【福島】秘境をゆくローカル列車「JR只見線」でノスタルジック旅

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2022年10月1日に全線で運行が再開し、いま話題となっている福島のローカル列車「JR只見線」。奥会津をゆっくりとめぐる道中には、全国から写真愛好家たちが訪れる絶景のビューポイントが点在しています。今回は途中下車しながら楽しめる立ち寄りスポットも一緒にご紹介♪

Summary

福島のローカル列車「JR只見線」とは?

JR只見線 沿線マップ(写真提供:只見線管理事務所)
JR只見線 沿線マップ(写真提供:只見線管理事務所)

福島県の会津若松駅から新潟県の小出駅をつなぐ全長約135kmの「JR只見線」。全国屈指の秘境路線として知られ、「紅葉の美しい鉄道路線ベストテン」で第1位にも輝いた大人気のローカル線です。

JR只見線が走る福島県の奥会津は、‟日本の原風景”が広がる旅情たっぷりのエリア。沿線周辺には、のどかな里山の風景や四季折々に美しい渓谷がどこまでも続き、ノスタルジックな情景に包まれます。

2022年10月1日には、豪雨災害を受け運休していた会津川口駅ー只見駅間が約11年ぶりに復活。全線運転再開となったニュースでも話題となり、紅葉シーズンには多くの観光客が集まりました。

JR只見線の楽しみ方は、点在するビュースポットを巡って写真におさめたり、途中下車してその地域の観光アクティビティを体験すること。

今回はJR只見線のなかでも、みどころが多い福島県の会津若松駅ー会津川口駅間のオススメスポットをご紹介します。ローカル線らしいゆっくりと流れる時間をたっぷりと楽しみ尽くしましょう!


▼▼▼只見線ポータルサイトはこちら▼▼▼
https://tadami-line.jp/



【ビュースポット①】第一只見川橋梁


夏、一面が川霧に包まれる「第一只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)
夏、一面が川霧に包まれる「第一只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)

では、ここからは鉄道ファンや写真愛好家をも魅了するビュースポットをチェック!まずはJR只見線のなかでもとくに人気が高い「第一只見川橋梁」から。

数カ所あるビュースポットのなかでも、雄大な山々をバックに圧巻の大パノラマが広がるのが「第一只見川橋梁」です。

最寄駅は「会津宮下駅」。車でもアクセスできますが、オススメのめぐり方は駅から徒歩2分のところにある「観光交流舘からんころん」のレンタサイクル!道中の風景を楽しみながら自転車旅ができます♪

「観光交流舘からんころん」からは自転車で行くこと約15分。「道の駅 尾瀬街道みしま宿」に自転車を停め、そこから小高い丘を目指して徒歩で向かいます。

秋の紅葉で色づく山々を背景にした「第一只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)
秋の紅葉で色づく山々を背景にした「第一只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)

展望エリアには列車通過時刻も記されており、なかなか本数は少ないですが、橋を渡る列車に出合えたらラッキー♪新緑や紅葉、雪景色など四季によって趣が異なり、いつ見ても感動的な風景を望めます。



■第一只見川橋梁 だいいちただみがわきょうりょう
アクセス:JR只見線会津宮下駅から車で5分または徒歩35分
電話:0241-48-5000(三島町観光協会)



【ビュースポット②】第二只見川橋梁

線路間近から撮影できる「第二只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)
線路間近から撮影できる「第二只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)

第一只見川橋梁ビュースポットから自転車の帰り道でアクセスできる「第二只見川橋梁」。その道中には三島町生活工芸館や歳時記橋などがあり、秋の季節には色とりどりに咲くざる菊も見られます。

民家が並ぶ町並みを走り、農作業をしている人びとの姿を見ていると、時間がゆっくりと流れていく不思議な感覚に。徒歩でも車でもなく、全身で風を切りながらのサイクリングはとにかく気持ちがいいんです♪

第二只見川橋梁は線路の近くに展望エリアが設けられており、安全に近くから迫力のある列車を撮影することができます。初夏には川霧に包まれることもあるといい、幻想的な光景を見られるのだとか。

川霧に包まれる「第二只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)
川霧に包まれる「第二只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)

最初に第二只見川橋梁を訪れてから第一只見川橋梁へ向かうこともできますが、その場合は上り坂が続くのでちょっぴり大変。第一からならほとんど下り坂で楽なのでオススメですよ♪



■第二只見川橋梁 だいにただみがわきょうりょう
アクセス:JR只見線会津宮下駅から車で3分または徒歩20分
電話:0241-48-5000(三島町観光協会)



【ビュースポット③】第三只見川橋梁

命が芽吹く春の「第三只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)
命が芽吹く春の「第三只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)

