橋野鉄鉱山

キラキラ輝く海&山を巡る! 鉄のまち・釜石の“時をかけるレトロ旅”【エモい!×産業遺産】

岩手県 世界遺産 モデルコース 体験 博物館 カフェ
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世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を構成するエリアのなかで最北に位置する、岩手県釜石市。古くから”鉄のまち”として知られるこの場所には、江戸から明治にかけての鉄にまつわる遺跡・史跡だけでなくアンティークな事務所や恋人の聖地があり、“レトロでエモい”をテーマにした旅にぴったりの場所です。ヴィンテージグッズが大好きなインフルエンサーのYURIEさんと、釜石の鉄の歴史をたどりながら“レトロでエモい”を探す旅にでかけましょう♪

Summary
※★印は世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産となります。

START【釜石駅】

車で約25分

鉱山での仕事や暮らしを学べるレトロスポット「釜石鉱山展示室Teson(旧釜石鉱山事務所)」

釜石鉱山展示室Teson 外観

国の登録有形文化財に登録されている「旧釜石鉱山事務所(きゅうかまいしこうざんじむしょ)」は、昭和26年(1951)に日鉄鉱業株式会社が建築した総合事務所。ここ釜石市甲子(かっし)は江戸中期に鉱山が発見され、安政4年(1857)に近代製鉄の父・大島高任(おおしまたかとう)が日本で最初の洋式高炉「大橋高炉」を築造した場所として日本の近代製鉄の歴史において重要な場所です。

明治8年(1875)の「大橋高炉」の廃炉後に官営の製鉄所(のちに民営化)が操業を開始してからは、鉄鉱石や銅鉱石などの採掘が主となり日本有数の鉱山として賑わい、多くの人がこの地で暮らしたそうです。

釜石鉱山展示室Teson 内観

「旧釜石鉱山事務所」は2008年でその役目を終えましたが、現在は「釜石鉱山展示室Teson(かまいしこうざんてんじしつてっさん)」となり、内部を見学することができます。

1階では昭和30年代の事務所の様子を再現。木製のデスクやイス、本棚や電話機、計算機などが展示されていて、時代をタイムスリップしたような懐かしい空間になっています。2階は釜石鉱山で採取された鉱石や分析道具、歴史資料などの展示室のほか、病院施設や電話交換室などもあり、この事務所が鉱山で中心的な施設だったことがよくわかります。

釜石鉱山展示室Teson
YURIEさん’s comment
釜石で訪れた施設のなかでいちばんレトロかわいい場所。現代の事務所となるとプラスチックの素材が多いけれど、テーブルや棚などが木製で、大量生産ではなくひとつずつ作られているのがかわいいと思いました。こういう事務所で働きたいな。手巻きの振り子時計や昔の掛け算の電卓など初めて見るものも多かったし、レトログッズ好きはぜひ来てみてください。


■釜石鉱山展示室Teson(かまいしこうざんてんじしつてっさん)
住所:岩手県釜石市甲子町第1地割90-2
TEL:0193-55-5521(釜石鉱山展示室Teson)、0193-27-7577(釜石市世界遺産室)
営業時間:9時30分~16時30分(入館は~16時)
定休日:火・水曜、12月9日~3月31日
料金:一般300円、小・中学生100円


車で約30分

目利きが選んだ鮮魚を地中海料理で味わう「HAMAYUI」

魚河岸テラス

釜石漁港に臨む「魚河岸テラス」は、湾を一望するテラスに飲食店やイベントスペースを備えた“魚のまち釜石”の新名所。2階にある「HAMAYUI(はまゆい)」は海の幸を使った地中海料理が味わえるお店です。

もともと鮮魚店を営んでいた三塚さんご一家が、震災後に「みんなが集える場所になるように」とカフェ&レストランをオープンされたそう。その思いが人々をやさしく迎え入れるように、地元の方だけでなく世界中から訪れる観光客やビジネスマン、釜石を拠点とするラグビーチームの選手などから親しまれています。

「魚介のパエリア」1430円
「魚介のパエリア」1430円

魚料理に食べ慣れた地元の方には肉料理も人気ですが、やっぱり「HAMAYUI」で味わって欲しいのはシーフードメニュー。なかでもおすすめは「魚介のパエリア」です。上に載せる魚介は朝、漁港で仕入れたばかりの鮮魚を使うため、その日によって変わるそうで、元鮮魚店の店主に選ばれた魚介の質のよさがこのパエリアのおいしさの決め手になっています。

1人前ごとに専用のお皿で炊くため、エビだけで取った濃厚なスープが染みたサフランライスにいい具合に火が通っていて、食感も最高です。

「魚河岸テラス」ソファー席
YURIEさん’s comment
普段、漁港の近くを旅すると、海鮮丼や刺身定食を食べちゃうから、洋風の漁港のご飯というのが新鮮でした。さらにパエリアといえば、具はエビとムール貝と決まってることが多いのに、このお店はその時々の旬の魚介を使っているのもうれしい驚き。具材ももちろんだけど、エビのダシをしっかり吸ったお米がおいしくてサイコー! ほかのメニューも食べてみたいな。


