【高知】連続テレビ小説『らんまん』主人公のモデル、牧野富太郎ゆかりのスポット巡り

【高知】連続テレビ小説『らんまん』主人公のモデル、牧野富太郎ゆかりのスポット巡り

高知県 おでかけ 植物園 ご当地グルメ 列車旅 るるぶ&more.編集部
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日本の植物分類学の第一人者、牧野富太郎は文久2年(1862)4月24日に高知県で生まれました。94年間の生涯で新種や新品種など、なんと1500種以上もの植物を命名。78歳の時に刊行した『牧野日本植物図鑑』は、今なお研究者や愛好家の必携の書として支持されています。そんな牧野博士が2023年度前期、連続テレビ小説『らんまん』(NHK)のモデルに。出身地である高知県にあるゆかりのスポットを巡れば、牧野富太郎という人物をもっと深く知ることができます。

Summary

3000種以上の牧野富太郎ゆかりの植物が楽しめる「高知県立牧野植物園」(高知市)

日本植物分類学の父、牧野富太郎の業績を顕彰するため、牧野博士が逝去した翌年の昭和33年(1958)に開園した植物園。「植物園を造るなら五台山がええ」という牧野博士の言葉を受け、自然豊かな現在の場所に建設されました。広大な園内では牧野博士ゆかりの野生植物など約3000種類以上が四季を彩り、温室の熱帯花木や日本伝統園芸植物など多種多様な植物を見ることができます。また、五台山の標高130mに位置する園内からは高知平野や四国山地の眺望を楽しむこともできます。

入口すぐにある土佐の植物生態園、展示館中庭の牧野博士ゆかりの植物、南園・50周年記念庭園、カンナ&ローズ園、ふむふむ広場など広大な園内では3000種類以上の植物を見ることができます。その時期の見ごろの植物が公式HPや園内インフォメーションで紹介されているので、チェックしてから園内を歩くのがおすすめです。

園内には、サスティナビリティをテーマに建築家の内藤廣氏が設計した牧野富太郎記念館があります。本館と展示館があり、展示館では常設展示「牧野富太郎の生涯」、「牧野蔵」のほか、4K映像の植物園オリジナル作品を鑑賞できるシアターなどがあり、牧野博士の人生や業績に触れることができます。写真一番下は『牧野日本植物図鑑』初版本に牧野博士が入れた赤字校正です。びっしりと丁寧な文字で書きこまれた赤字からは、牧野博士の几帳面で妥協のない姿を感じることができます。

北園と南園を結ぶカンナ&ローズ園。広々とした空の下で、たくさんの植物に囲まれてゆっくり、のんびり気持ちのよい散歩ができます。

南園は、地形や景観を生かした庭になっており、牧野富太郎像や50周年記念庭園、温室、土佐寒蘭センターなどがあります。

温室の入口にあるみどりの塔は9mの高さがあって、フォトジェニック。壁面にはアコウが力強くその気根を伸ばしています。

温室の中に足を踏み入れると、まるでアニメの世界の中に入り込んでしまったような不思議な感覚に陥ります。

温室のジャングルゾーンでは、シダやサトイモ科、イワタバコ科などの植物を見ることができます。滝の上にはヒカゲヘゴや高木類の群落がありダイナミックで、異国を旅しているような気持ちになります。

■高知県立牧野植物園(こうちけんりつまきのしょくぶつえん)
高知県高知市五台山4200-6
TEL:088-882-2601
営業時間:9~17時(最終入園16時30分)
定休日:なし※メンテナンス休園日あり
料金:730円

牧野富太郎の生まれ故郷、佐川町でゆかりの地をさんぽ

牧野博士は文久2年(1862)、現在の高知県佐川町で生まれました。生家は酒造業と雑貨商を営む裕福な商家でしたが、幼くして両親を亡くし、祖母の手で育てられます。佐川の豊かな自然の中で、幼いころから植物に興味を持ち、独学で植物の研究を続けていたそうです。 現在の佐川町には牧野博士の生家を復元し、遺品や直筆の手紙等を展示している牧野富太郎ふるさと館や、伝統ある司牡丹の酒蔵、現存する日本唯一の四輪木造2等客車が見学できるうえまち駅などがあり、のんびり散歩するのが楽しいエリアです。

佐川町の上町(うえまち)地区は、かつて土佐藩筆頭家老の城下町として栄えました。江戸~明治期に建てられた白壁の建物が軒を連ね、風情ある町歩きを楽しめます。

牧野博士の生家を、大正時代の写真を手掛かりに跡地に再生した施設。ふるさと佐川ならではのゆかりの資料が展示されています。

■牧野富太郎ふるさと館(まきのとみたろうふるさとかん)
高知県高岡郡佐川町甲1485
TEL:0889-20-9800
営業時間:9~17時
定休日:月曜
料金:無料

