「増上寺」の見どころを徹底解説!アクセス方法やご利益・楽しみ方をご紹介
「増上寺」は東京タワーと芝公園の隣に位置する、室町時代から続く格式高いお寺です。戦国時代には徳川家康が檀家となり、戦の時も携えていた「黒本尊」を安置していることでも知られています。そんな「増上寺」の意外と知られていないみどころや寺カフェ、気になるアクセス方法をご紹介します♪
Summary
「増上寺」が格式高い理由|たった2カ所しかない僧侶“育成機関”のひとつ
「増上寺」は「大本山」といって、日本中の浄土宗のお寺をまとめあげる役割を担う、格式の高いお寺です。
特に、大本山の中でも「増上寺」と京都の「知恩院」の2カ所は別格といわれています。その理由は、浄土宗の僧侶を育成する役割を担うお寺だからです。
現在は、僧侶を目指す人が必ず受けなければならない「道場」を執り行っていて、夏と冬に全国から人が集まるのだとか。
開放的な境内へ!「大殿」で心穏やかに自分と向き合う
実は江戸時代までは、この大門まで敷地が広がっていて、芝公園や周辺ホテルも境内だったそう! なんとその大きさは飛び地も含め25万坪。現在は1万6千坪だと考えると、相当大きなお寺だったことがわかります。
この門は、木造の門では東日本最大級の大きさを誇るといわれています。
仏教ではこういった数字を大切にする文化があるのだそう!
東京タワーを背景に、過去と現在の不思議なコントラストを写真に収められます。
徳川家康公ゆかりのお寺! 勝運にご利益のある「黒本尊」
戦国時代、家康公が江戸へ入府する際に「増上寺」の檀家になり、以後、徳川家の菩提寺になったからです。
家康公は「日光に遺骸、葬儀は増上寺、遺灰は三河(生まれの地)へ」との遺言を残していて、ここでは盛大な葬儀が執り行われたのだとか。
家康公は、危険と隣り合わせの戦国時代にこの仏像を深く尊崇し、戦にも必ず持ち運んでいたそう。
「黒本像」は毎年、お正月・5月・9月の15日に開帳されるため、年3回の貴重な機会を狙って多くの人がお参りに来るとか。
「勝」には“勝負ごとに勝つ”という意味だけでなく、“まさる”とも読めることから、“ものごとにおいて優れる”という意味もあるんですよ。
大都会のオアシス♪ 歴史の詰まった「増上寺」の境内を散策!
そんな境内のみどころをご案内します!
法然上人の没後800年を記念して2011年に作られた、比較的新しいお堂です。
なお、普段は一般公開をしておらず、毎年秋の「みなと区民まつり」に合わせて公開されています。
※開催に関しては公式WebサイトやSNSで確認を
ここも「三門」と同じく、災害や空襲を免れた400年の歴史がある木造の建築物で、貴重な書物も焼失せずに残っています。
家康公が熱心な仏教徒だったため、当時でも珍しい宋版、元版、高麗版の3つの「大蔵経」を集めることができたといいます。そしてなんと3時代の「大蔵経」が残っているのは「増上寺」だけなんです。(※現在は別の収蔵庫に移管)
お堂自体は空襲で焼けてしまい、現在のものは戦後に再建されたものですが、鐘は江戸時代からのもののため、古い歴史を感じられます。
徳川家2代将軍・秀忠公のために建てられた豪華絢爛な霊廟「台徳院殿霊廟」の模型が常設展示されています。
模型は1910年の日英博覧会で展示され、イギリス王室に寄贈・保管されていましたが、2014年から日本で展示することになりました。実際の建物が焼失してしまったため、今では貴重な展示物となっています。
普段は立ち入ることのできない「三門」の2階にも上がれるので、ぜひこの機会に訪れてみてください!
■増上寺宝物展示室(ぞうじょうじほうもつてんじしつ)
場所:大本山 増上寺 大殿本堂地下1階 「増上寺宝物展示室 (旧三縁ホール) 」
時間:11~15時(土・日曜、祝日は10~16時)
休館日:火曜 ※火曜が祝日の場合開館
入館料:一般 700円 ※徳川将軍家墓所拝観とのセット券 1000円
緑豊かな境内でゆったり過ごせる寺カフェ「TERA CAFE SHIEN ~ZOJOJI~」
メニューはこだわりのお茶と、和のスイーツ。お茶は「嬉野 かぶせ煎茶」と「嬉野 しずく茶」「嬉野 無薬農 アールグレイ茶」の3種類が用意されています。
このお茶を提供することになったのは、オーナーが佐賀県で「嬉野茶」をたまたま飲んで、そのおいしさに感動したことがきっかけなのだとか。
また、和菓子の練り切りは、芝地区の和菓子作家さんが丹精込めて作り上げたもの。色鮮やかな桔梗の青が風流ですね。
人気メニューの抹茶のアフォガードは、「嬉野茶」と甘いアイスが相性抜群のスイーツ!
あられのサクサクした食感と香ばしさがいいアクセントになっていて、和の調和を楽しめますよ♪
「TERA CAFE SHIEN ~ZOJOJI~」は、2023年春頃までの期間限定カフェなので、訪れるならお早めに!
■TERA CAFE SHIEN ~ZOJOJI~(てら かふぇ しえん ぞうじょうじ)
場所:東京都港区芝公園4-7-35 大本山 増上寺 境内
TEL:090-1504-8002
時間:10~17時
定休日:無休
多くの人が訪れる!「増上寺」で注目の行事をピックアップ
最も大きな行事は、毎年4月に開催される「御忌大会(ぎょきだいえ)」。法然上人の年回忌を期した法要です。大門から大殿までお練り行列も行われ、お祭りのように盛大に執り行われるんですよ!
誰でも短冊に願い事を書くことができるので、七夕の夜は「増上寺」に足を運んでみるのもいいですね。
この鐘つきは予約制となっていて、例年12月1日の朝からチケットを販売しています。毎年人気でその日には完売してしまうんだそう!
気になる「増上寺」のアクセス方法!電車利用が便利
電車の場合
・都営三田線 御成門駅 A1出口 徒歩5分
・都営三田線 芝公園駅 A3またはA4出口 徒歩6分
・都営浅草線 大門駅 A6出口 徒歩7分
・都営大江戸線 大門駅 A6出口 徒歩7分
・JR浜松町駅 北口 徒歩12分
・都営大江戸線 赤羽橋駅 赤羽橋口 徒歩13分
・東京メトロ日比谷線 神谷町駅 3出口 徒歩15分
さまざまな駅に囲まれていて、アクセス抜群です♪
■大本山 増上寺(だいほんざん ぞうじょうじ)
住所:東京都港区芝公園4-7-35
TEL:03-3432-1431
時間:大殿 6時〜17時30分、安国殿 9〜17時
定休日:無休
Photo・Text:土井彩寧(vivace)
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