【京都でSDGs旅】量り売りや納豆サブスクリプションも。地球と人にやさしいセレクトショップ「ZERO WASTE KYOTO」
近年、京都には「ZERO WASTE(ゼロウエイスト)=無駄、浪費、ゴミをなくそう」をコンセプトにした、環境や身体にやさしいお店が増えています。京都寺町通りにある複合ショップ「ZERO WASTE KYOTO」は、必要な分だけ購入できる「量り売り」や、プラスチック容器を使わない「納豆サブスクリプション」などユニークかつエコな取り組みが注目を集めています。動画とともに(観たい方はタイトルカットをクリック!)ご紹介します。
Summary
京都に「ZERO WASTE」のお店が増えている理由って?
2021年にオープンした「ZERO WASTE KYOTO」は京阪鴨東線「神宮丸太町駅」から徒歩9分、京都御所のほど近くに位置しています。周辺にはオシャレなショップが多いので、街歩きがてら立ち寄るのにぴったり!
1階は食品・雑貨のセレクトショップとカフェスペース、階上には「ZERO WASTE KYOTO」の考えに共感するオーガニックコットン専門店、東洋の伝統医療 経絡とアーユルヴェーダの施術を受けられるサロンが入居しています。
そもそも、「ZERO WASTE(ゼロウエイスト)」とはどういう意味? 主宰の植良睦美(うえらむつみ)さんが教えてくれました。
植良さん:「私の知る限り、20世紀の大量消費社会に対する反省を込め、1900年代後半にオーストラリアで生まれた『無駄をなくしていこう』というスローガンですね。次第にヨーロッパや北アメリカにも広がっていきました。
京都では近年『ZERO WASTE』をコンセプトに掲げるセレクトショップが増えていますが、京都はもともと「もったいない文化」「食べ物を大切にする文化」が根付いている土地なんですよ。周辺には、無農薬や添加物を使っていない野菜を育てる農家さんも多くて、そうした食材が都に集まってきたという背景もあります。
私たちのお店もスローガンを声高に叫ぶというよりは、『食べ物をおいしく安全に食べたいよね』という気持ちからスタートしたんです」
好きなものを好きな量だけ。フードロスを削減できる「量り売り」
店に入ると真っ先に目に飛び込んでくるのが、量り売りコーナー。ガラスとブナの木からできたドイツ生まれの什器がズラリと並び、中にはナッツやコーヒー豆、大豆が種類ごとに詰められています。その数、20種類以上。
それぞれ20g以上から好みの分量だけ購入可能。買いすぎて余ることが少ないので、フードロスの削減につながるんです。自宅から容器を持参するのがベストですが、なければ環境にやさしい容器を購入利用することも可能です。
植良さん:「一般的なスーパーは、忙しい現代人に合うよう効率化され、パパっと袋買いすることが多いですよね。だからうちのお店では、あえて逆の発想である『スローショッピング』をご提案しています。『自分が本当に欲しいものは何かな?』『自分に必要な量はどれくらいだろう?』とじっくり考えながらお買い物を楽しんでいただけたらうれしいです」
エキストラヴァージンオリーブオイルやビネガー(お酢)の量り売りコーナーも発見。オリーブオイルは化学的処理を一切行わず収穫後2〜12時間以内に搾油した高品質のものだそうです。
弁当箱を使う「納豆のサブスクリプション」
納豆のサブスクリプションサービス「京納豆×Zero Waste Kyoto」はこの店ならではのユニークな取り組み。弁当箱を開けてみると納豆2種がぎっしり詰まっていました。
最初に容器(弁当箱)を購入し納豆代を支払います。納豆がなくなると弁当箱を店に持参し、ひとつひとつ弁当箱で発酵させた納豆入り弁当箱を受け取る仕組みです。
「納豆好きだけど、いちいち容器のプラスチックを捨てるのは煩わしいし、資源の無駄が出るから気が引ける……」というお客さんに、容器を捨てることなく使い続けられる点が喜ばれているそう。
納豆は、大正14年(1925年)創業の、京都・鞍馬口にある「藤原食品」が一つずつ丁寧に、弁当箱の中で発酵させたもの。5年連続で「全国納豆協同組合連合会会長賞」を受賞した京ブランド認定商品「京納豆 大粒」を使用しています。
植良さん:「ぜひ生産者さんの手から消費者さんの手へと、思いのこもった食べ物が伝わる感覚を体験してみてくださいね」