赤かぼちゃ

草間彌生「赤かぼちゃ」2006年 直島・宮浦港緑地

ついに開幕! 「瀬戸内国際芸術祭2025」を含むアートを1泊2日で大満喫

アート 芸術 芸術祭 モデルコース 香川県
るるぶ公式Twitter るるぶ公式Facebook るるぶ公式LINE はてなブックマーク Pocket

瀬戸内海の島々と沿岸部を舞台に、3年に一度開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」。2010年から始まり、今や世界中から約100万人が訪れるビッグイベントとなりました。春夏秋の3シーズンにわかれ、春会期の開催は2025年4月18日(金)~5月25日(日)。新しい会場として春会期に注目が集まる瀬居島(せいじま)と、瀬戸内アートを牽引してきた大定番の直島をめぐり、素敵なリニューアルで話題の「休暇村 讃岐五色台」に泊まる1泊2日の旅をご案内します。

Summary

【2日目】島アートの発祥・直島で
世界的に名の知れた作品を鑑賞

休暇村 讃岐五色台

2日目の朝は「休暇村 讃岐五色台」のビュッフェでスタート。これを目当てで泊まりに来るという人もいるほど人気の高いクロワッサン生地のワッフルや、香川では欠かせないさぬきうどん、海鮮丼など目移りしそうなほど充実しています。

レンタカー、またはタクシーで37分の高松港からフェリーで50分 
⇓ 

9:10

【赤かぼちゃ】直島の玄関口・宮浦港で島に溶け込む真っ赤なかぼちゃとご対面

赤かぼちゃ
草間彌生「赤かぼちゃ」2006年 直島・宮浦港緑地

高松港へ移動したら、フェリーで直島へ向かいます。直島・宮浦港に近づくと、水玉の大きな「赤かぼちゃ」が目に入ってきます。草間彌生の代表作で、本人いわく「太陽の『赤い光』を宇宙の果てまで探してきて、それは直島の海の中で赤カボチャに変身してしまった」と詩の一部で語っています。ぜひ中に入って、一部の穴があいている丸窓から、島風景をのぞいてみてください。

■赤かぼちゃ(あかかぼちゃ)
住所:香川県香川郡直島町宮浦 宮浦港フェリーターミナル
TEL:087-892-2299(直島町観光協会)
時間・鑑賞料:見学自由
アクセス:宮浦港からすぐ

直島の島内は駐車場が少ないので、レンタサイクルかバスで移動しましょう。芸術祭会期中は、主要観光施設のみに停車する、芸術祭特急バスがおすすめです。アクセスの詳細は公式WEBサイトをチェックしてください。

レンタサイクルで6分 
⇓ 

10:00

【家プロジェクト】空き家などを利用した大定番のアートをめぐる

家プロジェクト
家プロジェクト「角屋」 写真:鈴木研一

直島の西側にある宮浦港から東側の本村地区へ移動したら、直島を代表するアート作品の一つ「家プロジェクト」へ。1998年の「角屋」から始まったアートプロジェクトで、本村地区に7つの作品が点在。古い家屋を生かしてまるごと作品化したもので、アートと建築、地域のコラボレーションで「場」の新たな力を生み出しています。

家プロジェクト
家プロジェクト「角屋」 宮島達男"Sea of Time ’98" 写真:鈴木研一

築約200年前の家屋を改修した「角屋」の中には3つの作品があります。その一つ「Sea of Time '98」では日本家屋の中に設けられた水盤に、125個のLED製デジタルカウンターを設置。5歳から95歳までの島民125名が1から9までを刻む速さを自由に設定、現代アートが地域に溶け込む契機となった作品です。

家プロジェクト
家プロジェクト「護王神社」 杉本博司"Appropriate Proportion" 写真:杉本博司

「護王神社」は、江戸時代から祀られている神社の改装に合わせ、杉本博司が設計。本殿と地下の石室をガラスの階段がつないでいます。「神が宿るのはそぎ落とされた隙のない空間でなくてはならない」という作者の意図が伝わってきます。

