【枯山水で体験】冬の京都で静かに坐禅&オリジナル石庭スイーツづくり!ー新人編集部員・あおきちレポート
こんにちは、るるぶ&more.編集部の新人編集部員・あおきちです。今回訪れたのは、小雨が滴る冬の京都。都会の雑踏に揉まれる毎日を少し離れて、目指すは京都に点在する枯山水庭園(石庭)。京都で学んださまざまな“プチ禅”の楽しみ方をクールにお教えします。
Summary
“禅”ってあるじゃないですか。
こんにちは、るるぶ&more.編集部で唯一の男子部員・あおきちです。今回は都会の雑踏を少し離れて、冬の京都を訪れました。
いきなりですが、“禅”ってあるじゃないですか。“無の境地”を目指して、自分を律して修行をする生き方。静かな空間で坐禅を組むのも、かつての釈迦と同じく“何も考えない”を実践するものなんです。
この“無の境地”って、「るるぶ&more.」読者のみなさんも、毎日の生活でわりと近い感情を抱く機会があると思うんです。いわば“禅”ならぬ、2020年の“プチ禅”。おいしいプリンを食べてあらゆる雑念から解き放たれたり、海辺のスパでただ無心で体をゆらゆらしたり。
強調しておきたいのは、由緒ある坐禅とは文脈の深さが違うのですが、日常の中で禅やプチ禅を感じる時間って、そんなにないと思うんです。「そんなの禅を紹介するためのこじつけじゃん。笑」って思うじゃないですか? いや、それを立証すべく今回は京都で本気の坐禅を組んできたんで、ぜひ記事を読んでみてください......。
2020年は坐禅が流行る。冬の京都で楽しみたい坐禅体験!
あおきちが訪れたのは、京都市右京区にある「妙心寺退蔵院(みょうしんじ たいぞういん)」。朝8時の京都の空気は荘厳で、しーんっと静まっています。こちらではまず、一般的な白石のほかに黒石も使われている珍しい、枯山水庭園(石庭)の「陰陽の庭」を見学しました。
石庭といえば、砂に描いたさまざまな模様を組み合わせて、川や大草原などを表現したもの。この模様は「砂紋」といって、まっすぐな線の「流れ紋」や波々の「さざなみ紋」などがあります。また、石庭のなかに点在する石も、天空からこぼれ落ちる雨粒や、亀の甲羅の意味をもっているなど、そのお庭を作った庭師によって表現するところはさまざまです。
そんな心が洗われる石庭でのひとときを楽しんだところで、いよいよ坐禅体験に。「妙心寺退蔵院」副住職より、「なんで坐禅って組むの?」というご説明を簡単にしていただきました。ちなみに坐禅前には、できるだけ身体をしばりつけるものを外して楽にするために、靴下やアクセサリーを外すのが大切とのことです。
そんな坐禅前に、気になったのが“アレ”です。“坐禅”と聞くとまず思い浮かぶ、肩などをべチンと叩くための“例の棒”。警策(けいさく)っていうらしいです。
幸か不幸か、生まれながらの怖いもの知らずなので、「それってやっぱり痛いんですか?」と初心者丸出しな質問を副住職にしてしまいました。すると優しく「普通に坐禅をする際には、みなさんがイメージするような叩き方はしませんし、むしろ坐禅を長時間すると肩が凝るので、逆に気持ちいいですよ」とのお返事が。なるほど...説得力がある。
また、警策のほかには一本のお線香も使うそうです。こちらは坐禅の時間を計るため。通常は1時間以上の時間をかけるようですが、今回は体験版なので15分のみ。それでは、灯りを消して坐禅をスタート。短い時間ですが、しっかりと“無”を目指す時間を味わえます。
ここで大切なのは、背筋をピシッ!! と伸ばして、深く深呼吸をしながら心を落ち着けること。気づけば寝不足だった頭がスッキリとして、どこか霧がかったキモチも晴れ渡った気がしました。会社とかでも坐禅スペース作ってほしい。めっちゃクール。そしてもしよければ、今この文章を読み終えてから、その場で15分間の坐禅をしてみてください。
後から振り返ってみると、普段はなかなか訪れる機会のない“冬の京都”というシチュエーションもグッドでした。夏だったら蒸し暑くて、坐禅に集中できていなかったかもしれません...。すーっとした冬の気候があってこそ、坐禅の奥深さもより肌で感じられたんだと思います。少し雨が残った空模様も、今、この季節の冬の京都らしくてステキ。
そして肝心の“無”になる時間。普段から煩悩まみれのあおきちは、残念ながら無には一歩及ばず...。ただ、ほんの一瞬だけ坐禅が楽しくなった時に、ちょっとだけ無になれた気がしました。これが正解かはわからないんですけど、今まで関わりがなかった“禅”について興味が湧く時間になったのでした。京都のカフェ巡りもいいですが、落ち着いた石庭と坐禅も新たな旅先にいかがですか?2020年は坐禅が流行る。
■妙心寺退蔵院
住所:京都市右京区花園妙心寺町35
アクセス:JR嵯峨野線「花園駅」から徒歩約7分
TEL:075-463-2855
拝観時間:9~17時(閉門)
拝観料:600円
石庭スイーツって知ってますか?雑念を捨てていざチャレンジ!
そしてこの記事でお伝えしたいのは、もうひとつ。日常生活で無になれる瞬間こと“プチ禅”です。スイーツと向き合って心の波をゆるやかにする、プチ禅。今回はとっておきの場所があると聞き、京都市左京区にある「曼殊院門跡(まんしゅいんもんぜき)」を訪れました。
こちらで楽しめるのが、なんと「オリジナル石庭スイーツづくり」。和菓子と洋菓子のエッセンスを組み合わせたスイーツで人気な京都の有名店「一乗寺中谷(いちじょうじなかたに)」とのコラボ企画です。今回味わえるのは、通常であれば8カ月待ちだという人気の「絹ごし緑茶てぃらみす」。いまから期待感がスゴい...!
