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駒形どぜう 本店

江戸っ子はグルメだった! マグロ、どじょう鍋、居酒屋…江戸から現代へ続く人気グルメを食す、東京ガストロノミーツーリズムへ

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マグロやどじょう鍋、角打ち居酒屋…江戸の庶民に愛されたグルメが今も人気なのはご存じでしょう。そんな東京に今も残る江戸文化の“食”に焦点をあてて、食べて、体感する、東京ならではのガストロノミーツーリズムを体験してみませんか? 江戸料理研究家のうすいはなこさんの案内で、「精進料理 醍醐」4代目店主の野村祐介さんとともに、下町食べ歩きツアーを決行。歴史背景や江戸っ子の暮らし、受け継がれる匠の技など知れば知るほど、面白くて、おいしい、東京ガストロノミーツーリズムに出かけましょう♪

Summary
江戸から続く食文化を味わう!
\「東京ガストロノミーツーリズム」体験レポ! /

築地場外市場でマグロ仲卸の鉄火丼を味わい、専門店で粋なお買い物/築地「てっか屋 樋栄」・「吹田商店」

スーパーも百貨店もない江戸時代、庶民は市場や露店、行商から買い物をしていました。当時の日本橋には魚市場があり、現在の東京の市場のはじまりとされています。ということで、2018年まで中央卸売市場があった築地から江戸の食文化を学ぶ旅がスタート。市場が豊洲へ移転した後も、築地場外市場には鮮魚や青果、乾物、包丁、調理器具など約400店もが立ち並び、食にまつわるあらゆるものが揃う専門店街として賑わっています。

市場「築地魚河岸」

まずは、仲卸業者が営む小売店、約60店舗が集まる生鮮市場「築地魚河岸」へ。

冷凍技術がない江戸時代、マグロといえば薄いピンク色のカジキマグロが主流でした。一方、本マグロは時間が経つと酸化して色が悪くなり、猫も食べずにまたいで避けるといわれるほど不人気だったそう。江戸時代後期、千葉で濃口醤油がつくられ、屋台の寿司店では漬けマグロを寿司ネタとして提供するように。脂の多いトロの部分はネギと一緒に加熱するねぎま鍋として食べられていました。

マグロ

昭和2年(1927)創業のマグロ専門仲卸「樋栄」では、冷凍技術や物流システムが発達して出回るようになったメバチマグロ、近年で人気が爆発した本マグロなど、100年近くマグロ一筋で取り扱っています。

新鮮でおいしいマグロを揃える「築地魚河岸」の専門店は、妥協を許さないプロの料理人たちのニーズに応え続けています。

3代目の楠本栄治さんは「立ち食い寿司と出前寿司では消費スタイルが違うため、どんなマグロが最適かも異なります。本音で会話をしながら、買う側・売る側との信頼関係を築き、商売するのが粋といえるかもしれません」と語ってくれました。「築地魚河岸」海幸橋棟1階にある「樋栄」では、一般のお客さんも買い物ができますよ。

赤身・中トロ・大トロを一度に味わえる「とろ本てっか丼」
赤身・中トロ・大トロを一度に味わえる「とろ本てっか丼」

小田原橋棟3階「てっか屋 樋栄」は、4代目となる楠本康太さんが始めた鉄火丼専門店。冷凍ではなく生にこだわった本マグロが味わえると大人気なんです。

冷凍マグロは、遠洋漁業で獲れるものが多く、鮮度を保つため、船上でマイナス60℃ほどに急速冷凍され、冷凍のまま流通されます。一方、生マグロは氷水で鮮度を保つため、漁場は日本近海がほとんどで、希少価値もアップ。もっちりとした食感で、脂の口どけがよく、うま味が余韻となって口に広がります。1割しか流通していないといわれる貴重な生マグロが味わえるのも、「築地魚河岸」の醍醐味です。

野村祐介さん’s comment
赤い色合いのマグロは縁起がよく、懐石料理でも花形。他の魚では代用がきかないマグロが、冷凍技術や物流システムの進化をけん引してきたのかもしれません。日本人にとって生で魚を食べられることは当たり前ですが、世界的には珍しいこと。これだけ新鮮でおいしい生マグロを食べられるのは、技術やシステムのおかげです、本当にありがたいですね。

