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【栃木県 大谷】スゴい! ヤバい!  ときどきエモい! 神秘の地底湖でブラックウォーター・ラフティング

【栃木県 大谷】スゴい! ヤバい! ときどきエモい! 神秘の地底湖でブラックウォーター・ラフティング

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かつての採石場跡が、まるで壮大な地下神殿のようだとSNSで話題の大谷(おおや)町。そんな独特な景観を持つ町に、採石場跡地を活用した体験型観光ツアーが誕生しています。今回紹介するのは、巨大な地下空間にできた地底湖をゴムボートで巡る探検ツアー。ネタバレにならない程度に紹介しますね。

Summary

ツアーの拠点はOHYA BASE

今回紹介するツアーを企画運営しているのは「LLPチイキカチ計画」。自然と人が長い時をかけて作り出した大谷地区の地下空間に唯一無二の「宝」を見出した人々が、ゆるやかにつながりながら活動して地域の価値を高めていこうと生まれた組織です。その活動の拠点になるのが「OHYA BASE(おおやべーす)」です。
外壁に大谷石をあしらったOHYA BASE。かつて地域に愛された旅館の宴会場をリノベーションし、活かしています
OHYA BASE。かつて地域に愛された旅館の宴会場をリノベーションし、活かしています
ここで「大谷石とは」「大谷とは」について簡単な予習動画を視聴。あっちからこっちから「へ~っ」「へ~っ」と声が上がります。この事前学習のおかげで実際のツアーに幅と奥行きが出ます。ちなみにこれから訪れる場所は一般非公開の私有地。このツアーでなければ見学できないところばかりです。地元の方と「LLPチイキカチ計画」の深い信頼関係があるからこそ実現できたツアーなんです。
座り心地のよい椅子に腰かけて予習タイム
座り心地のよい椅子に腰かけて予習タイム
本日のガイド、コーダイさん(左)とシャークさん(右)。野山遊びの達人です
本日のガイド、コーダイさん(左)とシャークさん(右)。野山遊びの達人です


最初は現役で稼働する坑内掘りの採石場へ

最初に向かったのは、現役で稼働する採石場兼加工場。切り出された石の凸凹した面がきれいに整えられていくのを目の前で見ると、柔らかくて加工しやすいというのがよくわかります。そんな特質に着目したフランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテルの建設に使ったことから、大谷石の名声は一気に高まったそうです。
切片をきれいに整えてゆく
切片をきれいに整えていく
地下で掘った石を持ち上げるクレーンの台から採石場を覗き込みます。深さ約60m。あまりの深さにお尻の後ろあたりがぞわぞわ~っ。高所恐怖症の人はご注意を。
覗き込む視線の先には……
覗き込む視線の先には……
壁面の鉄の階段と比べるとスケールがわかります
壁面の鉄の階段と比べるとスケールがわかります

次は役割を終えた垣根堀りの採石場へ

里山の林の中を進むと、ぽっかり口を開けた穴が見えてきます。明治43年(1910)以前に手作業で掘られていた垣根堀りの採石場です。機械で掘ったかのように直線的なつるはしの跡を見ると、当時の職人の技量がいかに高かったかがわかります。
秘密基地のよう
秘密基地のよう
上を見ると大谷石の上に積もった土砂に林の木々が根を下ろしているのが見えます。ふつうの林に見えるところでも、地下にはこんな空間が広がっているところが、大谷にはきっとたくさんあるのですね。
つるはしと手だけでここを掘ったヒトもすごいけど、薄い土壌に根を下ろした木もすごい
つるはしと手だけでここを掘ったヒトもすごいけど、薄い土壌に根を下ろした木もすごい

今も残る旧採石場の事務所とトロッコ搬入口を、おそるおそる見学

中は崩落してしまったそうですが、入口は今も残るトロッコ搬入口とその脇に建てられた事務所を見学。建物は廃墟のようになっていますが、壁に掲げられた福沢諭吉の「心訓」や積まれたヘルメットから、今も人の気配が感じられます。
小屋の中には入れませんが、外から見ることができます
小屋の中には入れませんが、外から見ることができます

トロッコ搬入口。「すべてに注意」「必ず保安帽を」の注意板に、坑内での心掛けが凝縮されています
トロッコ搬入口。「すべてに注意」「必ず保安帽を」の注意板に、坑内での心掛けが凝縮されています

いよいよ地底湖へ。ゴムボートに乗り込み深層探検に出発

さていよいよ地底湖へ。鉄の門扉を開いて中へ入ったところで、「これからあえてライトを消してみます。前の人の背中に手を当てて迷わないように進んでください」とガイドさん。ライトが消され、目を開けても閉じても変わらない坑内はほんとうの闇。ふだんできないレアすぎる体験です。
暗い、暗すぎる。前の人に触らなければ怖くて進めません
暗い、暗すぎる。前の人に触らなければ怖くて進めません

再びライトが点けられると目の前に地底湖が広がります。衝撃の展開です。
SF映画の登場人物になったみたい!
SF映画の登場人物になったみたい!
思うぞんぶん撮影タイム
思うぞんぶん撮影タイム
さあいよいよクルーズスタート。いったい何に遭遇できるのかな?
ゴムボートは地下回廊を静かに進みます
ゴムボートは地下回廊を静かに進みます