こちらが、まだ砂紋を描く前のまっさらな「絹ごし緑茶てぃらみす」。キレイなクリームで、なんとまぁまっさら...。こちらにミニフォークを使って石庭の砂紋を描き、小石や大きな石のお菓子をのせていくのですが、ここでまず大切なのがイメトレ。ということで、石庭スイーツづくりのレクチャーが記載されたスケッチシートに、自分だけのオリジナル石庭のイメージを描いていきます。
あおきちがイメージしたのは、渋谷にあるスクランブル交差点。......まさかの石庭の中央に大きな石を置くという離れわざを使いました。「......いや、ここ京都だよ」って思うじゃないですか? わかります、でも人は道に迷うとこうなるんです。数多くの庭師たちが苦悩して、珠玉の作品を作り出してきた石庭。20数年生きただけの自分では、渋谷くらいが限界です。あと自称ですが、めちゃシティボーイなので。
さっそく、ミニフォークをもって石庭の砂紋を表現していきます!今回は、比較的難易度の低い「さざなみ紋」をメインにしました。いざ描き進めてみると、フォークがクリームの奥深くに刺さって、石庭に大きな空洞が...。大切なのは、“無心”になって腕の力を抜き、フォークを少し斜めにしながらクリームの表面をゆる~くなぞっていくこと。でました、“無心”。プチ禅です。
次に、砂糖衣を炒って作ったというアーモンドダイスの小石を撒いていきます。ここでは石庭っぽく、緑色と灰色の両方の小石を混ぜ合わせるのがポイントですが、あおきちのスクランブル交差点はこの後、まさかのモザイク状に。緑色と灰色、混ざってない...。笑
続いて、大きな石を並べていきます。実はこの石、本物そっくりですが、なんと羊羹でできてるんです!しかも、それぞれちょっとずつ色が違っていて、全部で3色展開。白っぽい石は白ごまを混ぜていて、薄い灰色のものは健康的な竹炭を使用。黒い石には、黒ごまが練りこまれているそうです。
こだわり抜かれた石の色味や、先ほどのアーモンドダイスについて、「一乗寺中谷」のご主人は「いろいろな石庭を見て、試行錯誤しました」と語ってくれました。みなさんはあおきちを反面教師に、ぜひまっすぐなキモチで“石庭らしい石庭”を作り上げてください!
そして最後に、緑色のうぐいす豆と黒豆をバランスよく置いて、粉砂糖を振りかければ完成!見てください、最初は渋谷スクランブル交差点とかいってたのに、もうどっからどう見ても立派な石庭。大ぶりな印象なのにどこか荘厳。中央にどっしりと置かれた石も、風流に見えてくるのはなぜでしょうか...。
さっそく食べてみると、緑茶味のティラミスとほわほわなクリームが口の中ですーっと滑らかに広がります。スプーンで持ち上げた時もそうでしたが、生地に全然ひっかからない。さすが絹ごしです...!ちなみに、こちらは少々大ぶりのため、おなかを空かせていくのがオススメですよ。
また、アーモンドダイスのざくざくとした食感を楽しみつつ、3種類の羊羹で程よい甘さに身をゆだねるなど、楽しみ方はさまざま。石庭といえば、ひとつの空間にそれぞれ意味をもった石が点在していて、いろいろな角度から楽しめるもの。場所によっていろいろな味を味わえるなんて、石庭スイーツの楽しみ方もまるで石庭そのものみたいですね。
そして何より、身体中の力を抜いて、ただ心を無にしてクリームに砂紋を描く瞬間。すべてが絹ごしな生地とクリームと向き合い、そのおいしさをただ実感する瞬間。......あれ、これって日常のなかでたまに訪れる“プチ禅”じゃないですか?
人は坐禅を組んで“禅”を目指し、スイーツと向き合う時に“プチ禅”を迎える。どちらも“その道に打ち込む”という意味では、重なる部分があるのではないかと思います。
言い換えれば、普段はあまり親しみのない禅の思想や坐禅も、ひょっとしたら自分の人生と大きな共通点があるのかもしれない...。そんな魅力に気づく瞬間を、冬の京都では見つけられるはずです。あなたも今訪れるべき冬の京都で、日常のなかにある“禅”や“プチ禅”を見つけてみませんか?
JR東海「そうだ 京都、行こう。」で予約ができる!
今回ご紹介した「坐禅体験」と「オリジナル石庭スイーツづくり」はどちらも、JR東海「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンのプラン!どちらも事前予約が必要で、回によっては満席になっている場合もあるそうです。
「妙心寺退蔵院 坐禅体験と朝がゆプラン」は、2020年2月9日(日)、3月8日(日)、4月5日(日)に開催。「妙心寺退蔵院」の拝観料と坐禅体験代、朝食代がセットになって、料金は1名につき5500円となっています。
また「曼殊院 オリジナル石庭スイーツづくり」は、2019年3月8日(日)と3月14日(土)の2日間のみ特別に開催。「曼殊院門跡」の拝観料とスイーツ代などがセットで、1名につき4500円となっています。なおイベント当日は、箱の大きさ(石庭スイーツの面積)が若干異なっているそうです。1回につき先着20名までとなっているので、お申し込みはお早めに!
このほかにも、京都の美しい石庭を巡るのであれば、「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンより「京都 禅寺と石庭めぐりプラン」などがオススメ!石庭の楽しみ方などについては別の記事でも紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。以上、新人編集部員・あおきちがお送りしました~。
Text&Photo:青木皓太(あおきち)
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