日本初上陸「シックスセンシズ 京都」で究極のサステナビリティと癒やしを体験【すみずみ宿泊ルポ】
ウェルネスとサステナビリティに特化した高級リゾートとして、世界26カ所に展開する「シックスセンシズ」。その日本初のホテルとして、2024年4月、京都の東山に「シックスセンシズ 京都」がオープンしました。部屋、食、体験、すべてに雅な京都らしさとシックスセンシズの精神が込められています。特別なひとときを過ごせる、新しい都心のリゾートを訪ねました。
Summary
ホテルの場所は歴史と文化が伝わる東山エリア
「シックスセンシズ 京都」へは、京阪七条駅の7番出口から出て、七条通を東へ歩くと左手に京都国立博物館、右手に三十三間堂が見えてきます。東大路通に突き当たったら北(左)へ曲がります。
京阪七条駅から徒歩10分、重厚な門と塀のある建物が「シックスセンシズ 京都」です。ホテルというより、由緒あるお屋敷のような雰囲気。門をくぐると別世界が待っています。
メインロビーに入ると、ふわっと高貴な香りが鼻をくすぐります。これは「シックスセンシズ 京都」オリジナルの香り「シグネチャーセント」で、非日常へと誘ってくれるようです。フロントの奥にある屏風は、京都の伝統的な焼物「楽焼」のタイルで鞍馬山を描いたもの。反対側の壁にかけられているのは、京都・高山寺の国宝絵巻「鳥獣戯画」をイメージした現代アートです。貴族文化が育まれた平安時代を意識しながらも、現代の感覚にアレンジした空間にわくわくがとまりません。
ソファに腰掛けてチェックインの手続きをする際にすすめられたのは「塗香」でした。塗香とは仏教では身を清めるとされる粉末状のお香で、手にとってすり込むように体になじませます。手のひらと手首にそっとなじませると、やわらかな香りが心を鎮めてくれました。この塗香は京都の老舗「天香堂」のオリジナルで天然香料100%と聞いて、サステナビリティの精神を感じました。
京都らしさを取り入れた客室
客室に向かう廊下は、なんと畳のようなデザインで、靴のまま歩くのがはばかられるようです。でも実は石畳をイメージしたものなのだそう。客室は12種類、8室のスイートを含む全81室。今回はデラックスキングルームへ案内してもらいました。
部屋のアイコンはキツネのデザインです。通常は点灯しているのですが、掃除をしてほしい時、起こさないでほしい時はキツネの目が消えて合図をしてくれます。シックスセンシズでは、地域の環境や文化の保護という観点から、その土地の動物をキャラクターに用いており、ここ京都では民話や伝説に登場する狐がモチーフとなっています。
部屋の中央にあるベッドは、シックスセンシズが特注している英国「ナチュラルマット」製オーガニックマットレスを使用。1台1台職人さんがハンドメイドで作るもので、ほどよいスプリングでとっても寝心地がよいのです。さらに温度調整枕もあって、首元から温かく快眠に導いてくれます。ゲストに快適な安眠環境を提供する「Sleep With Six Senses」の考え方で、睡眠時に機器を装着して眠りの状態を分析する「睡眠トラッキング」もオーダーできます。
ヘッドボードのプレートは回転させれば紅色にチェンジできるんです。壁面にオリジナルの模様や文字を表して記念撮影、というのもいいですね。
ベッドサイドの明かりは職人技が光る京都の「金網つじ」製で、まるでオブジェのよう。やわらかい光がリラックスモードに拍車をかけます。お水はペットボトルではなくビンに入っています。これはペットボトルを使わないことでプラスチックを削減することと、輸送によるCO2排出を削減するためにホテル内で詰めているもので、ビン洗浄機や充填機も完備しています。これもシックスセンシズのポリシーの具現化の一つなんですね。
テレビが見当たらないと思ったら、壁の引き戸を開けるしくみでした。でも、いい機会なので滞在中はテレビも含めてデジタルデトックスしてみようかな。
部屋に用意された3種類のお菓子は、ホテル内で手作りされたものです。この日はさつまいもチップス、塩ポップコーン、レモンクッキーでした。京都のブランド「◯間(ま)」のお茶とともにいただきます。
テラスに出ると中庭の緑が目に飛び込んできました。さわやかな風を感じながら、ソファに座ってプチ瞑想タイム。深呼吸するごとに心が穏やかになっていきます。