以下は当日出会った謎と不思議のほんの一部。答えは実際に体験してみてのお楽しみです。

これらはいったい?!
地底湖の誕生の秘密だけでなく、大谷石文化のこともおもしろく学べます。年間を通じて5~10℃の地下空間は、今もいろいろなことに使われているそうで、例えば大谷夏いちご(なつおとめ)の品種の開発の場になりました。室として野菜を貯蔵して甘さを引き出すことにも使われているそう。個性的でマイペース、我が道をゆくキャラ立ち大谷人のおもしろエピソードも聞き逃せません。
スタート地点に到着
スタート地点に到着


■OHYA UNDERGROUND TOUR(おおやあんだーぐらうんどつあー)
住所:栃木県大谷町1240(OHYA BASE)
交通:JRまたは東武宇都宮駅から関東自動車バス立岩行きで約20~30分、大谷観音前下車、徒歩5分

今回ご紹介したツアー「大谷地底探検と大谷エリア散策」
料金:1名8500円
※事前完全予約制
申込:催行日確認と参加申込は以下のサイトから
https://www.enishi-travel.jp/tour/?cid=2

ツアーのビフォー or アフターに訪ねたいスポット

「OHYA BASE」の目的は「大谷でできることを増やす場所」。「OHYA UNDERGROUND TOUR」のほかにもおもしろい「もの」「こと」が集まっています。
オーナーの人柄が感じられる個性的なカフェやレストランも入っています
オーナーの人柄が感じられる個性的なカフェやレストランも入っています
その一つがオリジナルの雑貨。大谷石を使った小物、Tシャツやハンカチなど、どれもシンプルでユニークで、かっこつけていないのにかっこいい独特の抜け感が魅力です。また4月からはシェアキッチンとして曜日ごとに様々な飲食店が登場するそう。楽しみですね。
連れて帰りたいかわいい雑貨が揃います
連れて帰りたいかわいい雑貨が揃います

午前のツアーに参加してお腹ペコペコなら「OHYA FUN TABLE」へ。知り合いの農家さんから仕入れる旬の食材を活かし、オーナーシェフの大友功佑さんが作り上げる料理はジャンルにとらわれないボーダレス。テイクアウトメニューもあります。大谷石工芸の職人であるお義父さんの作品を集めたギャラリーコーナーもあります。
霧降高原牛ランプステーキ(ランチの例)
霧降高原牛ランプステーキ(ランチの例)
オリジナルの大谷石グッズが揃います
オリジナルの大谷石グッズが揃います


■OHYA FUN TABLE(おーやふぁんてーぶる)
住所:栃木県大谷町1240(OHYA BASE)
電話:028-688-8409
営業時間:11~15時、17~21時(夜は完全予約制)
定休日:火曜、第1・3・5水曜
※臨時休業や貸切日もあるので、最新の営業時間は公式インスタグラムを参照してください。
https://www.instagram.com/funtable_08/?hl=ja


「OHYA BASE」の近くに2021年9月にオープンした「ベルテラシェ大谷」もマストチェックなスポット。人気店が揃うフードコートや、大谷石のクラフトができる体験館、大谷の新鮮な食材やおみやげが揃う物産館からなり、連日賑わっています。
左から飲食館、物産館、体験館の順に並んでいます
左から飲食館、物産館、体験館の順に並んでいます
「物産館」には先のツアーで耳にした採石場跡地を室にして熟成させた野菜、ほしいも、ハム、ワインや、開発された品種の大谷夏いちご(なつおとめ)なども入荷しますのでチェックしてみましょう。
採石場跡は食品の熟成にも効果的に活用されています
採石場跡は食品の熟成にも効果的に活用されています


しっかりとした甘みと酸味(糖度8%、酸度0.8%程度)で食味が良く、形もかわいい大谷夏いちご
しっかりとした甘みと酸味(糖度8%、酸度0.8%程度)で食味が良く、形もかわいい大谷夏いちご(なつおとめ)
「物産館」棟にある「HALA-CUCCIGO(はらくちいご)」は、大谷夏いちごをたっぷり使ったスイーツが揃うジェラテリアです。大谷の風土が育んだおいしくてかわいいスイーツを味わいましょう。
"「HALA-CUCCIGO」のジェラート。大谷夏いちごたっぷり
「HALA-CUCCIGO」のジェラート。大谷夏いちごたっぷり
■ベルテラシェ大谷(べるてらしぇおおや)
住所:栃木県宇都宮市大谷町1263-2
電話: 028-652-3500
営業時間:店舗により異なる。物産館は9時~17時30分、HALA-CUCCIGOは9時30分~17時30分
定休日:3~10月は第2火曜、11~2月は毎週火曜。いずれの期間も祝日の場合は営業し翌日休み
交通:JRまたは東武宇都宮駅から関東自動車バス立岩行きで約20~30分、大谷観音前下車、徒歩1分

大谷地区は訪れるたびに個性的なお店やおもしろいことが増えています。どれもいわゆるハコモノでなく、大谷らしさを体現したものばかり。元からある地域の価値を見出し高めようとする大谷スピリットの結実なのかもしれません。
冒険アクティビティをしたり、味わったり。今に生きる大谷石文化に五感で触れる新しい旅スタイル。これからのシーズンは涼を満喫できるのも魅力です。





Text:松尾裕美


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