【道の駅 明治の森・黒磯】高原の乳製品と地元の畑でとれた産直グルメが人気!|栃木県
素朴な雰囲気で親しまれた「道の駅 明治の森・黒磯(みちのえき めいじのもり くろいそ)」が2024年に全面リニューアル。とても洗練された雰囲気になったと評判です。どんな変身を遂げたのでしょうか? 訪ねてみました。
「道の駅 明治の森・黒磯」ってどんなところ?
まず目をひくのは、5つ連なる大屋根のひさしです。那須連山の主な5つの山「那須五峰」を表すとともに、その心地良い日陰が半屋外のテラスになっています。モダンな建築ながら周囲の風景に溶け込み、敷地内にある明治の洋館「旧青木家那須別邸」とも調和しています。
館内に足を踏み入れると、木材をふんだんに使用したぬくもりのある空間が広がり、窓から自然の光が降り注ぎます。壁面に描かれたイラストは農家など作り手の現場。実際に作り手を訪ねて着想を得て、制作したそうです。「農家が集まる道の駅」にしたいという思いがやわらかく伝わってきます。
新鮮な乳製品から生まれる「ミルクスタンド」の人気ソフトクリーム
いよいよおいしいもののご紹介です。まず多くの人が絶賛するソフトクリーム(コーン、カップともに500円)。おいしさの秘密は那須塩原の酪農家の生乳を100%使用し、道の駅内の「ミルク工房」で作っているからです。砂糖は必要最低限で、生乳の風味がふわりと引き立ちます。シンプルなソフトクリームのほか、「バタースコッチソフトクリーム」650円も人気。やはり「ミルク工房」で製造する発酵バターから作る、濃厚なバタースコッチソースがほろ苦さをプラス。カリカリとしたナッツも味のアクセントです。 また、「フレッシュブルーベリーソフト」700円、「焼きとうもろこしソフト」800円など季節限定のフレーバーも登場します。
入口脇にある「ミルクスタンド」のカウンターで購入し、大きなひさしの下のテラス席でゆっくり味わうことができます。
那須のおいしさをぎゅっと詰め込んだ「明治の森ダイニング」のランチ
お次は「明治の森ダイニング」で味わえるランチです。メニューは地元の産物をフィーチャーしたものばかり。「いとしの黄味のキッシュプレート」1300円は、濃厚な卵や地元野菜を作った自家製キッシュと、季節の新鮮な野菜やフルーツを一度に味える一品。見た目の美しさもおいしさを倍増させてくれます。
赤身肉の美味しさを凝縮した経産牛のメニューも4種類揃います。「経産牛ハンバーグ」は、サラダ、スープ、ライス又はパン付きで1500円。この日のスープはヴィシソワーズ。ソースは玉ねぎと赤ワインで丁寧につくったデミグラスソースと那須チーズのソースから選べます。デザートメニューも那須産のものが生かされていて、先のソフトクリームも店内で味わうことができます。
旬の野菜や乳製品が揃う「マーケット」は作り手との出会いの場
「ミルクスタンド」や「明治の森ダイニング」で使われている食材や加工品は、「マーケット」で販売されています。実際に口にしておいしさを納得して、購入できるというわけです。 「マーケット」は農産物、乳製品、加工品の3つのコーナーに分かれています。
農産物コーナー
朝の開店時にはどっさり新鮮な野菜が並んでも、昼頃には品薄になる道の駅が多いのですが、ここは午後に訪れても充実しています。それは農家の方が細やかに補充しているからだそう。
時には出荷に来た農家さんが「I am a FARMER」と書かれたタスキをかけて立っていることも。そんなときはぜひ声をかけてみてください。丹精込めた自慢の野菜のおいしい食べ方などを教えてくれます。 また同じ品種でも作り手や畑によって驚くほど個性が違うそうで、売り場には作り手ごとの特徴をまとめたパネルが掲げられることも。さすが「農家が集まる道の駅」です。
「明治の森ダイニング」のサラダにも使われている「手塚さんちの長ねぎドレッシング」180ml 920円は、長ネギとタマネギの自然な甘さとコクと爽やかな酸味がアクセント。サラダだけでなく、肉やパスタにも使えそう。手塚さんの長ネギは販売もしています。
卵の種類も豊富です。レストランのキッシュにも使われていた那須塩原市の養鶏場・江連ファームの「いとしの黄味」10個入り600円は、名前通りに黄味が濃く味が濃厚。ほかにも大田原市やさくら市など近隣からのおいしい卵も揃います。
乳製品コーナー
那須塩原市の市町村別生乳生産額は、北海道別海町に次いで全国第2位。牛乳だけでなく、チーズやバター、ヨーグルト、アイスクリームなど、乳製品の生産も盛んです。乳製品コーナーには那須塩原市と近隣の乳製品がずらりと並んでいます。
