映画の街・尾道で楽しむシネマ尾道&周辺おでかけ案内
有名映画の舞台として度々登場し”映画の街”として知られる広島県・尾道。その尾道で唯一の劇場として地元の人に愛され、全国の映画ファンにもその名を知られているミニシアターの「シネマ尾道」と、その周辺で訪れたい、映画の余韻と楽しむのにぴったりなスポットをご紹介します。JR尾道駅までバスで約15分の新尾道駅は新幹線の停車駅で、東京や大阪、博多などからもアクセスしやすいので、ぜひ週末のおでかけプランの参考にしてみてください。
✓ 映画の街・尾道ってどんな街?
尾道は広島県の南東部に位置する、ノスタルジックな雰囲気が魅力の港町。坂が多く、坂道をのぼりきった場所から見渡せる瀬戸内海の絶景は、尾道を象徴する景色です。また、猫がたくさん暮らし、「猫の細道」と呼ばれる約200メートルの路地があるなど猫好きにはたまらない猫の街としても知られています。
そんな尾道が”映画の街”と呼ばれる由縁は、小津安二郎監督の『東京物語』(1953)や大林宣彦監督の『時をかける少女』(1983)など、有名映画の舞台となったことがきっかけ。近年では、しまなみ海道の起点の街として、サイクリングブームにも牽引され、映画だけでなくテレビドラマのロケ地になるなど観光地としても人気が高い街なのです。
✓ 映画の街を明るく灯す「シネマ尾道」
「シネマ尾道」は、そんな尾道で唯一の映画館として地域の人々に愛されるミニシアター。2001年に尾道から映画館がなくなってしまうことになり、「尾道の人々にもう一度、大きなスクリーンで映画を観る素晴らしさを思い出してもらいたい」という思いから、尾道市で育った支配人・河本清順さんが足掛け4年で開館にこぎつけた場所です。
上映会活動を開始して認知を促しながら、書店や居酒屋さんのレジに募金箱を置いてもらうなど、地道に寄付や募金を集め、ようやく開館できたのが2008年。「実は全額が集まったのは実際に元映画館だった場所を借りて、工事が始まってからでした。見切り発車で工事を始めてしまったので、今思うと本当にひやひやだった」と河本さんは笑います。2012年にデジタル化へ移行する際にも寄付を募ったそうで、映画館がないと困るという地域の人々の声をきいて、映画館が尾道に必要なんだと思ってもらえていることを実感できたそう。
シネマ尾道があるのはJR尾道駅から徒歩すぐの場所。空き店舗ばかりだった駅前も今では次々と店がオープンするなど、シネマ尾道が駅前を明るくするきっかけにもなっています。それも地域の人たちと共に劇場を運営し、下は高校生から上は60代までという幅広い年齢のボランティアスタッフの支えがあってこそ。時には柑橘の生産地としても知られる尾道らしく、山のような柑橘類がプレゼントされるなど、地域に愛され、地域に根付いた場所としての魅力が詰まった映画館なのです。
■シネマ尾道
アクセス:JR尾道駅南口から徒歩1分
住所:広島県尾道市東御所町6-2
席数:112席
✓ おでかけ案内①尾道ゆかりの映画の魅力を体感♪「おのみち映画資料館」
そんなシネマ尾道で映画鑑賞した後にぜひ足を運んでもらいたい、尾道らしいスポットを4つご紹介。まず一つ目は映画好き必訪の、「おのみち映画資料館」です。
おのみち映画資料館はシネマ尾道から徒歩15分。尾道ゆかりの映画を、ロケ写真やポスター、ミニシアターなどで楽しめる資料館です。
海をのぞむ階段や坂道、路地越しに見える尾道水道、旅情を誘う雁木など、数々の映像作品の舞台となり、これまで40作品を超える映画のロケ地として愛されてきた尾道の、優れたロケーションと映像美を体感できるのが魅力です。
■おのみち映画資料館
アクセス:JR尾道駅南口から徒歩17分
住所:広島県尾道市久保1-14-1
時間:10~18時
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)
入場料:520円(中学生以下無料)