テラスの目隠しには、一般的なすだれより目の細かい御簾(みす)が設置されていました。平安絵巻を思い起こします。
洗面台は左右に2カ所あります。陶器のボトルに入っているのは、ウェルネスブランド「Lapidem(らぴでむ)」のボディローションとハンドソープ。使って気に入ったらホテル内ブティックで購入できます。
バスルームも和の雰囲気です。水圧の強いシャワーも完備され、シャワー派、バスタブ派どちらも快適。
ルームウェアは上下セパレートタイプ。アスリートも着ていることで知られる「テンシャル」とコラボしたもので、血行を促進して疲労回復が期待できる機能性パジャマなんです。
サステナビリティにこだわりぬいた料理の数々
シックスセンシズの料理に対する考え方は、天然由来であること、地元で持続可能な栽培法で作られた食材を使うこと。そこに日本古来の暦を取り入れています。
「オールデイダイニング Sekki(節気)」では、二十四節気に合わせたメニューを提供。地元の生産者と連携し、野菜を中心に旬の素材の持ち味を生かした料理に仕上げます。肉や魚介類も厳選したものを無駄なく使い、調理方法にもサステナビリティへの配慮を忘れません。グルテンフリーやヴィーガンにも対応可能です。
「Café Sekki(カフェ 節気)」では、香り高いコーヒーやクラフト紅茶のほかに、自家製コンブチャやスロージュース(コールドプレスジュース)など、幅広いドリンクメニューがあります。すすめられたのは、「Rocket fuel」とよばれるドリンク(試飲無料)で、野菜、果物、ハーブ、スパイスを漬け込んだもの。なかなかクセがありますが、ぐいっと飲み干すと体がぽかぽかしてきました。
伝統的な発酵法で作られたパンやスイーツは、カフェで食べてもお部屋で食べてもOK。
ランチやディナーのコース、そしてアフタヌーンティーは二十四節気に合わせて2週間ごとに変わります。和洋の調理法を取り混ぜたオリジナル料理で、地場野菜に酒粕などの発酵食品を用いたり、昔ながらの製法で作られた調味料を用いたり、体によい料理を堪能できます。
グルテンフリーのアフタヌーンティーに大満足
グルテンフリーに加えて、精製した砂糖を使わないシュガーフリーといううれしいアフタヌーンティーです。訪れた時は立冬のメニュー(2024年11月7日~11月21日/6900円・税サ込)でした。セイボリーは、「杉玉の酒粕リゾット」「かんぱちの蕪寿司」「かぼす窯 蟹の酢の物」「鴨のコンフィの醤油麹焼き」。「スコーン」は白みそとさつまいもの2種類に、りんごジャムと甘酒クリームでいただきます。おいしくて体にやさしいメニューです。
スイーツは、「栗きんとん」には和三盆のメレンゲ、「大福」の中のぶどうは長野パープル、大きな黒豆が入った「スフレチーズケーキ」、ふわりと吟醸香が香る「酒粕フィグサンド」、さらに京菓子の老舗「亀屋良長」の上生菓子がつく贅沢なもの。
ドリンクは緑茶、ほうじ茶、紅茶、ハーブティー、コーヒーがフリーで飲めます。お茶は客室で飲めるのと同じ「◯間」のティーアーティストがブレンドした、「シックスセンシズ 京都」オリジナルです。
中庭に設置されたテラスでも料理をいただくことができます。
食事のあとは、ゆるやかな坂をせせらぎが流れ、木々が季節の色に変わる中庭を散歩してみては。
■Café Sekki(かふぇ せっき)
・営業時間: 7~18時
・TEL:075-531-0732(直通)
■オールデイダイニング Sekki(おーるでいだいにんぐ せっき)
・営業時間:朝食 7~10時30分、ランチ12時~14時30分、ティー15時~17時30分、ディナー 18~22時
・TEL:075-531-0732(直通)
楽しみながらサステナビリティを実感するワークショップ
「アースラボ」では、シックセンシズのサステナビリティに関する活動の紹介と持続可能な取り組みを学ぶことができます。また、宿泊者を対象にした無料のワークショップは、エコやサステナビリティをテーマにした有意義な内容です。
