【日光】約1250年の歴史をもつ、世界遺産・日光山輪王寺へ!2024年度限定デザインの御朱印も!

【日光】約1250年の歴史をもつ、世界遺産・日光山輪王寺へ!2024年度限定デザインの御朱印も!

おでかけ 世界遺産 寺社 栃木県 るるぶ&more.編集部
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「日光山輪王寺」は766年に勝道上人(しょうどうしょうにん)が開山した古刹で、日光山内から奥日光まで広がる堂塔の総称。日光東照宮・二荒山神社とともに「日光の社寺」として世界遺産に登録されており、2024年に世界遺産登録25周年を迎えます。おもなみどころは三仏堂(さんぶつどう)周辺と大猷院(たいゆういん)。建物、仏様、門など、見逃せないポイントを紹介します。

Summary

まずは日光山随一の大きさを誇る本堂へ

日光山輪王寺の本堂・三仏堂
日光山輪王寺の本堂・三仏堂

日光山輪王寺を訪れたら、まずは本堂の三仏堂へお参りしましょう。JR・東武日光駅からバスを利用する場合は、バス停勝道上人像前で下車します。

三仏堂は日本でも数少ない天台密教形式のお堂で、正面33m、側面25m、高さ26mに及ぶ日光山内で最大の木造建物。現在の建物は、1645年に3代将軍・徳川家光公によって建て替えられたものです。

金色に輝く日光三山の本地仏
金色に輝く日光三山の本地仏

堂内の中央には、高さ約7.5mの仏様が3体鎮座。山岳信仰に基づいた日光三山の本地仏(ほんじぶつ)で、左から太郎山の馬頭観音、女峰山の阿弥陀如来、男体山の千手観音です。

仏様は下から見上げた際に目が合うように、伏し目がちになっています。仏様の前で手を合わせて祈願したあとに、見上げて目を合わせてみましょう。

高さ13.2mの青銅製の相輪橖
高さ13.2mの青銅製の相輪橖

三仏堂から大護摩堂へ向かう途中に高い塔が立っています。これは相輪橖(そうりんとう)という仏塔。1643年に家光公の発願により、天海大僧正が世界平和・国家安泰を願って建立したものです。

五大明王など多数の尊像を祀る大護摩堂
五大明王など多数の尊像を祀る大護摩堂

大護摩堂では天台密教の修法の一つ、護摩(護摩壇で護摩木を燃やしながら祈祷)を毎日行っています。7時30分、9時30分、11時、12時30分、14時の1日5回、祈願料は3000円~、所要約30分。

また、大護摩堂では写経体験(納経料1000円、所要約15~60分)もできるので、時間のある方は参加してみるのもおすすめです。

季節とともに変化する逍遥園
季節とともに変化する逍遥園

三仏堂の周辺スポットでは、逍遥園(しょうようえん)も見逃せません。江戸時代初期に造られた、鳴虫山や男体山を借景にした池泉回遊式の庭園です。茶人であり作庭家でもあった小堀遠州が作庭したという説も。春はシャクナゲ、ツツジ、初夏は新緑、秋は紅葉を楽しめます。

848年建立の常行堂
848年建立の常行堂

三仏堂から大猷院までは歩いて10分ほど。大猷院の拝観券売場の手前にあるのが常行堂(じょうぎょうどう)です。比叡山延暦寺を模して建てられた、純和風の宝形造という珍しい建物。かつて念仏を唱えながら御本尊の周りを歩く「常行三昧」という修行が行われていました。

孔雀に乗った五尊像 ※堂内は撮影不可
孔雀に乗った五尊像 ※堂内は撮影不可

御本尊は孔雀に乗った宝冠阿弥陀如来(ほうかんあみだにょらい)で、周りを囲む四菩薩像も孔雀に乗っています。堂内は撮影不可なので、全国でも珍しい如来像の姿をしっかりと目に焼き付けましょう。

