“オールインクルーシブ”とは? サービス内容・選び方・お得に泊まるコツまで完全ガイド
最近よく聞く“オールインクルーシブ”って本当にお得なの? ひと言で“オールインクルーシブ”といっても、含まれるサービスは宿ごとに異なり、使い方次第で損にも得にもなります。この記事では、料金に含まれる内容と、オールインクルーシブのメリット・デメリット、お得かどうかの見極め方、宿の選び方までを紹介します。
オールインクルーシブとは?宿泊料金に含まれるサービス内容

オールインクルーシブとは、宿やプランが指定したサービスの料金が、あらかじめ宿泊料金に含まれている宿泊スタイルのこと。「All Inclusive」は英語で「すべて込み」を意味しますが、館内のすべてが無料になるというわけではありません。
対象になるのは食事や飲み物、アクティビティが中心。指定された範囲であれば使うたびに支払う必要がなく、追加の会計が発生しにくくなります。日本で一般的な1泊2食付きプランとは、含まれる範囲が異なります。
※表は左右にスクロールできます
食事
夕食と朝食が基本で、プランによっては昼食や軽食が含まれることも。食事の提供の仕方は宿ごとに異なり、ビュッフェ形式の宿もあれば、コース仕立ての料理を席まで運んでくれる宿もあります。また、食事のほかに軽食やおつまみを用意する宿も見られます。
食事が含まれる回数は宿泊日数やプランで変わります。連泊の場合、昼食が対象に入るかはプランごとに分かれます。
ドリンク
ドリンクが含まれる点は、オールインクルーシブを特徴づける要素。ソフトドリンクだけでなく、ビールやワイン、カクテルなどのアルコールを対象にする宿が多くあります。
提供場所はラウンジやバー、レストランが中心。1泊2食付きプランでは食事中の飲み物が別料金となることが多いため、飲んだ分によって支払い料金が左右されない点が大きな違いになります。ただし全銘柄が対象とは限らず、希少な日本酒や高級ワイン等に別料金が設けられている場合もあります。
アクティビティ
アクティビティを料金に含めている宿もあります。館内のものづくり体験や季節のイベント、周辺の自然を生かした屋外での遊びなど、内容は宿によってさまざま。
通常なら有料で提供されている体験を追加費用なしで試せるため、料金を理由に見送っていたものにも参加しやすくなります。
予約が必要なものや開催日が限られるものもあり、実施状況は季節や天候で変わる場合があります。
温泉・プールなどの施設利用
温泉やプール、サウナ、フィットネスルームの利用料が含まれる宿もあります。日本では温泉を備えた宿が多く、大浴場や露天風呂が対象になっていれば、滞在中に何度でも入れます。
館内着やタオル、湯上がりのドリンクを用意する宿も見られ、持ち物を減らすこともできます。
施設ごとに営業時間が決まっていたり、利用回数や予約の要否が定められていたりする場合もあります。また、エステやマッサージは別料金となることが多くあります。
オールインクルーシブのメリット

オールインクルーシブの大きな利点は、支払いにまつわる負担が減ることが挙げられます。
- 宿泊にかかる費用の見通しやすさ
- 都度払いのない身軽な滞在
- 有料アクティビティへの挑戦
それぞれご説明します。
宿泊にかかる費用の見通しやすさ
宿で使う金額を、予約した時点で見通すことができます。1泊2食付きプランでは、飲み物や体験の料金が滞在してみないとわからないことも。オールインクルーシブは対象のサービスが宿泊料金に含まれるため、出発前に見込みを立てられます。
ただし入湯税や宿泊税、駐車場代、対象外のサービスは別に加算されます。宿での支払いがゼロになるわけではありません。
都度払いのない身軽な滞在
滞在中、料金を確かめたり会計したりする場面を減らせます。貴重品を持たず、部屋着のままラウンジへ立ち寄る、といった過ごし方もしやすくなります。また、金額を気にせず注文できるため、同行者に遠慮させてしまう場面も起きにくくなります。
有料アクティビティへの挑戦
普段は選ばない体験にも参加しやすくなります。アクティビティや体験教室は、通常なら別途料金がかかりますが、料金に含まれていれば、試してみるだけの気持ちで申し込めます。好みに合うかわからない体験ほど、料金を理由に見送りがち。その理由がなくなり、新しい挑戦ができます。
オールインクルーシブのデメリット
すべて込みの料金設定には、価格と過ごし方の両面で制約があります。
- 利用しないサービス分の支払い
- 通常プランより高い表示価格
- 対象外サービスの追加料金
- 館内に限られる過ごし方
- 連泊時に重なる内容
それぞれご説明します。
利用しないサービス分の支払い
オールインクルーシブでは、使わなかったサービスの料金も、宿泊料金として支払うことになります。飲み放題やアクティビティの料金は、利用の有無にかかわらず全員に等しくかかります。お酒を飲まない人や食事の量が少ない人ほど、支払った金額に対して受け取る量が少なくなります。
通常プランより高い表示価格
同じ宿で比べると、オールインクルーシブのプランは通常プランより表示価格が高くなることがほとんど。宿泊費そのものを抑えたい旅行では、この差額が負担になることも。同じ予算内で、素泊まり+都度課金でより理想に合った宿に泊まる、という選び方もできます。
対象外サービスの追加料金
含まれる範囲外のサービスには、別に料金がかかります。対象になるサービスは宿ごとに決められていて、すべてが無制限とは限りません。銘柄が限られたアルコールやエステ、ルームサービスなどが対象外となる場合があります。すべて料金に含まれると思って利用した結果、チェックアウト時に請求が発生することもあります。
館内に限られる過ごし方
サービスが充実している分、行動範囲が宿の中に限られやすくなります。食事もドリンクも館内で用意されているため、外へ出る理由が減ります。館外で食事をすれば、含まれている食事を使わないまま費用が上乗せになります。観光地めぐりや食べ歩きを予定している旅行では、含まれるサービスを持てあましやすくなることも。
連泊時に重なる内容
連泊すると、食事や体験の内容が重なる場合があります。館内で提供できるメニューや体験の数には限りがあります。日替わりの献立や体験の入れ替えを用意している宿もあれば、内容が固定されている宿もあります。連泊を予定しているなら、2泊目以降の食事内容が変わるかを予約前に確かめると安心です。
オールインクルーシブが向いている人・向いていない人

オールインクルーシブが得になるかどうかは、旅行の目的によって分かれます。
向いている人
オールインクルーシブの向き不向きは、同行者の人数や年齢のほか、含まれるサービスをどれだけ使うかで決まります。
- 食事の際に飲み物を頼む人
- ラウンジや軽食を複数回利用したい人
- アクティビティや温泉を目的に滞在する人
- 宿で過ごす時間が長い人
人数が多いほど得になるとは限りません。4人で泊まっても、ドリンクを飲むのが1人だけなら、残り3人分の差額は使われないまま残ることになります。
向いていない人
館内のサービスを使う機会が少ない人には向きません。
- 観光や食べ歩きで外出が多い人
- 到着が遅く、翌朝すぐ出発する人
- 食事の量が少ない人、お酒を飲まない人
- 食事の時間や場所を自由に決めたい人
外出が多いと、含まれる食事や体験を受けられません。滞在時間が短い場合も同じです。
オールインクルーシブがお得になるかの見極め方
オールインクルーシブが損か得かは、料金そのものより滞在の仕方で決まります。宿の外でやりたいことがあるかどうかを先に考えると、判断しやすくなります。判断の目安になるのは次の4つです。
- 1泊で飲むドリンクの杯数
- 使う館内サービスの数
- 館内で過ごす時間
- 同行者ごとの利用見込み
それぞれ見ていきます。
1泊で飲むドリンクの杯数
ドリンクを飲む量は、金額に反映されやすい要素。1泊で何杯くらいのドリンク頼むかを見積もります。通常プランなら1杯ごとに料金がかかるため、杯数に単価を掛けた金額が、そのまま差額の回収分になります。
飲まない人がいる場合は、その人の分を数えません。ここで出した金額は、残りの3項目と合計してから差額と比べます。
使う館内サービスの数
料金に含まれるサービスのうち、いくつ使う見込みがあるかを数えます。対象がドリンクだけの宿と、アクティビティや施設利用まで及ぶ宿では、同じ料金でも受け取るサービスの量が変わります。使う予定のない項目が多いほど、差額は回収しにくくなります。
予約前に対象サービスの一覧を見て、実際に使うものと比較すると判断しやすくなります。
館内で過ごす時間
宿泊期間中、宿の中にいる時間を見積もります。早めに入って翌朝までゆっくり過ごすなら、食事以外のサービスを使う機会が増えます。到着が夜で朝に出発する滞在では、含まれるサービスの多くに手が届きません。
ホテルでの滞在そのものを目的にするホカンスという過ごし方なら、含まれるサービスを使いきりやすくなります。チェックインとチェックアウトの時刻は宿によって差があるため、滞在できる長さも確かめておきます。
同行者ごとの利用見込み
同行者それぞれが何を使うかを考えます。大人が全員お酒を飲むなら、人数分の差額を回収しやすくなります。飲まない人や食の細い人が含まれると、その分は使われないまま料金に含まれます。子どもの料金設定は宿によって異なり、年齢で区分を設けている場合もあります。
失敗しないオールインクルーシブの宿の選び方

オールインクルーシブの宿は、含まれるサービスの中身で満足度が変わります。料金や施設規模だけで決めると、期待していた内容と食い違うことも。比べるときに見る項目はおもに次の7つです。
- 飲み放題の対象範囲
- 飲み放題の提供時間
- 食事の提供スタイル
- アクティビティの充実度
- 温泉・スパの有無
- 対象年齢と客層
- 立地とアクセス
それぞれご説明します。
飲み放題の対象範囲
飲み放題に、どの飲み物が対象になるかを事前に確認しておくと安心。ソフトドリンクのみの宿もあれば、ビールや日本酒、カクテルまで含む宿もあります。地元の酒が揃う宿や、銘柄を絞って提供する宿もあります。
飲み放題が対象の場所も分かれます。ラウンジだけの場合と、客室の冷蔵庫やレストランまで含まれる場合があります。
飲み放題の提供時間
飲み放題を利用できる時間帯は、終日可能な宿もあれば、夕方から夜までの数時間に限る宿もあります。到着予定の時刻と提供時間が合わないと、含まれているサービスを使えないまま終わることがあるので、事前に確認しておくと安心。
食事の提供スタイル
ビュッフェか、席で提供されるコースかで過ごし方が変わります。ビュッフェは好きな量を選べるため、子ども連れや食の好みが分かれるグループにおすすめ。コース形式は落ち着いて食事をしたい場面に向いています。会場が指定される宿では、食事の開始時刻が決められている場合があります。
アクティビティの充実度
含まれる体験の数と内容について、館内の体験教室だけの宿もあれば、八ヶ岳の自然を満喫できるホテルのように周辺の環境を生かした宿もあります。滞在中に何度も参加できるものか、1回限りかも宿によって異なります。天候に左右される内容が中心の場合、雨天時の代わりの過ごし方も見ておくと安心です。
温泉・スパの有無
大浴場や露天風呂、貸切風呂の有無で、滞在中の過ごし方が変わります。温泉を備えたオールインクルーシブの宿もあれば、入浴施設のない宿もあるため、湯めぐりを目的にするなら事前の確認が必要です。エステやマッサージは別料金となる場合が多く、含まれる範囲は宿ごとに異なります。
対象年齢と客層
大人だけで静かに過ごしたいなら、年齢に制限を設けている宿を選ぶのもひとつの選択肢。宿全体では制限がなくても、ラウンジや一部の浴場だけ年齢を区切っている場合もあります。
子ども連れなら、キッズスペースや子ども向けメニューの有無に加え、子どもの料金区分と添い寝の扱いを確かめます。年齢によって料金が変わるため、含まれるサービスの範囲も子どもだけ異なる場合があります。
カップルなら露天風呂の付いた客室や、食事を個室でとれるプランがあるかを確認します。同行者の構成と宿の方針が合っていないと、滞在中に気を使う場面が増える場合も。
立地とアクセス
宿までの移動時間と、周辺に何があるかを確かめます。送迎バスの有無や最寄り駅からの所要時間を確認しましょう。観光も予定しているなら、目的地との距離も確かめておきます。
まとめ|オールインクルーシブは「含まれる範囲」の確認が決め手
オールインクルーシブを選ぶときは、通常プランとの料金差と、自分が使う予定のサービスを照らし合わせます。
含まれる範囲がわかれば、滞在中に使いきれるかを見積もれます。宿の外でやりたいことが多い旅行なら、含まれるサービスは手つかずのまま料金に残ります。
同じオールインクルーシブでも、対象になるサービスは宿ごとに異なります。気になる宿が見つかったら、飲み放題の対象と時間、食事や体験の内容を公式情報で確かめてから予約しましょう。
※記載の内容は2026年8月時点の情報です。最新の情報は各宿の公式サイトでご確認ください。
Photo:PIXTA
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