「第三只見川橋梁」は山から山へトンネルを抜け出す列車が見られるスポット。橋を斜めに見下ろすアングルで写真撮影を楽しめます。

撮影スポットは、会津宮下駅ー早戸駅間の国道252号線沿いにあり、交通量は多め。徒歩や自転車より車でのアクセスをオススメしますが、駐車スペースが限られ、スノーシェッド内(半トンネル)のため一時停車もできないので要注意です。

雪化粧の山々にかかる「第三只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)
雪化粧の山々にかかる「第三只見川橋梁」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)

タクシーの運転手さんにお話を聞いていると、第一が撮影地として有名だけれど、第三にも根強いファンがいるのだそう。この日も観光客というよりは写真愛好家や鉄道愛好家の方々が多くいらっしゃいました。

なかなか訪れるのにハードルが高そうな場所でしたが、撮れたら感動もひとしお。ちなみにタクシーを呼ぶ場合は予約して隣町から来てもらうことになるので、時間には余裕を持って計画しましょう(私はレンタサイクルを返却するタイミングに合わせて、「観光交流舘からんころん」に来てもらいました)。



■第三只見川橋梁 だいさんただみがわきょうりょう
アクセス:JR只見線会津宮下駅から車で6分
電話:0241-48-5000(三島町観光協会)



【ビュースポット④】宮下アーチ三兄(橋)弟

国内でもめずらしい風景が見られる「宮下アーチ三橋(兄)弟」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)
国内でもめずらしい風景が見られる「宮下アーチ三兄(橋)弟」(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)

会津宮下駅からレンタサイクルですぐの場所にある「宮下アーチ三兄(橋)弟」は、いま話題の撮影スポット。

3本のアーチ橋(2本は自動車道、1本は鉄道)が重なる、めずらしい風景を望むことができます。重なった3つのアーチ橋を撮影できるのは国内ではここだけなんだとか。地元の方々が撮影スポットとして整備したといい、‟三兄(橋)弟”という名前もシャレがきいていますね♪

小さな広場のようになっている場所なので、腰かけながらゆっくりと鑑賞できるのもうれしいポイント。会津宮下駅から徒歩でも行ける距離なので、気軽に訪れてみましょう♪



■宮下アーチ三兄(橋)弟 みやしたあーちさんきょうだい
アクセス:JR只見線会津宮下駅から徒歩5分
電話:0241-48-5000(三島町観光協会 )



【ビュースポット⑤】かねやまふれあい広場

「かねやまふれあい広場」から見る風景。奥には大志集落が(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)
「かねやまふれあい広場」から見る風景。奥には大志集落が(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)

会津川口駅から徒歩で約10分のところにある「かねやまふれあい広場」は、水面に迫る集落を背景に、川沿いを走る列車を見られる絶景ポイント。

里山と集落、ゆったり流れる只見川、そして列車という一枚の絵のような構図が見事で、夏の早朝や夕方、雨上がりに立ち込める川霧がとっても幻想的なんです。

只見川がカーブした先にある集落は「大志(おおし)集落」といい、赤や青などカラフルな屋根をもつ民家が集まっています。とくに冬の季節は一面の銀世界から、かわいらしい民家がポツンと見えて、まるで童話の世界感!

冬は一面の銀世界に(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)
冬は一面の銀世界に(撮影:奥会津郷土写真家 星賢孝)

「日本のスイス」との呼び声が高く、写真初心者でも絶景が撮れるイチオシの撮影地としてガイドブックなどで紹介されています。

国道252号線沿いにあり、駐車場もあるので車でのアクセスもオススメです♪



■かねやまふれあい広場 かねやまふれあいひろば
住所:福島県大沼郡金山町大志字谷地田
アクセス:JR只見線会津川口駅から徒歩10分
電話:0241-42-7211(金山町観光物産協会)



【立ち寄りスポット①】観光交流舘からんころん

町の観光案内所「観光交流館からんころん」
町の観光案内所「観光交流舘からんころん」

次は、途中下車して立ち寄りたいオススメスポットをご紹介♪

先ほどご紹介したビュースポットを巡る起点となるのが会津宮下駅。そこから徒歩2分ほどにある「観光交流舘からんころん」は古民家を改装した町の観光案内所で、列車の待ち時間や地元の方の待ち合わせ場所としても利用される‟憩いの場”のような存在です。

ここではレンタサイクルを貸出しており、貸出する自転車はすべて電動アシスト付きなので坂道も楽ちん。若い世代をはじめ60代以上の利用者も多いそうで、車や列車旅とはまた違った風情を楽しめるのが人気の理由です。