■HAMAYUI(はまゆい)
住所:岩手県釜石市魚河岸3-3 魚河岸テラス2F
TEL:0193-55-6616
営業時間:11時30分~14時LO、17時30分~20時LO
定休日:月曜(祝日の場合は営業)、土曜の夜


車で約7分

鉄のまち・釜石でこそ学びたい鉄についての歴史「釜石市立鉄の歴史館」

釜石市立鉄の歴史館

「釜石市立鉄の歴史館(かまいししりつてつのれきしかん)」は、近代製鉄発祥の地である鉄のまち・釜石ならではの鉄に関する博物館。鉄づくりの始まりから、産業革命、そして今日にいたるまでの鉄にまつわる歴史を紐解く施設です。動物やラグビーボール型の鉄製キーホルダーを作る「金属鋳造体験」700円もできます。

シアター

釜石鉄道で鉱石の運搬用に使われていたC20型のSLなど、貴重な資料の展示が多数ありますが、一番のみどころは世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成遺産のひとつ「橋野鉄鉱山」の三番高炉を原寸大で再現したシアター。

今は石組みだけが残る「橋野鉄鉱山」の三番高炉がこうなっていたのかと、その構造がよくわかるととともに、近代製鉄の父・大島高任についてや、鉄鉱石からどのように鉄が作られるのかなどについてもマルチスクリーンでわかりやすく説明してくれます。

SL
YURIEさん’s comment
このあとに訪れる世界遺産のひとつ「橋野鉄鉱山」のためにも、必ず訪れておくべき施設です。普段身近にある素材なのに、その作られ方については知る機会の少なかった鉄についてよく学べたのと、「橋野鉄鉱山」の遺跡に行った時に、こんな高炉があったんだとか、水路があることの意味などもよくわかりました。この歴史館の屋上から見る釜石湾の景色も絶景です!


■釜石市立鉄の歴史館(かまいししりつてつのれきしかん)
住所:岩手県釜石市大平町3-12-7
TEL:0193-24-2211
営業時間:9~17時(入館は~16時)
定休日:火曜、12月29日~1月3日
料金:一般500円、高校生300円、小・中学生150円


車で約4分

貨物船が行き交う釜石湾の絶景を観音様から眺める「釜石大観音」

晴れた日の「釜石大観音」©釜石大観音
晴れた日の「釜石大観音」©釜石大観音

鎌崎半島の先端に立つ「釜石大観音(かまいしだいかんのん)」は、鎮魂と心願成就を祈って昭和45年(1970)に建立された高さ48.5mの魚籃観音像です。魚籃観音は三十三観音のひとつで、その手には魚を抱いています。大観音像の内部には三十三観音や七福神がまつられており、魚を抱く胸元のあたりまで階段で上ると釜石湾が一望できます。

また、この高台から臨む景色がプロポーズに相応しいロマンチックなスポットとして、2016年には、「恋人の聖地」にも選定されています。

賽銭箱
YURIEさん’s comment
観音様の上部から眺める景色が素晴らしいから絶対に上るべき。リアス海岸の釜石湾を一望できました。たくさんの貨物船が行き来している風景はあまり見たことがなくて、あの貨物船には鉄が積まれているのかなって想像が膨らんだし、港町らしい景色が印象的でした。観音様の内部に安置されている木彫りの七福神と三十三観音が素朴な作りでかわいかったですよ。


■釜石大観音(かまいしだいかんのん)
住所:岩手県釜石市大平町3-9-1
TEL:0193-24-2125
営業時間:9~17時(最終入館は~16時30分)
定休日:無休
料金:大人500円、中・高校生300円、小学生100円


「鵜の郷交流館」で釜石の地酒やグルメのおみやげ探し

鵜の郷交流館

三陸鉄道リアス線鵜住居(うのすまい)駅前、ここは鉄鋼業で賑わう釜石市街地で働く人々の住宅地としてひらけた町。この町も2011年3月11日の東日本大震災で大津波の被害に見舞われました。現在、この場所は「うのすまい・トモス」として「釜石祈りのパーク」や「いのちをつなぐ未来館」など、震災の出来事や教訓を後世に伝え、防災の重要さを学べる施設であるとともに、地域の人々と訪問者が交流するスポットになっています。

観光交流の拠点となっている「鵜の郷交流館(うのさとこうりゅうかん)」のなかにある「野村商店(のむらしょうてん)」も、被災にあった地元のお店。現在の場所から300mほど離れた国道沿いにあったお店が、津波の後、押し流されて駅舎の2階の上に漂流したというエピソードを聞くと、津波の及ぼした被害の凄惨さに心が痛みます。ですが、店主の野村周司さんは「この地で商売を続けたい」と、この施設内での営業を続けているそうです。

左より「富士醤油 しょうゆ揚げせんべい」●●●円、「浜千鳥 本醸造 KAMAISHIカップ」180ml300円、「富士醤油 卓上瓶」268円
左より「富士醤油 しょうゆ揚げせんべい」832円、「浜千鳥 本醸造 KAMAISHIカップ」180ml 300円、「富士醤油 卓上瓶」268円

