【栃木県 大谷】スゴい! ヤバい! ときどきエモい! 神秘の地底湖でブラックウォーター・ラフティング
かつての採石場跡が、まるで壮大な地下神殿のようだとSNSで話題の大谷(おおや)町。そんな独特な景観を持つ町に、採石場跡地を活用した体験型観光ツアーが誕生しています。今回紹介するのは、巨大な地下空間にできた地底湖をゴムボートで巡る探検ツアー。ネタバレにならない程度に紹介しますね。
Summary
ツアーの拠点はOHYA BASE
今回紹介するツアーを企画運営しているのは「LLPチイキカチ計画」。自然と人が長い時をかけて作り出した大谷地区の地下空間に唯一無二の「宝」を見出した人々が、ゆるやかにつながりながら活動して地域の価値を高めていこうと生まれた組織です。その活動の拠点になるのが「OHYA BASE(おおやべーす)」です。最初は現役で稼働する坑内掘りの採石場へ
最初に向かったのは、現役で稼働する採石場兼加工場。切り出された石の凸凹した面がきれいに整えられていくのを目の前で見ると、柔らかくて加工しやすいというのがよくわかります。そんな特質に着目したフランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテルの建設に使ったことから、大谷石の名声は一気に高まったそうです。次は役割を終えた垣根堀りの採石場へ
里山の林の中を進むと、ぽっかり口を開けた穴が見えてきます。明治43年(1910)以前に手作業で掘られていた垣根堀りの採石場です。機械で掘ったかのように直線的なつるはしの跡を見ると、当時の職人の技量がいかに高かったかがわかります。今も残る旧採石場の事務所とトロッコ搬入口を、おそるおそる見学
中は崩落してしまったそうですが、入口は今も残るトロッコ搬入口とその脇に建てられた事務所を見学。建物は廃墟のようになっていますが、壁に掲げられた福沢諭吉の「心訓」や積まれたヘルメットから、今も人の気配が感じられます。いよいよ地底湖へ。ゴムボートに乗り込み深層探検に出発
さていよいよ地底湖へ。鉄の門扉を開いて中へ入ったところで、「これからあえてライトを消してみます。前の人の背中に手を当てて迷わないように進んでください」とガイドさん。ライトが消され、目を開けても閉じても変わらない坑内はほんとうの闇。ふだんできないレアすぎる体験です。再びライトが点けられると目の前に地底湖が広がります。衝撃の展開です。
以下は当日出会った謎と不思議のほんの一部。答えは実際に体験してみてのお楽しみです。
■OHYA UNDERGROUND TOUR(おおやあんだーぐらうんどつあー)
住所:栃木県大谷町1240(OHYA BASE)
交通:JRまたは東武宇都宮駅から関東自動車バス立岩行きで約20~30分、大谷観音前下車、徒歩5分
今回ご紹介したツアー「大谷地底探検と大谷エリア散策」
料金:1名8500円
※事前完全予約制
申込:催行日確認と参加申込は以下のサイトから
https://www.enishi-travel.jp/tour/?cid=2
ツアーのビフォー or アフターに訪ねたいスポット
「OHYA BASE」の目的は「大谷でできることを増やす場所」。「OHYA UNDERGROUND TOUR」のほかにもおもしろい「もの」「こと」が集まっています。午前のツアーに参加してお腹ペコペコなら「OHYA FUN TABLE」へ。知り合いの農家さんから仕入れる旬の食材を活かし、オーナーシェフの大友功佑さんが作り上げる料理はジャンルにとらわれないボーダレス。テイクアウトメニューもあります。大谷石工芸の職人であるお義父さんの作品を集めたギャラリーコーナーもあります。
■OHYA FUN TABLE(おーやふぁんてーぶる)
住所:栃木県大谷町1240(OHYA BASE)
電話:028-688-8409
営業時間:11~15時、17~21時(夜は完全予約制)
定休日:火曜、第1・3・5水曜
※臨時休業や貸切日もあるので、最新の営業時間は公式インスタグラムを参照してください。
https://www.instagram.com/funtable_08/?hl=ja
「OHYA BASE」の近くに2021年9月にオープンした「ベルテラシェ大谷」もマストチェックなスポット。人気店が揃うフードコートや、大谷石のクラフトができる体験館、大谷の新鮮な食材やおみやげが揃う物産館からなり、連日賑わっています。
住所:栃木県宇都宮市大谷町1263-2
電話: 028-652-3500
営業時間:店舗により異なる。物産館は9時~17時30分、HALA-CUCCIGOは9時30分~17時30分
定休日:3~10月は第2火曜、11~2月は毎週火曜。いずれの期間も祝日の場合は営業し翌日休み
交通:JRまたは東武宇都宮駅から関東自動車バス立岩行きで約20~30分、大谷観音前下車、徒歩1分
大谷地区は訪れるたびに個性的なお店やおもしろいことが増えています。どれもいわゆるハコモノでなく、大谷らしさを体現したものばかり。元からある地域の価値を見出し高めようとする大谷スピリットの結実なのかもしれません。冒険アクティビティをしたり、味わったり。今に生きる大谷石文化に五感で触れる新しい旅スタイル。これからのシーズンは涼を満喫できるのも魅力です。
Text:松尾裕美
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