観光拠点として、佐川の町の魅力発信をしているうえまち駅。現存する日本唯一の四輪木造2等客車が展示されています。

施設内には、牧野博士が愛した「バイカオウレン」をモチーフにした灯りがやさしく灯されています。可憐な花とその後に実る舟状の果実が表現されているそう。

■うえまち駅
高知県高岡郡佐川町甲1474
TEL:0889-20-9500
営業時間:9~17時
定休日:月曜
料金:無料

400年以上の歴史のある酒造、司牡丹の酒蔵が並んでいます。日本酒の仕込みの季節には、早朝の町に白い湯気があがっている光景が見られるそう。

司牡丹のお酒を購入できる「酒ギャラリーほてい」では、季節の限定酒などおみやげにもおすすめの商品を見つけることができます。

■酒ギャラリーほてい(さけぎゃらりーほてい)
高知県高岡郡佐川町甲1299
TEL:0889-22-1211
営業時間:9~13時、13時45分~16時30分
定休日:なし

桜を愛した牧野富太郎が東京から桜の苗木を送った「牧野公園」(佐川町)

牧野公園は佐川の街を一望できる場所にあり、牧野博士ゆかりの植物を中心に地元の方々が育てる四季折々の山野草を楽しむことができます。また、桜を愛した牧野博士が当時高知にはなかった染井吉野の苗木を東京から佐川町に送ったのがきっかけとなり、たくさんの桜が植えられています。1月下旬~2月には、牧野博士が愛した「バイカオウレン」の花が見ごろを迎えます。

佐川の町を見下ろす場所でスエコザサが見られます。牧野博士を支えた妻、寿衛子さんが亡くなった頃に発見され牧野博士によって名付けられたそうです。

早春にはとても小さくて白い可憐な花が咲くバイカオウレン。牧野博士が愛した植物です。

■牧野公園(まきのこうえん)
住所:高知県高岡郡佐川町甲2458
TEL:0889-20-9500(さかわ観光協会)
営業時間:園内自由

牧野富太郎ゆかりの貴重な資料を見ることができる「青山文庫」(佐川町)

元宮内大臣・田中光顕から寄贈された資料をはじめ、幕末の貴重な資料が多数収蔵されている、青山文庫(せいざんぶんこ)。牧野富太郎室では、牧野博士ゆかりの貴重な資料が展示されています。この日の展示では、牧野博士が愛用していた絵の具やパレット、筆、鉛筆などの道具を見ることができました。あの精緻な植物画が生み出された道具を見ることで、彼の偉大な仕事を少し身近に感じることができます。

※展示内容は企画展ごとに変わります

容易に退色しないということを重要視して選ばれた、当時最高級だったイギリスのウィンザー・アンド・ニュートン社製の絵具。この絵具からあの植物画が生み出されていたのかと思うと感慨もひとしおです。

■佐川町立青山文庫(さかわちょうりつせいざんぶんこ)
高知県高岡郡佐川町甲1453-1
TEL:0889-22-0348
営業時間:9~17時
定休日:月曜
料金:400円

高知に行くなら乗ってみたい、「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」

2020年7月から運行開始したこの列車は、車窓から山と海に囲まれたダイナミックな高知の自然を楽しむことができる、人気の観光列車です。運行区間は高知~窪川間が基本で、高知~奈半利間も運行されています(高知~奈半利間の運行日は限られているため事前に確認を)。蒸気船をモチーフにしている1号車「KUROFUNE」と宇宙船をイメージした近未来感のある2号車「SORAFUNE」の2両編成で、龍馬たちが生きた幕末と、これからの未来が表現されています。

車内では、車窓に流れる美しい景色を見ながら高知の素材がふんだんに使われた料理をいただくことができます(要予約・有料)。乗車区間によって料理内容は変わるので事前に確認をしておくのがベスト(写真は、高知~奈半利間で期間限定で提供された煌海の抄「ひがしこうちの彩り御膳」5000円)

車内で販売されている「高知の柑橘飲み比べセット」1500円。土佐文旦、小夏、柚子の濃厚でフレッシュなジュースを飲み比べすることができます。容器はこの列車の車体になっていてかわいいだけでなく安定感もバツグンです。

パノラマワイドな窓からは、高知の美しい景色を存分に楽しめます。

沿線では地域の方々が手を振ってお出迎え。写真は幼稚園のこどもたちと先生が手をふってくれているところです。温かいおもてなしに心もぽかぽかしてきます。また列車には専属のアテンダントさんが乗車しており丁寧に案内をしてくれます。

■運転日・空席状況について
JR四国の公式HPかJR四国電話案内センター(0570-00-4592/8~19時/無休)で確認を※通話料が必要です

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