✓ おでかけ案内②昔懐かしい尾道のソウルフード「からさわ」
尾道散策のひと休みにぜひ立ち寄りたいのがこちら。昭和14年(1939)の創業以来、地元の人や観光客の憩いの場として愛されるアイスクリーム店「からさわ」です。
昔から変わらないレシピのたまごアイスは、地元産の卵と牛乳を使ったさっぱりとした優しい味わいが魅力です。人気はパリパリの皮にたっぷりのアイスクリームを詰め込んだアイスモナカ。
窓から尾道水道をのぞむ店内や、海岸沿いのベンチで尾道の雰囲気を感じながら味わうのがおすすめです。シネマ尾道から徒歩6分と、すぐそばです。
■からさわ
アクセス:JR尾道駅北口から徒歩8分
住所:広島県尾道市土堂1-15-19
時間:10~19時(10~3月は~18時)
定休日:火曜(10~3月は火曜、第2水曜)※祝日の場合は翌日
✓ おでかけ案内③尾道観光の定番スポット「ONOMICHI U2」
尾道散策に欠かせないのが、瀬戸内の衣食住が揃う「ONOMICHI U2」。シネマ尾道から徒歩7分です。
尾道水道沿いにある巨大倉庫をリノベーションした複合施設。自転車を持ったままチェックインできるホテルやサイクルスルーを導入したカフェなど、サイクリストにうれしいサービスが揃う、尾道ならではのスポットです。
そのほか、瀬戸内の旬を味わえるレストランやベーカリー、セレクトショップなど、観光客や地元の人も楽しめるスポットが満載です。
■ONOMICHI U2
アクセス:JR尾道駅南口から徒歩5分
住所:広島県尾道市西御所町5-11
時間・定休日:施設により異なるのでHPで要確認
✓ おでかけ案内④活版印刷体験ができる「活版カムパネルラ」
最後に紹介するのは活版印刷体験ができる風情あふれる雑貨店。ノスタルジックな尾道だからこそ訪れたいお店です。
「活版カムパネルラ」は、活版と雑貨を扱う小さなお店。古民家を改装した店内では、オリジナルの紙ものをはじめ、アクセサリー・器・布小物、尾道在住作家の作品などを販売しています。
奥には活版印刷の作業場があり、「活版印刷の楽しさを多くの人に知ってほしい」という思いから、体験ワークショップを通年開催しています。昔ながらの味わい深い活版印刷を体験して、尾道旅の思い出を持ち帰りましょう♪
■活版カムパネルラ
アクセス:JR尾道駅北口から徒歩10分
住所:広島県尾道市東土堂町11-2
時間:10~18時
定休日:年末年始
✓ 尾道へのアクセス方法は?
東京や大阪など遠方から訪れる場合は、まず新幹線でJR新尾道駅へ向かい、バス(所要約15分)で尾道駅へ行くのがおすすめ。なお、広島駅からはJR山陽本線で尾道駅へ直接アクセスでき、所要1時間半ほどです。
細い路地をのぞきながらの散策が楽しい街なので、歩きやすい靴で訪れて、シネマ尾道での映画鑑賞後はぜひ周辺のスポットに立ち寄って、尾道の魅力を存分に味わってください♪
予約受付中★全国のミニシアター&周辺お散歩ガイドが1冊に!
全国に点在するミニシアターと、その周辺の立ち寄りスポットをイラストMAPとともに紹介するお出かけガイド『全国85劇場 ミニシアターのある街へ。 ~映画の余韻と楽しむお散歩ガイド~』が2021年7月29日(木)に発売されます!今回ご紹介したシネマ尾道はもちろん、東京・愛知・京都・大阪など全国の魅力的なミニシアターを厳選してピックアップ。俳優・井浦新さんのインタビューや、ミニシアターの草分け的存在であるテアトルシネマグループ、アップリンクの歴史にふれるコラムなど読み応えたっぷりな1冊です。amazonをはじめオンラインストアで予約受付中ですので、ぜひチェックしてみてください。
●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
●この記事は『全国85劇場 ミニシアターのある街へ。 ~映画の余韻と楽しむお散歩ガイド~』に掲載した記事をもとに作成しています。
東京ミニシアター6選!映画好きなら一度は行きたいこだわりシアター