日本唯一の現存反射炉×富士山の絶景! 世界遺産のコラボが叶う伊豆の国市“時をかけるレトロ旅”【エモい!×産業遺産】
世界遺産がダブルで撮影できる絶景スポットって? 注目は、世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」のひとつ「韮山反射炉」と、同じく世界遺産の「富士山」を一度に撮影できるスポット。静岡県伊豆の国市で、煙突と鉄骨トラスが印象的な産業遺産を堪能しつつ、絶景&ランチも楽しみます。旅好きアウトドアインフルエンサーのYURIEさんと一緒に、心揺さぶる産業遺産の旅にでかけましょう。
START【三島駅】
車で約30分
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★幕府直営の大砲鋳造所がここに! 実際に稼働し、唯一現存する「韮山反射炉」を体験

高さ約15.7m、連双2基の煙突が空に伸びる「韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)」。反射炉とは大砲などを作るために金属を溶かす溶解炉のこと。幕末、列強諸国に対抗するために軍事力を強化しようと、全国に11基の反射炉が作られました。「韮山反射炉」は現存する3基のうちで唯一、実際に稼働し、ほぼ当時のままの姿を残しているとても貴重な産業遺産です。

昔ここでは、溶解した鉄を鋳型に流し込み成形し、大砲の内部をくり抜き、仕上げをした後、試射まで行われていて、周囲一帯が大砲鋳造所でした。反射炉の脇にある湧水の池は、水車小屋や本錐台小屋があった辺り。近くを流れる古川の水力を利用した水車で大砲を回転させ、錐(きり)で弾丸をこめる筒部分をくり抜いていたのだそう。水車が回っていたのを想像しながら池を眺めると、ひと味違ってみえるかも?

併設の「韮山反射炉ガイダンスセンター」では、反射炉建造にいたる時代背景や稼働当時の様子、反射炉の構造などを詳しく学ぶことができます。上映時間8分のシアターでは、再現CGで大砲がどのように作られていたか迫力のある演出とともに紹介。理解を深めてから、ガイダンスセンターの隣にそびえたつ反射炉本体を体感するのがおすすめです。
■韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)
住所:静岡県伊豆の国市中260-1
TEL:055-948-1428(伊豆の国市教育委員会文化財課)
営業時間:3~9月は9~17時、10~2月は9時~16時30分
定休日:第3水曜(祝日の場合は翌日)
料金:観覧料 高校生以上500円、小・中学生50円
徒歩で約1分
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富士山×韮山反射炉のダブル世界遺産の絶景が見られる「蔵屋鳴沢 反射炉物産館たんなん」

「韮山反射炉」から古川に架かる橋を渡って、おみやげ&休憩スポット「蔵屋鳴沢 反射炉物産館たんなん(くらやなるさわ はんしゃろぶっさんかんたんなん)」へ。
敷地内の茶畑が広がる小高い丘を登ると展望デッキにたどり着きます。ここは遠景に富士山、目の前に茶畑、左手には反射炉が見えるビューポイント。富士山×反射炉のダブル世界遺産を一枚の写真に収めてみましょう。

茶畑の丘の中腹には「つるし飾り雛反射炉館」があり、500本以上のつるし飾り雛を展示(毎年12月中旬~4月上旬の期間限定オープン/2026年は4月5日(日)まで)。子どもの成長を願って、ひとつずつ手作りされたつるし飾りはころんとかわいらしくて、表情豊か。午年にちなんだ馬の置物もありました。
つるし飾りはもちろん、和布で作った小物やバッグは購入もできます。YURIEさんは一目見て気に入った、布製のチューリップをお買い上げ♪ 新聞紙をリメイクした手提げ袋に入れてもらい、お持ち帰りしました。
おみやげコーナーには敷地内の茶畑でとれたお茶や隣の醸造所で造るクラフトビールなど、豊富なおみやげが並び、無料でお茶の試飲もできます。クラフトビール「反射炉ビヤ」のご当地Tシャツもおしゃれ!
■蔵屋鳴沢 反射炉物産館たんなん
(くらやなるさわ はんしゃろぶっさんかんたんなん)
住所:静岡県伊豆の国市中272-1
TEL:055-949-1208
営業時間:9~17時
定休日:無休
車で約15分
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富士山と駿河湾を望む! 爽快絶景&窯焼きピッツァランチ「伊豆パノラマパーク」

お次は葛城山の山頂と山麓に広がる「伊豆パノラマパーク(いずぱのらまぱーく)」にやってきました。標高452mの山頂までは約7分のロープウェイでひとっとび。山肌に沿ってぐんぐんと上昇し、街並みが徐々に小さくなると、富士山と駿河湾が見えてきます。車窓を流れる景色に目を奪われていると、あっという間に山頂駅に到着です。

山頂エリアには絶景が楽しめる「碧テラス(あおてらす)」が広がっています。水盤に映る逆さ富士を撮影したり、ソファエリアや足湯でくつろいだり、楽しみ方はいろいろ。
写真の「アクアリング」は2025年7月に新設。オーバル型のデッキの周囲には水盤があり、360度のパノラマと不思議な浮遊感の中、裾野を広げる富士山、緩やかな曲線と美しいブルーの駿河湾、雲がゆったりと流れる青い空が体感できます。
山麓エリアに降りて、カジュアルな雰囲気で本格イタリアンが味わえる「トラットリア伊豆パラディーゾ(とらっとりあいずぱらでぃーぞ)」でランチにしましょう。
おすすめは生地から練り上げ、ピザ窯で焼き上げるピッツァで、人気NO.1は地元のしらすと桜海老を使った逸品。ふわ&もち食感の薄めのナポリ風生地、直径約30cmのボリューム感、3種のアンティパストとサラダもセットで、大満足!
■伊豆パノラマパーク(いずぱのらまぱーく)
住所:静岡県伊豆の国市長岡260-1
TEL:055-948-1525
営業時間:ロープウェイ夏季(2月16日~10月15日)9時~17時30分(上り最終17時)、冬季(10月16日~2月15日)9~17時(上り最終16時30分)、トラットリア伊豆パラディーゾ11~16時(15時LO)
定休日:無休(ロープウェイは強風・雷による運休の場合あり)
料金:施設利用料金(ロープウェイ往復乗車券を含む)中学生以上3500円、小学生1800円、3歳以上900円
車で約16分
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反射炉の生みの親・江川英龍が住んだ「江川邸」で、昔の人の知恵と建築美に感動

