもちろん、歴史や建築探訪から、グルメやショッピングまで揃うユニークな存在の寺院「築地本願寺」。築地場外市場の観光とあわせて、ぜひ一度お参りに出かけてみませんか?
Text:山田裕子(editorial team Flone)
Photo:田尻陽子
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