■てっか屋 樋栄(てっかや ひえい)
住所:東京都中央区築地6-26-1 築地魚河岸 小田原橋棟3F
TEL:03-6264-3455
営業時間:10~15時(日により閉店時間が早まる場合あり)
定休日:市場の休業日に準ずる


吹田商店

続いて、築地4丁目交差点からすぐの場所にある「吹田商店(すいたしょうてん)」にやってきました。大阪で明治25年(1892)に創業した昆布仲買商で、プロの料理人ご用達の昆布から一般のお客さんが家庭で使う昆布まで、種類多くの昆布が揃います。

江戸では、昆布は佃煮や昆布巻きなどで食べるもので、関西のように出汁として昆布を使う食文化は浸透していませんでした。ところが大正12年(1923)に関東大震災が起こり、復興のために関西から多くの建設業者が訪れると、それに伴い、関西の料亭文化=昆布出汁の料理が徐々に親しまれるようになりました。「吹田商店」も昭和2年(1927)に東京支店を開設し現在に至ります。

日高昆布

店先には日高や利尻、羅臼など、さまざまな産地の昆布はもちろん、とろろ昆布や塩昆布、昆布飴といった加工品、わかめやひじき、煮干し、どんこといった乾物もずらり。

市場の魅力は、専門店が扱う商品についての知識量です。たとえば「おでんを作るなら、肉厚で軟らかく、出汁としても具材としてもおいしい日高昆布がおすすめ」とか「お吸い物なら、香りがよく、上品な味わいで、京料理や精進料理でも使われる利尻昆布がいいよ」と教えてくれます。作りたい料理、目指す味の方向性にとって最適なものを提案してくれるから、買い物の楽しみも、商品自体の満足度も格別なんです。

吹田商店5代目吹田勝良さんと産地による昆布の味の違いを語る、野村祐介さん、うすいはなこさん
吹田商店5代目吹田勝良さんと産地による昆布の味の違いを語る、野村祐介さん、うすいはなこさん
野村祐介さん’s comment
精進料理を生業としているので、昆布も料理によって産地や部位を使い分けています。昆布はうま味成分であるグルタミン酸が多く、さまざま食材の味を引き出し、おいしくしてくれるのが魅力。出汁を取った後も食べられて、乾物だから常温保存ができ、輸送もしやすく、SDGsが求められる現代にぴったりの食材ですね。

■吹田商店(すいたしょうてん)
住所:東京都中央区築地4-11-1
TEL:03-3541-6931
営業時間:6~14時
定休日:水・日曜、祝日


【年末の築地場外市場を訪問される皆さまへ】
年末は、例年大変な混雑が予想されます。安心・安全のため、ご訪問前には必ず「築地場外市場」公式サイトの最新情報をご確認ください。混雑を避けるため、状況によっては来訪を控える、あるいは時期をずらすといった選択肢もあわせてご検討ください。
また「築地場外市場」を訪問する際には、事前に「築地のマナー8箇条」をご確認いただけますようお願いいたします。


江戸風情を今に伝える名店で、熱々のどぜうなべをつつく/浅草「駒形どぜう 本店」

駒形どぜう 本店

一行は浅草の駒形橋近くで220年以上続く「駒形どぜう 本店(こまかたどじょう ほんてん)」へやってきました。

創業の享和元年(1801)とは、江戸幕府11代将軍・家斉公の時代。当時は、千葉や埼玉の農民が牛車を引いて、日本橋や秋葉原の市場まで野菜を売りに出かけていました。朝はこちらに立ち寄ってどぜう汁で精をつけ、昼は商売がうまくいくと、どぜうなべにお銚子を1本つけて、帰路についたといわれています。肉食禁止の江戸時代、どじょうは貴重なたんぱく質源で、元気が出るご馳走だったのでしょう。

灯籠風の看板

旧仮名遣いの正しい表記は、「どぜう」ではなく、「どぢやう」または「どじやう」。文化3年(1806)の江戸の大火を機に、「駒形どぜう」の初代が四文字では縁起が悪いと、三文字表記にしたのだとか。今も暖簾の「どぜう」の文字が歴史を伝えています。