レンタサイクル(料金:4時間500円、期間:4〜12月中旬※冬季休止)
レンタサイクル(料金:4時間500円、期間:4〜12月中旬※冬季休止)

サイクリングマップを無料でいただけるので、コースを確認しながらいざ出発!この日は、第一只見川橋梁、第二只見川橋梁、宮下アーチ三兄(橋)弟のビュースポットをめぐる小一時間のコースを楽しみました。

観光パンフレットコーナーや物産販売コーナーも
観光パンフレットコーナーや物産販売コーナーも

時間に余裕があれば、第三只見川橋梁や宮下ダムのほうまで行く方もいるのだとか。案内所では、地元の特産品コーナーやカフェも併設しているので、疲れたらひと休みして次の目的地に向かいましょう♪



■観光交流舘からんころん(かんこうこうりゅうかん)
住所:福島県大沼郡三島町大字宮下214-5
アクセス:JR只見線会津宮下駅から徒歩2分
電話:0241-48-5000(三島町観光協会)
時間:9〜18時
休み:月曜(祝日の場合は翌日)



【立ち寄りスポット②】道の駅 尾瀬街道みしま宿

道の駅外観

第一只見川橋梁ビュースポットへ向かう際に、必ず立ち寄りたいのが「道の駅 尾瀬街道みしま宿」。広々とした駐車場があり、自転車や車を停めて歩いて展望台まで向かうことができます。

地元の新鮮な野菜などがそろう
地元の新鮮な野菜などがそろう

施設のなかは、三島町の野菜や山菜、特産品などが揃う産直マーケットとなっており、会津地鶏の親子丼やカレー、唐揚げ定食など豊富なメニューの食堂も併設しています。

甘じょっぱさがクセになる「揚げもち」300円。外2階でパノラマを堪能しながら味わおう
甘じょっぱさがクセになる「揚げもち」300円。外2階でパノラマを堪能しながら味わおう

晴れた日は、好きなものを買って外のベンチで食べるのもオススメ。テーブルやイスが設けられており、外階段をのぼって2階へ行くと大パノラマが広がります。

おいしいものを食べて、大自然のパワーを吸収して、エネルギーチャージしてみてはいかがでしょうか。

【立ち寄りスポット③】霧幻峡の渡し

只見川をゆっくりと進む渡し船
只見川をゆっくりと進む渡し舟

JR只見線沿いで絶対に外せないアクティビティといえば「霧幻峡の渡し」。早戸駅すぐそばの舟着場から小一時間の舟旅が楽しめます。

毎年4月下旬〜11月中旬に運航される渡し舟は事前予約制。周遊プラン(約45分)と散策付プラン(約90分)の2つから選べ、とくに紅葉シーズンは連日満席ばかり!数週間前から予約するほど大人気のアクティビティなんです。

水面に太陽の光がきらめく
水面に太陽の光がきらめく

小さな木舟に乗り込むと、船頭さんがゆっくりと手漕ぎで舟を進めていきます。尾瀬を源流とする只見川は、雪解け水の影響でとても冷たく、夏は気温差で川霧が発生することも。霧に包まれたあたり一帯は、まさに‟幻し”のごとく。一度は目に焼き付けたい奇跡の絶景です。

船頭さんが周辺の集落にまつわる歴史や船上から見える景色について解説してくださり、たまに通り過ぎる列車に手を振ったりしながら、終始リラックスモードで舟旅を楽しめました。

散策付プランでは、絶景ポイントに案内してくれる
散策付プランでは、絶景ポイントに案内してくれる

散策付プランを選べば、折り返し地点の舟着場でいったん下船し、集落跡地を歩いて巡ることができます。絶景ポイントもあるので時間に余裕がある方はぜひ散策付プランを予約しましょう!

また「霧幻峡の渡し」については下記のレポート記事でも詳しくご紹介しています。こちらもぜひチェックしてみてくださいね♪

■霧幻峡の渡し(むげんきょうのわたし)
場所:JR只見線早戸駅そば舟着場
アクセス:JR只見線早戸駅から徒歩2分
電話:0241-42-7211(金山町観光物産協会)
期間:4月下旬〜11月中旬(日の出〜日没)※5日前までに要予約
料金:周遊プラン(約45分、3名まで6000円、4名以上は1名あたり1800円)、散策付プラン(約90分、3名まで8000円、4名以上は1名あたり2500円)※2022年11月現在の料金


以上、JR只見線沿線の魅力についてご紹介しました!忙しい日常から離れて、のどかな奥会津で過ごした一日。おいしい空気をたくさん吸って身体の底からリフレッシュできました♪

みなさんも次の休みができたら、ぜひ足を運んでみてくださいね。



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Text & Photo:ジェンティーレ恵


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