重厚で落ち着いた雰囲気が漂う大猷院

大猷院の第一の門、仁王門
大猷院の第一の門、仁王門

大猷院は3代将軍・家光公の霊廟。寺院は南向きに建てられることが多いですが、大猷院は鬼門に当たる北東を向いて立っています。家光公が家康公を敬愛し、日光東照宮に向いて建てられたからだといわれています。

境内には意匠の異なる5つの門があります。最初に現れるのが仁王門。左右に立つ高さ3.2mの金剛力士像が大猷院の入り口を守っています。2体の口の形が「阿(あ)」「吽(うん)」になっているのは、物事すべてに始まりと終わりがあることを表現。

第二の門、二天門
第二の門、二天門

次に見られるのが、日光山内最大の門・二天門です。持国天と増長天の二天を祀っていることから「二天門」とよばれています。大猷院は山の地形を生かして造られており、石段を上りながら奥へ進んでいきます。移り変わる風景も趣深いですね。

第三の門、夜叉門
第三の門、夜叉門

3番目が夜叉門。阿跋摩羅(あばつまら)、犍陀羅(けんだら)、毘陀羅(びだら)、烏摩勒伽(うまろきゃ)という4体の夜叉が東西南北の守りを固めています。牡丹唐草の彫刻が多いことから、「牡丹門」ともよばれています。

第四の門、唐門
第四の門、唐門

唐門は拝殿・相の間・本殿の入り口にあたる門。高さは3mと小さいですが、繊細な彫刻、金や白の彩色が隅々まで施されています。両側の袖塀にある「百間百態の群鳩」という鳩の彫刻は必見です。

国宝に指定されている権現造の拝殿・相の間・本殿
国宝に指定されている権現造の拝殿・相の間・本殿

唐門をくぐり抜けた先にあるのが、拝殿・相の間・本殿です。金彩をたくさん施した豪華絢爛な建物で、別名は金閣殿。入ることができるのは拝殿のみですが、拝殿から相の間と本殿も見学できます。拝殿の天井には、幕府の御用絵師・狩野派によって描かれた140もの龍の絵が配されています。

第五の門、皇嘉門
第五の門、皇嘉門

最後の門・皇嘉門(こうかもん)は高さ2.2m、幅1.8mで、家光公の墓所がある奥の院の入り口にあります。ここから先は非公開。門は閉ざされているため実際に通ることはできませんが、中国・明朝形式の竜宮造の門は見ごたえがあります。

桜や紅葉の時期が特におすすめ

三仏堂と金剛桜
三仏堂と金剛桜

歴史ある建物だけでなく、豊かな自然もみどころの一つです。三仏堂の前庭には金剛桜とよばれる樹齢約500年の山桜の木があります。見ごろは例年4月中旬から5月上旬。朱塗りの三仏堂と白い大輪の桜の花のコントラストが見事です。

逍遥園のライトアップ
逍遥園のライトアップ

紅葉の見ごろは毎年10月下旬~11月上旬。紅葉シーズンには逍遥園のライトアップが行われます。カエデやモミジなどの木が夜空に浮かび上がる艶やかな光景は圧巻!

世界遺産登録25周年記念の催し

秘仏・五大明王像
秘仏・五大明王

日光山輪王寺では世界遺産登録25周年を記念して、2024年4月8日から2025年3月31日まで、三仏堂内の特設会場で秘仏・五大明王が初公開されます(拝観400円)。

2024年春限定の切り絵御朱印 ※デザインは変更の可能性あり
2024年春限定の切り絵御朱印 ※デザインは変更の可能性あり

さらに、五大明王の初公開を記念した限定の切り絵御朱印も登場。デザインは季節によって少しずつ替わります。繊細で美しい切り絵御朱印は参拝のしるし、旅の記念にぴったりです。

三仏堂の階段手前にある香炉を支える邪鬼
三仏堂の階段手前にある香炉を支える邪鬼

御本尊をはじめ、建物や門など見ごたえたっぷりの日光山輪王寺。桜や紅葉の見ごろに合わせて訪れれば、歴史的建造物と自然が織りなす絶景を堪能できます。世界遺産登録25周年を迎える2024年に訪ねてみてはいかがですか。


Text:下坂真由美
Photo:宮地工・中田浩資

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