現在の建物は昭和39年(1964)に建て替えられたものですが、出し桁造りという佇まいは江戸時代の代表的な商家造り。大名行列を見下ろすことがないように、通りに面した2階には窓を設けていません。

「駒形どぜう 本店」店内

店内で江戸風情を色濃く残すのは、1階の入れ込み座敷。中庭を見渡す広間には、籐畳の上にヒノキの長い板が渡され、板を挟んで鍋をつつけば、江戸っ子気分が盛り上がります。

「どぜうなべ」

「どぜうなべ」には、体長8cmほどのどじょうが丸のまま10匹以上も。江戸時代の製法で作られた味噌と水で、1時間以上も煮込んで下ごしらえします。炭を入れた火鉢で卓上に運ばれ、ネギをのせ、ぐつぐつと煮え始めたら食べ頃。骨も頭もほろほろと軟らかく、泥臭さとは無縁で、醤油&みりんの甘じょっぱい割下に、七味唐辛子や山椒がよく合い、ご飯が進みます。

「どぜうなべ」をかこむ男女
野村祐介さん’s comment
どぜうなべは大好きで、真似して作ってみたこともあるんですが、軟らかくしようと長時間煮ると形がくずれてしまって、うまくいかず…(汗)。江戸時代の代表的な食文化であるどじょうは、今となってはニッチな食材で、商売として扱うには手間もかかります。独自のノウハウを引き継いでいる駒形どぜうさんは貴重な存在だと感じ、あらためてリスペクトの想いが湧きました。

■駒形どぜう 本店(こまかたどじょう ほんてん)
住所:東京都台東区駒形1-7-12
TEL:050-5448-6266
営業時間:11時~20時30分(20時LO)
定休日:不定休(公式サイトを要確認)



職人の遊び心から生まれた江戸切子。繊細な紋様にうっとり/日本橋「江戸切子の店 華硝 日本橋店」

江戸切子

国の伝統工芸品に指定されている江戸切子。江戸時代後期、日本橋大伝馬町のガラス問屋がガラスの表面に彫刻で模様を施したのが始まりで、職人の遊び心から生まれたのではないかといわれています。嘉永6年(1853)の黒船来航の際、ペリー提督への献上品にもなり、細工の見事さに驚いたとの逸話も。現代では、その美しい色合いからグラスや酒器、小鉢など、食卓を彩る食器としても用いられています。

「華硝」外観

江戸切子発祥の日本橋に直販店を構える、昭和21年(1946)創業の「江戸切子の店 華硝(えどきりこのみせ はなしょう)」。芸術性と独創性を兼ね備えた江戸切子は、国内外で高く評価されています。こちらで、江戸切子の魅力について教えてもらいましょう。

「華硝」店内

江戸切子は色ガラスを被せたガラスの表面を、研削して紋様を描き出します。伝統的な紋様には、健康で長生きという意味の「麻の葉つなぎ」、厄除けの意味がある「籠目」など10種類以上も。

模様を刻む様子

「江戸切子の店 華硝」では伝統的な紋様だけでなく、オリジナルの紋様を考案。さらに、紋様を刻んだ後に手磨きをすることで、カット面はシャープで、ガラスに透明感がありキラキラと輝く江戸切子が生まれます。精巧に刻まれた紋様、ガラスの美しい色彩や輝き、光の屈折で変わる表情…と、芸術性の高さは感動的です。

ラインダーで削る体験
野村祐介さん’s comment
今回は特別にグラインダーで削る体験をさせていただきました。削る箇所を的確に狙い、一定の力を加え続けるのは至難の業。手の感覚のみで、もっと繊細な紋様を数百回も刻むのは想像を超える技術です。料理の世界の包丁技術にも通じるところがあり、極めたくなりましたし、自然界から発想を得た紋様にも大いに興味を持ちました。

■江戸切子の店 華硝 日本橋店(えどきりこのみせ はなしょう にほんばしてん)
住所:東京都中央区日本橋本町3-6-5
TEL:03-6661-2781
営業時間:10時30分~17時(土曜、祝日は11~17時)
定休日:日・月曜 ※変動あり。最新情報は公式サイトをご確認ください。
※現在、体験の募集は行っていません。