■家プロジェクト(いえぷろじぇくと)
住所:香川県香川郡直島町本村地区
TEL:087-892-3223(ベネッセハウス)
開館時間:角屋10~12時、13時~16時30分/護王神社10~13時、14時~16時30分/南寺10時~16時30分(最終受付16時5分)
※詳細は開館カレンダーを要確認
鑑賞料:共通チケット(「南寺」「きんざ」除く5軒を鑑賞)オンライン1200円/窓口1400円 ※15歳以下は無料
ワンサイトチケット(「南寺」「きんざ」除く1軒を鑑賞)オンライン600円/窓口 700円 ※15歳以下は無料
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
アクセス:バス停農協前から徒歩5~10分
※記載以外の家プロジェクトの鑑賞料、開館時間は公式WEBサイトで要確認
※瀬戸内国際芸術祭 作品鑑賞パスポート対象施設(「南寺」「きんざ」以外)

レンタサイクルで6分 
⇓ 

12:00

【EAT LOCAL 直島食堂】海辺の食事処で海鮮丼に舌鼓

EAT LOCAL 直島食堂
「市場直送!獲れたて日替わり海鮮丼」1700円

ランチは、次の「ベネッセハウス ミュージアム」へ向かう途中にある「直島食堂」へ。宿泊施設「直島町ふるさと海の家 つつじ荘」内にあり、地産地消の食材を使ったメニューが評判です。海鮮丼やシラス丼、岡山産ブランド鶏のから揚げ、旬の野菜を使ったカレーの4種類が味わえます。

■EAT LOCAL 直島食堂(いーと ろーかる なおしましょくどう)
住所:香川県香川郡直島町352-1
TEL:087-892-2838
営業時間:11時~14時30分LO
定休日:つつじ荘の休館日に準ずる
アクセス:バス停つつじ荘からすぐ

直島

バス停つつじ荘の近くにある東ゲートから西側は、ベネッセアートサイト直島の私有地で、そこから先はシャトルバス(無料)か、徒歩で向かいます。「直島食堂」から穏やかな美しい湾を眺めながら歩いてみましょう。

徒歩で12分 
⇓ 

13:00

【杉本博司ギャラリー 時の回廊】で多岐にわたる作品を鑑賞

杉本博司ギャラリー 時の回廊(
杉本博司"光の棺" 写真:杉本博司

ホテル「ベネッセハウス パーク」内にある「杉本博司ギャラリー 時の回廊」へ。世界のアートシーンにおいて多岐にわたる活動を見せる杉本博司の写真や彫刻、デザイン、建築などを幅広く展示しています。特に9.11テロ事件の犠牲者を弔う鎮魂の場として設けられた展示空間は必見です。

■杉本博司ギャラリー 時の回廊(すぎもとひろしぎゃらりー ときのかいろう)
住所:香川県香川郡直島町琴地 ベネッセハウス パーク
TEL:087-892-3223(ベネッセハウス)
開館時間:11~15時(最終入館14時)
鑑賞料:1500円 ※15歳以下、ベネッセハウスの宿泊者は無料
定休日:無休、メンテナンス休館あり
アクセス:バス停杉本博司ギャラリーからすぐ

徒歩で8分
⇓ 

14:00

【ベネッセハウス ミュージアム】で屋内外のアートを鑑賞

南瓜
「南瓜」草間彌生 2022年 ©YAYOI KUSAMA 撮影:山本糾

「ベネッセハウス パーク」から海へ向かって降りると、海にせり出した細い桟橋の先に草間彌生の屋外作品「南瓜(かぼちゃ)」が見えてきます。黄色いカボチャを表した、直島のシンボル的な作品。従来の「南瓜」とは異なり、海や緑に囲まれた場所の特徴を強く意識して作られ、サイズも最大級なのだそう。

ベネッセハウス ミュージアム
ベネッセハウス ミュージアム

「南瓜」から西へ徒歩14分、美術館とホテルが一体となった「ベネッセハウス ミュージアム」へ向かいます。安藤忠雄氏が設計した建物に、絵画や彫刻、写真、インスタレーションなどの所蔵作品に加え、アーティストたちがその場所のために制作したサイト・スペシフィック・ワークも館内や屋外に展示されています。

■ベネッセハウス ミュージアム(べねっせはうす みゅーじあむ)
住所:香川県香川郡直島町琴弾地
TEL:087-892-3223
開館時間:8~21時(最終入館20時)
料金:鑑賞料 オンライン購入1300円/窓口1500円
※15歳以下とベネッセハウスに宿泊の人は無料
定休日:無休、メンテナンス休館あり
アクセス:バス停ベネッセハウスミュージアム下からすぐ