「畑の知恵をしぼった牛乳」「職人の工夫がつまったヨーグルト」(いずれも500ml 540円)、「酪農地域でつくる発酵バター」(有塩/食塩不使用いずれも200g入り1680円)、「農家のアイスミルク」(ミルク、いちごいずれも110ml 350円)、「農家のアイスバー」280円など、館内の「ミルク工房」で作られる道の駅オリジナルの商品も多数ラインナップ。
加工品コーナー
こちらにはジャム、お酒、お菓子やお惣菜、お弁当などが揃います。食品以外に工芸品もあり、なかでも天然の赤松を薄く削って作られた赤松材の経木にご注目。殺菌性や通気性に優れた特性を生かしたおむすび包みセット500円や、はがき200円など、使い方のアイデアがふくらみます。
「旧青木家那須別邸」で知る那須と日本の近代化
「ミルクスタンド」前のテラスから見える美しい洋館は、明治時代の政治家・青木周蔵(あおきしゅうぞう)が那須に建てた別邸で、昭和40年代まで使われていました。ドイツで建築学を学んだ松ヶ崎萬長(まつがさきつむなが)が設計した、現存する唯一の作品として極めて貴重なこの建物を後世に伝えるために、「道の駅 明治の森・黒磯」の敷地内に移転・復元され、1998年から一般公開されています。
壁面が人造スレートで被われ、光の当たり方により表面の凹凸が繊細な陰影を生み出します。ドーマーウィンドウ(屋根窓)にはドイツ風装飾が施されています。
2階の階段ホールは、木製のアーチがいくつも重なり合うように架けられています。床まで届かずに途中で途切れて宙に浮いているように見える柱は、限られた階段ホールの空間を視覚的に広く見せ、開放感を演出する効果があります。これはドイツ様式のトラス構造を応用したものです。
外観は本格的ドイツ風洋館ですが、館内には和洋折衷の部屋もあります。異文化を積極的に取り入れながら日本文化に溶け込ませてきた、明治時代の人々のしなやかさとたくましさが感じられます。
施主の青木周蔵は公使として長くドイツに滞在しました。現地でユンカー(大規模な農地や山林を経営する貴族)の在り方に影響を受け、それを那須野が原で実現すべく開拓を開始。そんな背景を解説する展示室もあります。ほかにも松方正義(まつかたまさよし)、大山巌(おおやまいわお)と西郷従道(さいごうつぐみち)、三島通庸(みしまみちつね)ら当時の政治家や官僚、軍人がこぞって開拓事業を那須で進めていました。現在の豊かな那須の原点は明治時代に遡るのです。
那須塩原市にある「道の駅 那須野が原博物館」は、そんな歴史に焦点を当てた個性的な道の駅です。ぜひ「旧青木家那須別邸」とあわせて訪ねてみてください。
花々と佳木に彩られた明治の森「ハンナガーデン」
「ハンナガーデン」は「旧青木家那須別邸」に隣接する約4600㎡の花畑です。春は菜の花、夏はヒマワリ、秋はコスモスが咲き誇り、背景の別邸とあいまって絵のような美しさ。青木周蔵とその妻・エリザベートの間に生まれた娘の名前・ハンナに由来しています。
「道の駅 明治の森・黒磯」は、新鮮な食材や上質な加工品を扱いつつ、那須という大地と人々の日々の物語を伝えてくれるところ。そしてそんな現在の那須が生まれた歴史の物語も、さりげなく教えてくれます。ランチや買い物を楽しみながら、知らないうちに旅がちょっと深くなる、そんな道の駅でした。
■道の駅 明治の森・黒磯(みちのえき めいじのもり くろいそ)
住所:栃木県那須塩原市青木27
TEL:0287-63-0399
営業時間
「ミルクスタンド」:9~17時(12~2月は~16時30分)
「マーケット」:8時30分~17時(12~2月は~16時30分)
「明治の森ダイニング」:11~16時(15時30分LO 、パスタは14時30分LO )
「旧青木家那須別邸」:9時~17時30分(10~3月は9時~16時30分)
「ハンナガーデン」:入園自由
定休日
「ミルクスタンド」「明治の森ダイニング」「マーケット」:第3火曜(12~2月は毎週火曜)
「旧青木家那須別邸」:第3火曜(12~2月は毎週火曜。祝日の場合は翌平日。8月無休)そのほか臨時休館日あり
「ハンナガーデン」:無休
入場料:無料(「旧青木家那須別邸」は入館200円)
アクセス
[公共交通]JR黒磯駅東野交通バス板室温泉行きで20分、バス停青木別荘前下車、すぐ
[車]東北道黒磯板室ICから10分
駐車場:第1駐車場46台、第2駐車場60台
Text:松尾裕美
Photo:村岡栄治
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