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三池炭鉱 万田坑

どっぷり明治〜昭和レトロに浸る! 三池炭鉱の歴史が残る大牟田市・荒尾市の“時をかけるレトロ旅”【エモい!×産業遺産】

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明治からはじまり、昭和に最盛期を迎えた日本の石炭産業。福岡県大牟田市と熊本県荒尾市にまたがるこのエリアは三池炭鉱により大いに賑わい、日本の産業革命を支えた重要な場所です。世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」に登録されている赤レンガの「宮原坑」や「万田坑」は、この地でのストーリーを伝えるレトロな建造物がフォトジェニック。地元で愛される満腹グルメや、路面電車を利用したカフェなど、レトロかわいいスポットがいっぱいです。フォトグラファーのもろんのんさんが、そんな三池エリアの魅力をたっぷりカメラに収めてくれました。

Summary
※★印は世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産となります。

START【大牟田駅】

車で約6分

再現された坑道は迫力満点! 炭鉱で栄えた三池を学べる「大牟田市石炭産業科学館」

大牟田市石炭産業会館

かつて国内最大規模の産出量を誇る三池炭鉱があり、石炭のまちとして賑わった福岡県大牟田市。「大牟田市石炭産業科学館(おおむたしせきたんさんぎょうかがくかん)」は、日本近代化の原動力となった三池炭鉱をはじめ、地球資源の石炭などを紹介する博物館です。まずはここで三池炭鉱について学んでおきましょう。

館内

三池炭鉱で採掘された石炭は国内での消費だけでなく、港から海外へも船で直接輸出されていたそう。常設展示室には、石炭産業のあゆみや歴史を紹介する映像や模型、実際に坑道で使われていた道具などが展示されています。

なかでも掘削や採掘、運搬などに使われた大型機械を展示した「ダイナミックトンネル」は必見。まるで地下深くの坑道内を探検しているかのようなリアルさで、なかなか目にすることができない採掘の様子を肌で感じることができます。

館内
もろんのんさん’s comment
三池炭鉱エリアを巡るスタート地点はここで決まり! 炭鉱の仕組みがまるわかりです。目玉の「ダイナミックトンネル」は、まるで地下400mの採掘現場を目にしたかのようでアトラクションのように没入感がすごいです! 巨大なカッターなどの重機も展示されていて、採掘現場の熱気が伝わってきます。


■大牟田市石炭産業科学館
(おおむたしせきたんさんぎょうかがくかん)

住所:福岡県大牟田市岬町6-23
TEL:0944-53-2377
営業時間:9時30分~17時
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)
料金:入館料 大人420円、小人210円


車で約15分

住宅街にそびえるやぐらと、レンガ建ての機械室が歴史を物語る「三池炭鉱 宮原坑」

三池炭鉱 宮原坑

炭鉱の坑道は、石炭を採掘しながら掘り進めていくため、採掘が進むごとに、石炭の運搬や通気、排水、人員の出入りなどを行うための「坑口」が地表につくられます。そのうちのひとつが「三池炭鉱 宮原坑(みいけたんこう みやのはらこう)」で、第一竪坑完成の明治31年(1898)から昭和6年(1931)まで出炭していました。宮原坑の坑道は地下160mほどにあります。

第二竪坑

かつて宮原坑には二つの穴=竪坑がありましたが、現在残っているのは明治34年(1901)に完成した第二竪坑のみ。第一竪坑はここから10mほどのところにあったそうです。

第二竪坑は、人員昇降と地下に湧き出る水を汲み上げるのが主な目的で、イギリスから取り寄せた最新鋭の排水ポンプが備えられていたんだとか。今もレンガ造りの巻揚機室内には2基の巻揚機や、高さ約22mのやぐらには坑道内に降りる際に炭坑夫が乗ったケージが残り、かつての姿がそのままに残っています。

三池炭鉱専用鉄道敷跡

第二竪坑のすぐそばに並ぶ枕木は、「三池炭鉱専用鉄道敷跡(みいけたんこうせんようてつどうじきあと)」です。採炭した石炭などを運搬するための鉄道が各坑口を結び、積み出し港の「三池港」まで走っていました。

明治11年(1878)の開始当時は馬が動力の鉄道が走っていて、その後、蒸気機関車、電気機関車へと動力は変わっていったそう。平成9年(1997)の三池炭鉱の閉山とともに炭鉱に関する路線は廃止となりましたが、まちの景色の一部となり、三池炭鉱の歴史を現在に伝えています。

もろんのんさん’s comment
世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のひとつです。赤いレンガ造りの巻揚機室にある、太いワイヤーロープは必見。これで地下までケージを吊り下げていたと思うとすごいですよね。世界遺産ではないですが、2020年まで現役だった炭鉱専用鉄道の跡地もありますよ。