プリント柄の端切れに蜜蝋を塗ってラップの代わりになる蜜蝋ラップを作りました。洗えば何度も使えるので、使い捨てしなくてもいいのがエコですね。ほかにも、廃棄する紙を再生する和紙作りや、風呂敷の包み方を学ぶワークショップなどもあります。
「アルケミーバー」では、自家農園で栽培されたハーブと天然由来の材料を使ったワークショップが開かれています。たくさんの薬草やハーブが並んでいて、ここにいるだけで自然の香りに癒やされます。
ワークショップのプログラムは、保湿バームやスクラブ、麹を加えたハーバルボールなど、持ち帰って日々の美容や癒やしに使えるものばかりです。宿泊者向けの無料のものと、スパプログラムに含まれるものがあります。
スパで総合的なウェルネス体験を
「シックスセンシズ スパ 京都」では、禅の思想と伝統的なヒーリング手法に、最先端の科学を融合したプログラムが体験できます。まずは、「ウェルネス スクリーニング」で約40種類のバイオマーカーを使って体の内側を測定。アドバイスをもらって、希望するプログラムを選びます。フェイシャルやボディトリートメントの種類も多いので、その時の状態や時間に合わせて体験しましょう。
観光や移動でちょっと疲れたな、という時は「バイオハックリカバリーラウンジ」で最先端機器を使って、疲労回復。時差ボケにもよいそうです。宿泊客以外も利用できます。(15分8000円、30分1万2000円~)。予約がベターですが、空いていれば予約なしでもOK。
■シックスセンシズ スパ 京都
・営業時間:10~20時
・TEL:075-531-0712(直通)
ホテルから徒歩で行ける、「音羽山 清水寺」観光のおすすめ休憩スポット3選
歴史ある寺院や史跡が建ち並ぶ東山エリア。中でも「音羽山 清水寺」観光のティータイムにジャンルが異なるカフェをセレクトしました。
【ホテルから徒歩約14分】loose kyoto
おいしいコーヒーとドーナツを楽しめるコーヒースタンド。ドーナツは小ぶりなので、食べ歩きにもおすすめです。
【京都・清水寺周辺】町家を改装したコーヒースタンド「loose kyoto」
【ホテルから徒歩約15分】普門茶屋
わらび餅の名店。氷の上にのせて提供されるわらび餅は、もちもち&むちむちの食感。「音羽山 清水寺」の参拝帰りに立ち寄ってみては?
【京都】清水寺すぐ!「普門茶屋」で氷の上のむちむちわらび餅を満喫
【ホテルから徒歩約16分】POUYUENJI KYOTO
「POUYUENJI(ぽうえんじ)」初のお茶ブティック。特別な空間で、貴重なプーアル茶をはじめとしたお茶とお菓子を丁寧にサーブしていただける贅沢なお茶時をどうぞ。
【京都】2024年6月オープン! グローバルにお茶をキュレーションするブティック「POUYUENJI KYOTO」でスペシャルなお茶体験
リアルなおすすめタイムスケジュール
【1日目】
12:00京都市内観光を楽しむ
15:00 京阪電車でシックスセンシズ 京都へ。チェックイン
15:15 「オールデイダイニングSekki」でアフタヌーンティーを堪能
17:00 お部屋でリラックス
17:30 「シックスセンシズ スパ 京都」で、ウェルネス体験
19:30 京都の街を散策。気に入ったお店でディナー
22:00 お部屋でリラックスタイム
24:00 就寝
【2日目】
7:00 起床、テラスでストレッチ、ハーブガーデンを散歩
8:00 「オールデイダイニング Sekki」で朝食
9:30 「アースラボ」で蜜蝋ラップ作り
11:00 「Café Sekki」で、自家製ドリンクや体に優しいスイーツを味わう
12:00 チェックアウト
初めて訪れる場合は、周辺のみどころが多いので、事前にしっかり観光計画を立てて♪。リピーターの場合は、メイン通りから少し中に入ったところで小ぢんまりと営む美術・工芸品店などを覗いてみるのも◎。
■シックスセンシズ 京都(しっくすせんしず きょうと)
住所:京都府京都市東山区妙法院前側町431
TEL:075-531-0700
チェックイン/アウト:15時/12時
料金:1泊1室17万円~
アクセス:京阪七条駅7番出口から徒歩10分。京都駅から車で約7分
Text&Photo:松田きこ(ウエストプラン)
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。