もともとはギフトの店だったという「野村商店」だけに商品には贈答品も並ぶなか、駅前の観光交流拠点らしく地元のお菓子や食品などのおみやげも揃っています。

なかでも、地元釜石の地酒「浜千鳥」をメインにした陸中海岸の地酒の種類の豊富さが目を引きます。ワンカップの「浜千鳥 本醸造 KAMAISHIカップ」は持ち運びしやすいサイズでおみやげにピッタリです。明治35年(1902)創業の醸造所「藤勇醸造」の「富士醤油 卓上瓶」はレトロな瓶に渋いロゴデザインで、YURIEさんのお気に入りです。

ラグビーボールのオブジェ
YURIEさん’s comment
野村さんのお話を聞いて、被災した町で新しいことにチャレンジしている姿がすごく前向きで見習いたいと感じました。みんな知っておくべきお話しなので、せっかく釜石まで足を運んだら訪れて欲しい場所です。この写真のカラフルで大きなラグビーボールの後ろに見えるのが「釜石鵜住居復興スタジアム」ですよ。おみやげとしては、私はお酒好きなので、地酒のラインナップが豊富なところと、レトロなパッケージがかわいい地元のお醤油がおすすめです。


■鵜の郷交流館(うのさとこうりゅうかん)
住所:岩手県釜石市鵜住居町4-900
TEL:0193-27-5666 (うのすまい・トモス事務局)、0193-28-3351(野村商店)
営業時間:9~18時
定休日:水曜


車で約30分

想像力を掻き立てる日本最古の製鉄所遺跡「橋野鉄鉱山」

橋野鉄鉱山

世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を構成するエリアのひとつ、釜石を象徴するのが「橋野鉄鉱山(はしのてっこうざん)」です。現在「釜石鉱山展示室Teson」がある大橋の高炉が成功したあと、この場所に盛岡藩の仮高炉が建設され、それまでの「たたら製鉄」とは異なり連続して鉄を生産できる高炉によって鉄の大量生産を成功させた、日本製鉄業の先駆けとなる場所です。

鵜住居川の上流に位置し、すぐそばの石切場から花崗岩を切り出して安政5年(1858)に高炉が建てられました。高炉場の約3km上流で採石した鉄鉱石と周囲の木々で作られた木炭を高炉に投入して銑鉄(せんてつ)を作っていたそうで、明治元年(1868)頃には最盛期を迎え、約1000人以上の人が働いていたのだとか。

高炉

3つの高炉は現在も石組みが残っており、南から一番、二番、三番高炉と名が付いています。三番は大島高任が建設した仮高炉がのちに改修されたものです。どの高炉も巨大な花崗岩が整然と並べられ、その姿は城や要塞を思わせる重厚さがあります。

今は川の流れる音だけが響く静かな場所ですが、なだらかな丘陵地に残る高炉の石組みや石垣、神社の鳥居などが当時の人々の賑わいを想像させます。懐かしい時代をテーマにしたアニメのような世界観もあって、歴史的ロマンを感じさせてくれる場所です。

大きな木
YURIEさん’s comment
野原にポツンと石の構造があると思ってたけど、意外と立体的に遺跡が広がっていてストーリーが感じられました。立派な木の前には鳥居や神社があって、自然に感謝しながらここで営みがあったという人々の様子がイメージしやすいし、それがこの遺跡の面白みだと思います。「橋野鉄鉱山インフォメーションセンター」のガイドさんのお話を聞くと石の見え方がまったく変わるので、ぜひガイドさんのお話を聞いてくださいね。


■橋野鉄鉱山(はしのてっこうざん)
住所:岩手県釜石市橋野町2-6
TEL:0193-54-5250(橋野鉄鉱山インフォメーションセンター)、0193-27-7577(釜石市世界遺産室)
営業時間:9時30分~16時30分
定休日:橋野鉄鉱山インフォメーションセンターは冬期休館あり(12月9日~3月31日)
料金:見学無料(ガイド料500円)


車で約40分

GOAL【釜石駅】

【東京都】入館無料! 産業遺産を旅するなら、まずは「産業遺産情報センター」へ

産業遺産情報センター

産業遺産に興味が出てきた、行ってみたいと思ったら、都営大江戸線若松河田駅から徒歩約5分にある、入館無料の「産業遺産情報センター」で情報収集するのがおすすめです。

「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の23の構成資産が、ここ1カ所で分かり、たくさんの写真パネルや映像、クイズコーナーなどで楽しく学べます。旅の計画や現地でも大活躍する、アクセスガイドマップも入手できますよ。

「産業遺産情報センター」は公式サイトから日時指定の予約制(2026 年2月24日現在)。1日最大5枠ある時間帯と、ガイド付きorガイドなしを選んで予約してみて。

■産業遺産情報センター
(さんぎょういさんじょうほうせんたー)

住所:東京都新宿区若松町19-1 総務省第二庁舎別館
TEL:0120-973-310
営業時間:10~17時(最終入館は16時30分)
定休日:土・日曜、祝日
料金:入館無料
※公式サイトから要予約


Photo:YURIE
Text:山下あつこ(アトリエshiRo)

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


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