徒歩で10分 
⇓ 

15:00

【ヴァレーギャラリー】自然とアート、建築…三位一体の空間を味わう

ヴァレーギャラリー
ナルシスの庭 写真:山本糾

「ベネッセハウスミュージアム」から坂を上り、「ヴァレーギャラリー」へ。山の谷間に、ほこらをメージした安藤忠雄の建築と、大量のミラーボールを屋内外に敷き詰めた草間彌生のアート作品、産業廃棄物を素材に直島に残る仏像をモチーフにした小沢 剛の作品の三つが融合。光や風などの自然エネルギーを感じながら、自我や直島の歴史、根源的な祈りなどに意識を促します。

■ヴァレーギャラリー(ゔぁれーぎゃらりー)
住所:香川県香川郡直島町京ノ山
TEL:087-892-3223(ベネッセハウス)
開館時間:9時30分~16時(最終入館15時30分)
定休日:無休、メンテナンス休館あり
アクセス:バス停李禹煥美術館・ ヴァレーギャラリー前からすぐ

徒歩で2分 
⇓ 

15:30

【李禹煥美術館】そぎ落とされた静謐(せいひつ)な作品を空間ごと味わう

李禹煥美術館
李禹煥美術館 写真:山本糾

「ヴァレーギャラリー」の近くにあり、合わせてめぐりたいのが、1970年前後の日本の現代アート運動「もの派」の中心的アーティト・李禹煥の初の個人美術館。リズミカルな筆のストロークの平面作品や、つくることを抑制した自然石と鉄板の彫刻作品などが、自然地形と一体化した安藤忠雄の建築と融合し、空間の豊かな余白を感じさせてくれます。

■李禹煥美術館(りうーふぁんびじゅつかん)
住所:香川県香川郡直島町倉浦1390
TEL:087-892-3754(福武財団)
開館時間:10~17時(最終入館16時30分)
鑑賞料:オンライン1200円、窓口1400円 ※15歳以下は無料
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
アクセス:バス停李禹煥美術館・ ヴァレーギャラリー前からすぐ

帰りは「ベネッセアートサイト直島場内シャトルバス」に乗って、「ベネッセアートサイト直島」の東ゲートへ。宮浦港から東ゲートまでレンタサイクルで移動して来た人は レンタサイクルで、町営バスを利用した人は同じバスで宮浦港へと向かいます。

四国フェリー

直島の宮浦港から高松港へ、フェリーで戻ります。高松港からは徒歩7分で、JR高松駅に到着です。

「瀬戸大橋エリア」の身近に感じる作品から、直島の世界的に知られる作品まで、1泊2日でさまざまなアートを存分に堪能した1泊2日。海の美しさや島特有の牧歌的な空気、島民の暮らしや文化にもふれられます。豊かな時間が流れるアートな島旅を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。

※「瀬戸内国際芸術祭2025」の鑑賞は、無料配信の公式アプリを使うと便利です。作品鑑賞パスポートが購入できるほか、島・会場に関する混雑や緊急の情報を得ることができます。

※芸術祭会期中の直島の移動は、主要観光施設のみに停車する、芸術祭特急バスがおすすめです。詳しくは「瀬戸内芸術祭2025」の公式WEBサイトをチェックしてください。

※直島の島内は駐車場が少ないので、レンタサイクルかバスで移動しましょう。

※杉本博司ギャラリー 時の回廊・ベネッセハウスミュージアム・ヴァレーギャラリー・李禹煥美術館のアクセスに記載したバス停は、ベネッセアートサイト直島 場内無料シャトルバスのもの。(宮浦港・直島港<本村>から行く場合、直島町営バスのバス停・つつじ荘でベネッセアートサイト直島 場内無料シャトルバスに乗り換えが必要)。

※移動時間は目安です。日によっては定員オーバーでフェリーや旅客船、バスに乗れない場合もありますので、時間に余裕をもっておでかけください。


Photo:大﨑俊典
Text:こばやしみもざ

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

るるぶ公式Twitter るるぶ公式Facebook るるぶ公式LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

この記事に関連するタグ

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください