
【札幌】味噌だけじゃない?! ホタテペーストを溶かしながら食べる新感覚の札幌ラーメン「雨は、やさしくNO.2」│北海道
札幌ラーメンといえば味噌ラーメンのイメージですが、実は味噌だけでなく、醤油や塩などもすべて札幌ラーメン。ひとつに縛られない、多彩な味わいが札幌ラーメンの魅力でもあります。そんな札幌ラーメン界で圧倒的な人気を誇る「雨は、やさしくNO.2(あめはやさしく なんばーつー)」。これまでにない唯一無二のスタイルが多くのラーメンマニアから支持されています。
固定概念にとらわれない店作り
JR札幌駅北口から10分ほど歩いたところに、小洒落たビストロのような佇まいの建物があります。ラーメン店らしからぬ店構えのこちらが今回ご紹介する「雨は、やさしくNO.2」です。
ラーメン店のイメージからはかけ離れた「雨は、やさしく」という屋号と、ラーメンらしきイラストの看板がひっそりとあるのみです。
店内に入るとこれまたラーメン店っぽさはゼロ。ドライフラワーが大胆にあしらわれたインダストリアルな雰囲気の空間にL字のカウンターテーブルとハイチェアが8脚。照明も最低限に抑え、電球色のスポットライトのみという潔さ。
店主の東元さんいわく、「雨は、やさしく」という屋号も、ビストロのような店構えも“ラーメン店らしさ”にこだわらなかった結果、今のスタイルになったのだといいます。
「楽しい」を追求した先に生まれた新感覚ラーメン
店主の東元さんはご実家である札幌の老舗ラーメン店のほか、札幌味噌ラーメンを象徴する人気店2店舗で修業したのち、2014年に1号店である「雨は、やさしく」をオープン。和風スープに鶏白レバーペーストを乗せた新しいスタイルのラーメンが人気となり、2017年に2号店として「雨は、やさしくNO.2」が誕生しました。
当時の札幌には創作系ラーメン店はほとんどなかったため、味変をしながら食べるラーメンはかなり異色。そのうえ、店名や店構えまでラーメン店とはかけ離れたものだったため、前例のないことづくしの挑戦でした。
「実家のラーメン店や修業した店の味や暖簾を受け継ぐこともできたけど、自分の目指しているものではなかった」と東元さん。そんな東元さんがラーメン店をするうえで一番大切にしてきたのが「いかに楽しんでもらえるか」ということでした。
そんな思いのもと誕生したのが、鶏白湯スープにホタテペーストを溶かしながら食べる「帆立鶏白湯ら雨ん」です。「フレンチのコース料理を注文すると、必ず肉料理と魚料理がサーブされますよね? そのイメージで、ラーメン1杯で肉も魚もどちらも味わえたら楽しいかなと思って」。
ホタテペーストを溶かしながら食べる?!
鶏白湯スープに少しずつ帆立ペーストを溶かしていくことで、動物系のスープから海鮮系のスープへと変化する「帆立鶏白湯ら雨ん」。
ベースは北海道中札内の若鶏を5時間炊いた鶏白湯スープ。親鶏よりも若鶏の方が繊細な味わいに仕上がり、ホタテの風味を消さないのだといいます。
たっぷりと盛られたホタテペーストは、火を入れた道産ホタテに塩を加えてペーストしただけと作り方はシンプルですが、しっかりと存在感があり、少し溶かすだけで磯の風味が感じられます。
脇を固めるのは、低温調理した道産鶏のチャーシューや、ラーメンのトッピングとしては珍しいごぼう天、口の中をさっぱりしてくれるシソなど個性的な面々。
メンマだとスープの繊細な味わいを損なってしまうと考案されたゴボウ天はいまや「雨は、やさしく」の代名詞的存在に。生の状態から低温でじっくり揚げたゴボウは瑞々しくジューシー。ゴボウ本来の甘みと、シャキシャキとした食感がいい箸休めになっています。
「楽しさ」を演出する仕掛けはほかにも
「雨は、やさしく」では提供方法にも工夫を欠かしません。カウンターの上には、ラーメンの輪郭をはっきり見せる効果のある照明を配置。
ラーメンがサーブされると、スポットライトがラーメンを華々しく照らし、まるでカウンターという舞台にスター俳優であるラーメンが登場したかのような演出に。
堂々たる姿でそこに佇むラーメンは、よりドラマティックに、より輝いて見えます。これも東元さんの「ラーメンを楽しんでほしい」という思いの表れです。
味、空間、演出と、どこまでも楽しませてくれる「雨は、やさしく」は女性客も多く、休日は約半数を女性が占めるほどの人気ぶり。デートで来るカップル客も多いのだとか。休日は1時間ほど並ぶことも多いので、開店直後の来店がおすすめです。
五感を喜ばせる唯一無二の札幌ラーメン。そこにはラーメンの固定概念に縛られず、「楽しさ」を追求し続ける店主の思いがありました。
■雨は、やさしくNO.2(あめはやさしく なんばーつー)
住所:北海道札幌市東区北七条東3-1-1
TEL:なし
営業時間:11時〜14時30分(金・土曜は11時〜14時30分、17時30分〜19時30分、日曜、祝日は11〜15時)
定休日:月曜、ほか不定休あり

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Photo&Text:高島夢子
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