江戸時代の角打ちが復活! 豆腐田楽を肴に、東京の地酒をたしなむ/神田「豊島屋酒店」

地酒

旅の締めくくりは、体験で特別に作らせてもらった江戸切子のぐい呑みを持って、日本の居酒屋のルーツという神田の角打ちへ。

慶長元年(1596)に酒屋兼一杯飲み屋を始め、東京最古の酒舗といわれる「豊島屋(としまや)」(現・豊島屋本店)。創業当時、神田鎌倉河岸(現在の神田橋付近)は江戸城築城のための資材を運ぶ要所であり、武士や職人、商人が多く集まる繁華街でした。

賑わう街にはいい酒が集まります。江戸時代中期には酒樽を運ぶ専用の大型和船・樽廻船(たるかいせん)も誕生。伊丹や灘といった上方の上質な米と水を使い高い技術で作られた「下り酒」が江戸へと競うように運ばれてくるようになったこともあり、庶民の間でも日本酒が大ブームになります。

そんな中、「豊島屋」は上質な日本酒が安く飲めると人気店に。ひな祭りの白酒を売り出すと江戸っ子が殺到し、「山なれば富士、白酒なれば豊島屋」と詠われるほど江戸の名物になったのだとか。やがて幕府御用達となり、徳川家康公が関ヶ原の戦いでの戦勝を祈願したという由緒ある神田神社へも御神酒を納め、現在も変わらず奉納しています。

「豊島屋酒店」外観

関東大震災を機に居酒屋の営業は断念し、酒などの販売に専念していましたが、2020年、1世紀ぶりに居酒屋を再興。それが創業の地の近くにできた商業複合施設「KANDA SQUARE(かんだ すくえあ)」内の立ち飲み居酒屋「豊島屋酒店(としまやさけてん)」です。

店内で地酒をたしなむ

スタンディングで15名ほどが入れる店内は明るく清潔。女性やおひとり様も気軽に立ち寄れる雰囲気です。お酒は東村山にある自社の酒蔵「豊島屋酒造」が醸した代表銘柄「金婚」や「屋守」、「利他」の純米酒、純米吟醸、大吟醸が揃い、30mL、60mL、100mL、150mLと細かく量が選べるので、少量ずついろいろ試せます。

「3種飲み比べセット」、「田楽 プレーン赤味噌」、「本マグロお刺身」、「豊島屋バター」
「田楽 プレーン赤味噌」、「本マグロお刺身」、「豊島屋バター」

おつまみが豊富にあり、イチオシは江戸っ子も日本酒のあてにしたという豆腐田楽。江戸では、お酒がすすむ肴として辛めの味噌が人気だったとか。江戸時代と同じ製法の味噌を使いながら、豆腐のサイズや味噌の辛さは現代風にアレンジして提供しています。洋風なのに不思議と日本酒が進む「豊島屋バター」は、ドライフルーツを混ぜたバターに酒粕が隠し味。ひとり飲みにちょうどいいサイズで注文できて、手軽な江戸食文化体験にもおすすめです。

飲み比べを楽しむ男女
野村祐介さん’s comment
江戸っ子は年間4斗樽(72L)を一人で消費するほどお酒好きだったそう。近年、若者のお酒離れが取りざたされていますが、立ち飲みなら気軽に利用できるし、隣り合った者同士で交わすちょっとした会話には、インターネットの世界では得られない気づきがあるかもしれません。

■豊島屋酒店(としまやさけてん)
住所:東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE 1F
TEL:03-6273-7120
営業時間:11~23時
定休日:土・日曜、祝日


「どぜうなべ」をかこむ男女

築地、浅草、日本橋、神田と、東京の下町エリアで江戸食文化を体験した今回のツアー。ぜひ巡って、歴史にふれ、今も受け継がれる江戸っ子の粋や技、味を体感してみて。


江戸から続く食文化を味わう!
\ 「東京ガストロノミーツーリズム」体験レポ! /


Text:伊藤あゆ

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●記事の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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