
ついに開幕! 「瀬戸内国際芸術祭2025」を含むアートを1泊2日で大満喫
瀬戸内海の島々と沿岸部を舞台に、3年に一度開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」。2010年から始まり、今や世界中から約100万人が訪れるビッグイベントとなりました。春夏秋の3シーズンにわかれ、春会期の開催は2025年4月18日(金)~5月25日(日)。新しい会場として春会期に注目が集まる瀬居島(せいじま)と、瀬戸内アートを牽引してきた大定番の直島をめぐり、素敵なリニューアルで話題の「休暇村 讃岐五色台」に泊まる1泊2日の旅をご案内します。
Summary
- 【1日目】瀬戸内国際芸術祭の春会期で注目の「瀬戸大橋エリア」を絶景とともにめぐる
- 10:00【瀬戸大橋観光船】橋をくぐる絶景クルージング
- 12:10【麺処 綿谷 丸亀店】香川名物の讃岐うどんを地元の人気店で
- 13:20【瀬戸内国際芸術祭・瀬居島】芸術祭初登場の春会期の注目のエリアでアートを鑑賞
- 15:00【瀬戸内国際芸術祭・沙弥島】屋外のアート作品に座って、瀬戸大橋の絶景を楽しむ
- 15:50【瀬戸内海歴史民俗資料館】瀬戸内海の暮らしや文化にふれる
- 17:00【休暇村 讃岐五色台】リニューアルしたてのお宿で絶景三昧
- 【2日目】島アートの発祥・直島で世界的に名の知れた作品を鑑賞
- 9:10【赤かぼちゃ】直島の玄関口・宮浦港で島に溶け込む真っ赤なかぼちゃとご対面
- 10:00【家プロジェクト】空き家などを利用した大定番のアートをめぐる
- 12:00【EAT LOCAL 直島食堂】海辺の食事処で海鮮丼に舌鼓
- 13:00【杉本博司ギャラリー 時の回廊】で多岐にわたる作品を鑑賞
- 14:00【ベネッセハウス ミュージアム】で屋内外のアートを鑑賞
- 15:00【ヴァレーギャラリー】自然とアート、建築…三位一体の空間を味わう
- 15:30【李禹煥美術館】そぎ落とされた静謐(せいひつ)な作品を空間ごと味わう
本州のJR岡山駅を起点に四国へと向かう特急列車のひとつは、岡山~松山駅間を結ぶ特急「しおかぜ」。2023年度から順次リニューアルされており、全席にコンセントを設置したり、すべてのトイレが洋式化されたりと、空間がより快適になっています。
もうひとつの特急列車は、岡山~高知間を結ぶ特急「南風」。そのうち、1日5往復運行する「アンパンマン列車」が大人気。1号車(普通車指定席)には、「アンパンマンシート」があり、シートや天井、カーテンまでもアンパンマンとなかまたちが描かれています。
■特急「しおかぜ」、特急「南風」(とっきゅうしおかぜ、とっきゅうなんぷう)
購入:運行時間、乗車料金、きっぷの購入はJR西日本ネット予約e5489で。なお、きっぷの購入はJRの主要駅でも可
TEL:0570-00-4592(JR四国電話案内センター、8~19時、年中無休 ※通話料がかかります)
【瀬戸大橋観光船】橋をくぐる絶景クルージング
まず四国へ渡る前に、瀬戸大橋の雄大さが体感できる絶景クルージングを。JR岡山駅から特急で約20分の児島駅へ。そこから徒歩5分ほどの児島観光港から出航する「瀬戸大橋観光船」で約45分のクルージングを楽しみます。
船上からは、穏やかな瀬戸内海の島々にいくつもの橋が架かる大パノラマが楽しめます。昭和63年(1988)に開通した瀬戸大橋は6つの橋からなる総称で、そのうちの岩黒島橋と櫃石島橋(ひついじまばし)の下を船でくぐります。それぞれ異なる橋の形状や、上に車、下に鉄道が走る橋の仕組みも間近で見られ、おもしろい!
■瀬戸大橋観光遊覧船(せとおおはしかんこうゆうらんせん)
住所:岡山県倉敷市児島駅前3-23 児島観光港
TEL:086-473-6777(瀬戸大橋観光船協会)
出航時間:10時~、11時~、13時~、14時~(8月は15時~もあり、12月1日~3月19日は土・日曜、祝日のみで大人3人以上の場合のみ運航)
料金:中学生以上1600円、小学生800円
定休日:12月1日~3月19日の平日
アクセス:JR児島駅から徒歩5分
特急で約18分、JR丸亀駅から徒歩10分
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【麺処 綿谷 丸亀店】香川名物の讃岐うどんを地元の人気店で
遊覧船の次は特急でJR丸亀駅へ。
香川で外せない名物・讃岐うどんを、地元で評判の「麺処 綿谷 丸亀店」で味わいます。名物は「肉ぶっかけ」。 うどんを醤油だしで食べる「ぶっかけうどん」に炊いた牛肉をのせたもので、常連客の声から誕生しました。のどこし抜群でモチモチ食感の麺に、伊吹島産のイリコや国内産の昆布からとっただしをしっかり効かせた醤油だしと、甘めに味付けされたやわらかい牛肉を絡めていただきます。「小」でも1.5玉はありそうなほど、大ボリュームなのも人気の理由です。
丸亀駅から徒歩9分の丸亀店は、落ち着いた和テイストの空間で、カウンター席・テーブル席・座敷が計130席あるので、行列していても回転が早いのもうれしいポイントです。半セルフ式で、完成したうどんをスタッフから手渡されたら、約15種類ある天ぷらや、人気のいなり寿司などのサイドメニューを自分で取り、いただきましょう。
■麺処 綿谷 丸亀店(めんどころ わたや まるがめてん)
住所:香川県丸亀市平山町2-6-18
TEL:0877-21-1955
営業時間:8時30分~14時(売り切れ次第終了)
定休日:日曜、祝日
アクセス:JR丸亀駅駅から徒歩9分
レンタカー、またはタクシーで18分
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【瀬戸内国際芸術祭・瀬居島】芸術祭初登場の春会期の注目のエリアでアートを鑑賞
讃岐うどんランチの次は、「瀬戸内国際芸術祭2025」春会期(2025年4月18日~5月25日)で注目の瀬戸大橋エリア・瀬居島へ。島といっても、1960年代後半に臨海工業団地開発により埋め立てられ陸続きとなった半島で、今回の芸術祭で新しく会場となりました。瀬居島プロジェクト「SAY YES」と題し、廃校になった中学校や小学校、幼稚園などを舞台に、一周約4kmの島内の5カ所で16人のアーティストが展示を行います。
ぜひ訪れてほしいのが8人のアーティストが複数の教室を使って作品を展開する旧瀬居中学校。集落や工業地帯が混じり合う島の空気と学校のノスタルジックな雰囲気に包まれるなか、個性的でユニークなアートに出合うことができます。
校舎の屋上では、早川祐太の作品「いるもの」がたくさん! 風船にコンクリートを詰めて制作した彫刻作品で、当たり前にあるものたちの見方が変わることを意図した“かたち”が「猫がひなたぼっこしそうなところ」などに複数点在しています。
伊藤 誠の作品「空気穴」は、教室のなかで“穴”をテーマにした不思議なオブジェ。「別の世界とつながっている“穴”を表現した作品が、元からあるものと妙な関係性をもってくれたらうれしい」と作者は語っています。今回の展示は最大規模で、4教室に大小の作品が複数展示されています。
昔の中学校での作品鑑賞を終えたら、徒歩すぐの旧瀬居幼稚園へ向かいます。瀬居島プロジェクト「SAY YES」全体のディレクションも担当する中﨑 透の作品の舞台で、地元の高校生から80代まで、瀬居にゆかりのある人々から聞いた39の言葉をパネルで展示し、幼稚園の備品や地元住民から借りたもので、瀬居島の物語をたどるようなインスタレーションを展開しています。
■瀬戸内国際芸術祭2025「瀬戸大橋エリア」瀬居島
(せとうちこくさいげいじゅつさいにせんにじゅうご せとおおはしえりあ せいじま)
住所:香川県坂出市番の州町11 旧瀬居中学校、番の州町17-5 旧瀬居幼稚園 ほか
TEL:087-813-2244(瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局)
開館時間:9時30分~17時
料金:旧瀬居中学校1000円、中﨑 透の「Say-yo, chains,what do you bindor release?」
※どちらも「瀬戸内国際芸術祭2025」の共通パスポート利用可
定休日:春会期のみ公開(期間中無休) ※一部の作品は春会期以降も見学可
アクセス:JR坂出駅から車で17分(期間中は巡回シャトルバスあり)、JR宇多津駅から車で13分
レンタカー、またはタクシーで9分
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【瀬戸内国際芸術祭・沙弥島】屋外のアート作品に座って、瀬戸大橋の絶景を楽しむ
瀬居島の次は同じく陸続きの沙弥島(しゃみじま)へ。特に人気が高いアートは瀬戸大橋記念公園内にあり、実際に座わって雄大な瀬戸大橋が眺められる作品「八人九脚」。
沙弥島ではほかにも鑑賞自由の屋外作品が一つ、「瀬戸内国際芸術祭2025」春会期限定の作品が一つ(有料)、香川県立東山魁夷せとうち美術館では2025年6月1日まで「気配の力―拡大する日本画 岡村桂三郎|新恵美佐子」が催されます。
■瀬戸内国際芸術祭2025「瀬戸大橋エリア」沙弥島「八人九脚」
(せとうちこくさいげいじゅつさいにせんにじゅうご せとおおはしえりあ しゃみじま はちにんきゅうきゃく)
住所:香川県坂出市番の州緑町6
TEL:087-813-2244(瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局)
時間・料金:鑑賞自由
アクセス:JR坂出駅から車で17分、またはJR宇多津駅から車で14分
レンタカー、またはタクシーで34分
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【瀬戸内海歴史民俗資料館】瀬戸内海の暮らしや文化にふれる
2つのアートエリアを鑑賞した後は、宿泊ホテルのある瀬戸内海国立公園内の景勝地・五色台にたたずむ「瀬戸内海歴史民俗資料館」へ。
瀬戸内地域の暮らしや文化を物語るさまざまな品々が展示される資料館です。30艘以上ある和船をはじめ、漁業、雨乞い、背負運搬、祭りの道具や写真など多岐にわたり、3万点を超える所蔵品のうち約6000点が国指定重要有形民俗文化財に指定されています。「瀬戸内国際芸術祭」に参加するアーティストの多くも作品の制作前にこちらを訪れるそう。
基礎工事で採れた安山岩を石積みした外壁もチェック。彫刻家のイサム・ノグチのパートナーである和泉正敏が指揮をとって造られたもので、美しい建物は国指定重要文化財や日本建築学会作品賞、公共建築百選に選ばれています。
■瀬戸内海歴史民俗資料館(せとないかいれきしみんぞくしりょうかん)
住所:香川県高松市亀水町1412-2(五色台上)
TEL:087-881-4707
開館時間:9~17時(最終入館16時30分)
料金:鑑賞無料
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
アクセス:JR高松駅から車で25分、またはJR坂出駅から車で30分
レンタカー、またはタクシーで10分
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【休暇村 讃岐五色台】リニューアルしたてのお宿で絶景三昧
瀬戸内海歴史民俗資料館からさらに山道を進み、景勝地・五色台に立つ「休暇村 讃岐五色台(きゅうかむら さぬきごしきだい)」へ。2025年3月のリニューアルで、テラス・露天風呂・客室が改装され、瀬戸大橋を望む絶景がより楽しめる場所へと生まれ変わりました。
リニューアルの目玉は、宿泊者専用の「水鏡のテラス」。海に突き出すように設置されたテラスからは、島々を結ぶ瀬戸大橋の大パノラマが一望でき、絶好の夕日スポットです。また「父母ヶ浜」をオマージュした水盤が備えられ、空が写り込む様はSNS映え間違いなしです。
新しくなった大浴場にも注目です。ガラスで仕切られた、内風呂と露天風呂を合わせた長さは約15m。横に細長く、内外どちらでも湯船に浸かれば自然と雄大な海を望むようになっています。
今回のリニューアルで18の和洋室が誕生。お休みはベッドで、くつろぐのは和室で、と和洋のいいとこどりした客室で旅の疲れも癒されます。宿泊の間ずっと絶景が楽しめる、海側の客室が特におすすめです。
朝・夕の食事は新しくなった「瀬戸内ダイニング」で。瀬戸内海で獲れた旬魚のお造りや握り寿司、牛ステーキ、旬の椀物など、地産地消の食材をふんだんに使ったメニューがビュッフェで提供され、海を眺めながら味わうことができます。
■休暇村 讃岐五色台(きゅうかむら さぬきごしきだい)
住所:香川県坂出市大屋冨町3042
TEL:0877-47-0231
時間:チェックイン15時、アウト10時
料金:1泊2食1万4500円~ ※2人で宿泊した場合
定休日:無休
アクセス:JR高松駅から車で30分、またはJR坂出駅から車で40分
※JR高松駅、鬼無駅から各1日1便、無料の送迎バスあり(予約制)