「韮山反射炉」築造の責任者は、蘭学に詳しく、幕府に海防政策を進言していた江川英龍(えがわひでたつ)という人物。ここ「江川邸(えがわてい)」は、伊豆や相模など幕府直轄地の行政官である韮山代官を代々務めた江川家のお屋敷です。国指定重要文化財で、銅板葺きの主屋を中心に、表門、書院、東蔵をはじめ5棟の蔵が建っています。

約50坪の広々とした主屋の土間から上を仰ぐと、柱と梁が複雑に組み合わさった「小屋組みづくり」が見られます。1600年頃に建てられたものですが、しなやかで揺れを逃がしやすいという木材の特性が生かされていて、地震が多い日本で400年以上も耐えてきたと考えると、ますます圧巻です。

江川英龍は日本で初めてパンを作った人ともいわれていて、土間の一角にはパン焼き窯が残されています。幕末の日本ではパン食は普及しておらず、戦争時に兵士が持ち歩き、長期保存ができる乾パンを目指して作っていたそうです。
展示では、韮山反射炉のプロジェクトリーダーであり、“パン祖”であり、“世直し江川大明神”とも称えられた江川英龍について詳しく知ることができます。ガイドさんが常駐しているので、ぜひ案内してもらってくださいね。
■江川邸(えがわてい)
住所:静岡県伊豆の国市韮山韮山1
TEL:055-940-2200
営業時間:9時~16時30分(最終受付16時15分)
定休日:水曜
料金:入館料 高校生以上750円、小・中学生300円
車で約10分
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古き良き日本家屋の温かさと上質な空間が魅力。「伊豆長岡温泉 三養荘」にお泊まり

庭園だけで約3000坪という広大な敷地に、22部屋をゆったりと配した温泉旅館「伊豆長岡温泉 三養荘(いずながおかおんせん さんようそう)」。風格漂う本館は旧三菱財閥の創始者、岩崎弥太郎氏の長男・久彌氏の別邸だった建物で、国の登録有形文化財に指定されています。
宿泊者だけに開放されている日本庭園は池を中心にぐるりと歩ける回遊式。本館の数寄屋造りの建物を見つつ、春は桜、夏は新緑や花菖蒲、秋は紅葉、冬は寒桜や梅の花と、季節を感じながら散策ができます。

新館は純日本風数寄屋造り。村野藤吾氏による建築で、優美で繊細なディテールが特徴です。写真の和室デラックスタイプは本間と次の間を合わせて約83㎡という広さ。日当たりのいい広縁からは坪庭が見えます。

伊豆長岡温泉はpH9.1の高濃度アルカリ性温泉。柔らかな肌触りの名湯を、内湯・露天を備えた大浴場のほか、客室内のお風呂でもかけ流しで楽しめます。
夕食は食事処での懐石料理。旬菜から始まり、お椀、お造り、焼肴など、旬の山海の幸を使って季節を表現した本格和食がいただけます。つやつやの釜炊きご飯と、種類豊富なおかずを少しずつ味わえる朝食もお楽しみに。

「伊豆長岡温泉 三養荘」の入り口すぐにある円形の建物は、新館と同じく村野藤吾氏が設計したラウンジです。昭和レトロなオレンジ色の絨毯がかわいくて、窓に向かってお茶が楽しめる喫茶スペース、中央部にはショップもあります。地元の名産品や雑貨など、センスのいいものがセレクトされているので、おみやげ選びに立ち寄ってみて。
■伊豆長岡温泉 三養荘(いずながおかおんせん さんようそう)
住所:静岡県伊豆の国市ままの上270
TEL:055-947-1111
営業時間:チェックイン15時、チェックアウト11時、ラウンジ・売店は9時30分~17時(16時30分LO)
定休日:無休
料金:新館和洋室スタンダードタイプ1泊2食付き 1室2名利用時の1名料金 5万4130円~(別途入湯税)
車で約30分
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GOAL【三島駅】
【東京都】入館無料! 産業遺産を旅するなら、まずは「産業遺産情報センター」へ

産業遺産に興味が出てきた、行ってみたいと思ったら、都営大江戸線若松河田駅から徒歩約5分にある、入館無料の「産業遺産情報センター」で情報収集するのがおすすめです。
「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の23の構成資産が、ここ1カ所で分かり、たくさんの写真パネルや映像、クイズコーナーなどで楽しく学べます。旅の計画や現地でも大活躍する、アクセスガイドマップも入手できますよ。
「産業遺産情報センター」は公式サイトから日時指定の予約制(2026年2月25日現在)。1日最大5枠ある時間帯と、ガイド付きorガイドなしを選んで予約してみて。
■産業遺産情報センター
(さんぎょういさんじょうほうせんたー)
住所:東京都新宿区若松町19-1 総務省第二庁舎別館
TEL:0120-973-310
営業時間:10~17時(最終入館は16時30分)
定休日:土・日曜、祝日
料金:入館無料
※公式サイトから要予約
Photo:YURIE
Text:伊藤あゆ
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
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