■三池炭鉱 宮原坑(みいけたんこう みやのはらこう)
住所:福岡県大牟田市宮原町1-86-3
TEL:0944-41-2750(大牟田市観光おもてなし課)
営業時間:9時30分~17時(最終入場は16時30分)
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)
入場料:無料 ※無料のガイドあり


車で約10分

ピリ辛ソースの巨大なお好み焼きをシェアして食べる地元の味「高専ダゴ 旭町店」

「高専ダゴ」外観

三池エリアの名物として定着している巨大なお好み焼き「高専ダゴ(こうせんだご)」。昭和38年(1963)、荒尾市で「新みつや食堂」を営んでいたおばあさんが、近くにある有明高専の学生がお腹いっぱい食べられるように考案したというメニューで、その豪快さと、食べやすさ、特製ソースの味つけが、幅広い世代に親しまれるソウルフードです。

このエリア一帯に創業地の荒尾店を含めて4店舗あり、今回は「高専ダゴ 旭町店(こうせんだご あさひまちてん)」でランチです。

「高専ダコ スペシャル」2160円
「高専ダゴ スペシャル」2160円

「高専ダゴ スペシャル」は、粉と卵、キャベツ、豚肉、イカゲソ、ラーメンの細麺を混ぜた総量約3kgの生地を、鉄板いっぱいに広げて焼きます。みどころは、縦30㎝×横50㎝ほどのお好み焼きを、お店の方が慣れた手つきでひっくり返すところ! 焼き上がったらヘラで好きな大きさに切って皿に取り、初代のおばあさんが考案した辛口ソースをたっぷりかけていただきます。

食事の様子

ソースは辛口のほか、辛味を控えた甘口と、刺激たっぷりの激辛もあり、ソースの味によってまた違った味が楽しめます。表面がパリッと、中はふんわり、よく焼けた麺のカリッとした食感や豚肉やイカゲソがところどころ出てきて、ひと口、もうひと口と箸が進みます。

もろんのんさん’s comment
名物の「高専ダゴ スペシャル」は、なんと3人前相当の特大サイズ。表面はパリッと、中は薄い生地でスナック感覚で食べられちゃうお好み焼きです。宝探しみたいにお肉やイカの具材を探しながら、甘口から激辛までソースで味変するのが楽しい! 友だちとシェアして盛り上がるのが正解です。


■高専ダゴ 旭町店(こうせんだご あさひまちてん)
住所:福岡県大牟田市旭町2-2-3
TEL:0944-56-5420
営業時間:11~20時
定休日:火曜


車で約10分

まるで神秘の地下要塞。「三池炭鉱 万田坑」でかつての賑わいを想像する

三池炭鉱 万田坑

宮原坑から南へ約1.5km、熊本県荒尾市にある「三池炭鉱 万田坑」は、明治35年(1902)に開坑した国内最大規模の竪坑です。平成9年(1997)の三池炭鉱閉山まで、管理坑として使用されていたため、多くの構造物が残っています。

シンボルとしてそびえる第二竪坑のヤグラとレンガ造りの巻揚機室以外にも、倉庫や事務所といった作業場のほか、浴室や山ノ神祭壇などがあり、炭坑夫がここで送った日々が目に浮かぶようです。

三池炭鉱 万田坑

そんな施設内でひときわ印象的なのが、ヤグラの真下に位置するかつてのゲージ(エレベーター)の昇降口。コンクリートで覆われた地下のような空間に天井からの光が差し込み、特別な場所にたどり着いたかのような神秘的な雰囲気が漂っています。かつてはここから炭坑夫たちがゲージに乗って、地下約264mの坑道へと向かったそうです。

石炭を港に運ぶために使われた炭鉱電車の保存を行っているのも、万田坑のみどころのひとつ。通常は静態保存ですが、月に1回程度、実際に約20tの電気機関車が動く様子も見られます。敷地内は広く、みどころも多いので、無料のガイドツアー(45分)を利用しましょう。

もろんのんさん’s comment
当時の建物がそのまま残っていて、タイムスリップした気分。お風呂場の桶がゴム製なのは、労働者がケガしないようにするためだったとか。みどころが本当にたくさんあるのでゆっくり時間をかけて見てほしいおすすめスポットです!


■三池炭鉱 万田坑(みいけたんこう まんだこう)
住所:熊本県荒尾市原万田200-2
TEL:0968-57-9155(万田坑ステーション)
営業時間:9時30分~17時(有料区域の最終入場は16時30分)
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
入場料:大人410円、小中学生210円、未就学児無料


車で約15分

路面電車のレトロ感とコーヒーの香りに心安らぐ「ハラハーモニーコーヒー」

「ハラハーモニーコーヒー」外観

かつて大牟田市内を走っていた路面電車「204号」。大牟田駅西口駅前広場にはこの車両が展示されていて、「ハラハーモニーコーヒー」として営業しています。内装はカフェとして使いやすいようにリノベーションされているものの、運転席や吊り革、ロングシートはそのままで路面電車らしい雰囲気を残しています。

店内

地元で50年以上続いていた「コーヒーサロン ハラ」のコーヒー豆と、そのカフェのオーナーが行なっていた大牟田への日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会誘致を引き継いでいるのが、カフェの名前「ハラハーモニーコーヒー」の由来だそうです。

「コーヒーサロン ハラ」の娘さんが焙煎しているという豆は、当時の店で使っていたブレンドやシングルオリジンなど3~4種類あり、ホットはもちろん、アイスコーヒーもオーダーが入ってから一杯ずついれてくれるので、香りが違います。

「アイスコーヒー ストロングブレンド」450円、「フルーツサンド いちご」600円
「アイスコーヒー ストロングブレンド」450円、「フルーツサンド いちご」600円

生クリームに特化した大牟田の乳製品メーカー「オーム乳業」の生クリームと食べ頃のフルーツを特製パンで挟んだフルーツサンドは、コクがありながら口溶けのよい生クリームが果物のおいしさを際立たせます。

もろんのんさん’s comment
駅前の路面電車を改装したカフェがとにかくレトロでかわいい! 大牟田産の生クリームを使ったフルーツサンドは、ミルキーなのに後味スッキリでペロリといけちゃいます。テラス席のテーブルとベンチには廃校の床だった木材を再利用しているそうです。


■ハラハーモニーコーヒー
住所:福岡県大牟田市久保田町2-300 駅前広場 路面電車204号
TEL:0944-57-2042
営業時間:9~18時(サンドイッチの販売は11時~)
定休日:火曜


車で約10分

有明海の潮の満ち引きに対応した「三池港」はノスタルジーな夕焼けスポット

三池港

採掘した石炭を積み込んだ「三池港(みいけこう)」も世界遺産の構成資産のひとつとして登録されています。

「三池港」は明治41年(1908)に築かれました。構成資産として登録された大きな特長は、干満の差の大きい有明海で港の水位を8.5m以上に保つための閘門(こうもん)が設けられていること、海の砂が流れ込むのを防ぐため港の入り口に長い防砂堤が築かれていること。この仕組みによって、潮の満ち引きに関係なく石炭の積み込みが可能になりました。

夕焼け

西に面していて、日暮れ時は夕焼けに港湾施設のシルエットが映えてきれい。「三池港」を上空から見ると「ハチドリ」の形をしているユニークなデザインをしています。すでに閉山している三池炭鉱ですが、この港は現在も国際港として稼働中です。

もろんのんさん’s comment
今も現役で動いているカッコいい港。西陽から夕暮れ時は、水面がキラキラ光って美しいです。とくに、1月と11月の年に2回だけ、陽の光が防砂堤の間と閘門の中央を通って真っ直ぐに見える「光の航路」が有名で、一度は見てみたい絶景です。


■三池港(みいけこう)
住所:福岡県大牟田市新港町1
TEL:0944-41-2750(大牟田市観光おもてなし課)
営業時間:見学自由
定休日:見学自由


車で約10分

GOAL【大牟田駅】

もっとじっくり巡ろう! 熊本県の世界遺産

©️宇城市商工観光課
©宇城市商工観光課

今回、もろんのんさんが訪れた観光スポットのほかに、熊本県には、世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産がもうひとつあります。宇城市にある「三角西港(みすみにしこう)」は、西洋と日本の技術を融合して造られた港で、美しい石積みの埠頭をはじめ、石橋、排水路、古い建物などが残っています。ぜひあわせて訪れてみてくださいね。

\ 詳しくはこちらの記事を✓ /


【東京都】入館無料! 産業遺産を旅するなら、まずは「産業遺産情報センター」へ

産業遺産情報センター

産業遺産に興味が出てきた、行ってみたいと思ったら、都営大江戸線若松河田駅から徒歩約5分にある、入館無料の「産業遺産情報センター」で情報収集するのがおすすめです。

「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の23の構成資産が、ここ1カ所で分かり、たくさんの写真パネルや映像、クイズコーナーなどで楽しく学べます。旅の計画や現地でも大活躍する、アクセスガイドマップも入手できますよ。

「産業遺産情報センター」は公式サイトから日時指定の予約制(2026年2月19日現在)。1日最大5枠ある時間帯と、ガイド付きorガイドなしを選んで予約してみて。

■産業遺産情報センター(さんぎょういさんじょうほうせんたー)
住所:東京都新宿区若松町19-1 総務省第二庁舎別館
TEL:0120-973-310
営業時間:10~17時(最終入館は16時30分)
定休日:土・日曜、祝日
料金:入館無料
※公式サイトから要予約


Photo:もろんのん
Text:山下あつこ(アトリエshiRo)

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

Sponsored:一般財団法人産業遺産国民会議

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